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罪深き者  作者: まことのすけ
一章
5/5

村発見

よろしくお願いします。

 頼りない細さの道を歩くと、遠目で村が見えてきた。異世界での初の人との接触である。ここに来て、言葉が通じるか不安になってきた。

 通じなければ、不本意ながらボディランゲージという方法に頼らなくてはいけなくなる。海外すら行ったことないのに、いきなり言語の通じない場所へと放り出されるとは、難易度が高過ぎな気がするよ神様。

 自分の強さってのは一般人より上らしいけど、ゲームの様な世界なら戦闘を生業としてる人達がいるはずで、その人達にはたぶん勝てない。

 別に戦いに行こうって訳ではないし、武装もしてない人間だから争い事にはならないと思うが、用心だけはしておいた方がいい。

 こちらのに人間の性質ってのが分からないし、よそ者ってだけで捕らえられて奴隷にされちまうなんてあるかもだしな。

 のんびり歩きながら、どんな村なのか確認してみる。と言っても、ごく普通の農村にしか見えない。

 村には木の柵で囲まれていているが、もう透け透けだ。高さもない。精々、腰ほどだろう。等間隔に腕ほどの太さの木を並べていて、その間をロープで繋いでいるだけだ。

 住居を囲うので精一杯なのか、畑は柵の外にある。あってないような柵の奥に、村人がちらほら見えるな。

 ここれだけ無防備なんだ。平和なんだろう。


 ふぅ、やっと村の近くまで来れた。歩きっぱなしだったからな、疲れはあまり無いけど、さすがに飽きてきたところだった。

 村の入口には、お爺さんが腰を下ろしていた。門番のつもりなのかな。


「Jgfbsjmweggmmp」


 何か喋りかけてきた………。

 マジか。ぜんぜん分からんのだけど。仕方がない、やりたくはなかったが………。

 俺は無言で自分の耳を指差した後、腕を使ってバッテンを作った。

(これで通じてくれ。察してくれ、じいさん。)

 心の中で訴えること数十秒、お爺さんは立ち上がると、うるうるとしため目で肩を優しく叩いてくれた。慰めてくれてるのかな。

 お爺さんは、悪いこと聞いてしまったとでもいうように、少し肩を落として申し訳なさそうにしている。

 そんな顔をしないでくれ。こっちが申し訳なく思えてくるじゃないか。

 お爺さんは小さな声でブツブツ言った後、ハッとした顔でこちらを見てきた。それから身振り手振りで何か伝えようとしている。

 慣れてないからか、あたふたして変な動きをしているし、残念ながらぜんぜん伝わってこない。

 伝える事を諦めたのか、次は腕を持ってグイグイ引っ張ってくる。どこかに向かわせたい事だけは分かったよ。

 俺は、ここで突っ立ってたって仕方がないし、お爺さんは悪そうに見えないから素直に着いていくことにした。

読んで下さってありがとうございます。

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