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罪深き者  作者: まことのすけ
一章
4/5

ステータスと轍

 透き通るような晴天。日差しが鬱陶しくなるほどだが、ほどよい風のおかげで実に心地好い。

 見通しの良すぎる草原を眺めると、ちょっと不安になるけどな。

「ステータス」

 さっそく神様のアドバイスってやつを試してみるべく、ステータスを唱えてみる。

 一瞬驚いたが、目の前に現れる文字列。それは親しみある日本語で書かれていた。ゲームの様な世界と言っていたから、想像は着いていたがね。実際に現れると驚いてしまうのも無理はないだろう。

 ビクッとしてしまった事に言い訳しつつも、書かれている文字を読んでいく。


 ステータス

 田淵 明仁(タブチ・アキヒト)


 Level 1

 HP 200/200

 MP 50/50


 スキル

【徴発】


 ふむ、良く分からんな。奴は一般人より強いステータスになると言ってたが、基準が分からないのに比べようがないな。

 てっきりSTRやらDEXやらAGIが出るものだと思っていたんだが、スキルときたか。スキルってのが珍しいのか皆持ってるのか分からないし、これだけで判断するのは良くないな。

 体の調子は、前回の人生で言ったら20代半ばほどだろうか。いたって良好で、若返った肉体の感覚を楽しんでいる自分がいる。

 精神は肉体に引きずられるとはよく言うが、醜く生き長らえていた前回の俺は常に若くありたいと願っていたからか、肉体と精神の齟齬をまったく感じない。

 まったくもって分からない事ずくめだが、何にもせずにいる訳にはいかないしな。とりあえず歩くとするか。

 服も若い頃によく着ていたロングコートとシャツとパンツなのは嬉しかったが、どうも黒一色ってのが落ち着かない。ブーツだって黒だし。全部持ってたものだけど、全身黒色になるのは初めてかもな。

 服装の事やスキルの事を考えながら、1時間くらいたっただろうか。柔らかな草の絨毯を踏みながら、適当に選んだ方角へと歩き続けていると、道を見つける事ができた。

 と言っても、轍と足跡によってできたであろう道は地球のアスファルトで舗装されたものとは比べようがなく、せいぜい1mと少しくらいか。行先が不安になりそうな道だが、何も当てなく歩き続けるよりはましだろう。なんとなくだが、右に行ってみることにした。歩き続けていれば、何時かは村か街に着くはずだしな。

読んで下さってありがとうございます。

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