前書きや後書きについて
はじめに
本作はあくまで、「なろうで執筆を始めてみた初心者」が迷った際の情報まとめとして書いています。
私自身は文系では無いので、文系バリバリの方には劣ります。
なのでマサカリはやめて下さいね。
心をおおらかにしてお読み頂くか、無理そうならブラウザバックをお願いします。
こんにちは、あるいはこんばんは。
みなさん、前書きや後書きに何を書くべきか迷ったことはありますか?
───お品書き
・結論
・効果について
・次話の掲載予定日、実はデメリット?
・読者のスタイルと情報の鮮度
・常連客にだけサービスが手厚い店主
・さいごに
───結論
前書き:読む前にできれば知っておくと良い情報。
後書き:読後に興味がある読者へ伝えたい情報。
新人作家さんには「書く事で大きく評価が変わる」と思われている人もいますが、そんな事はありません。
「何を記載するのがベストか?」
この問いについての回答は知りません。
ベストなスタイルは確立されておらず、基本的には作者のスタイルで様々な手法が取られています。仮に、ベストなスタイルがあるのなら、ほとんどの作品がそのスタイルで統一されるでしょう。
作家の自由で書いて良い、というのが私なりの結論です。
───効果について
強いて言えば前書きでの注意喚起はやや重要です。
例えば「本エピソードには残酷表現を含みます」などの注意喚起です。
それ以外は、作者が読者にどのように思われたいか次第だと思われます。
継読に必要なのはあくまで本編の魅力です。
前書きや後書きに記載されている内容自体が、継読へのアクションに繋がる効果は薄いと考えます。
───次話の掲載予定日、実はデメリット?
質問板の投稿で、次話の掲載予定日を後書きに記載する話題がありました。
以下、私なりの考察です。
【メリット】
・最新話を常に追っている大ファンの読者には有益。
・読者に「サービス精神が旺盛な作者」と評価される可能性が向上。
【デメリット】
・割合でみると、恩恵を受ける読者が非常に少ない。
・情報の鮮度が古くなると、逆に離脱ポイントの一つになりうる。
次話を待つ熱心な読者には有難い情報ですが、ほとんど意味がありません。なぜならその情報が無くても読みに来るからです。
また、合わないと思った読者に対しても、意味がありません。なぜならその情報があっても、読みたいとはならないからです。
そのため、期待する程の効果は見込めません。
───読者のスタイルと情報の鮮度
勿論、継読を迷っている読者に対してはわずかに効果があります。でも、最新話をリアルタイムで追う読者は数としては多くありません。
「そんな事はないよ!最新話をまだかまだかと待って読んでいる作品はあるよ!」
それは大ファンだからです。掲載予定日が載っていなくても貴方は読むでしょう。つまり読者の行動に対しての影響力は誤差の範囲です。
ユーザー数の多寡にかかわらず、最新話をリアルタイムで追い続ける読者は、該当作品の読者の中でも比較的少数派だと思われます。
後続の読者にとっては情報の鮮度が古く、その作品に乗り遅れている感が強くなり、部外者のような感覚を与えてしまうデメリットを含んでいます。
───常連客にだけサービスが手厚い店主
次話の掲載予定日のデメリットがピンと来ない方のために、飲食店で例えてみます。
◆◇◆飲食店でのシチュエーション例◇◆◇
ある日、友達と一緒に町のレストランに入ったとします。そこは個人経営のお店で、ちょっとおしゃれな雰囲気。料理もおいしそうだし、期待して席につきました。
ですが、店主の対応が少し気になります。常連客らしき人たちには笑顔で「次は何日に来てくれるの?」と会話しながら特別なメニューを出していましたが、自分たちには普通のメニューしか渡されず、何の説明もなし。
◆◇◆◇◆◇
その店主は、決して一見さんを無下にしているわけではないでしょう。むしろ常連客を大切にしたいだけです。
しかし、ふらっと立ち寄ったお客さんからは見え方が変わります。
料理の味は悪くないとしても「このお店、自分には合わないかも」と感じてしまうかもしれません。次に訪れるかどうか迷っている段階では、この雰囲気が「もういいかな」という理由になりえるのです。
ただし、これをどう受け取るかは店全体の質によります。
料理が抜群に美味しかったり、雰囲気が素晴らしければ、「馴染みのお客さんに親切なアットホームなお店」として好意的に映るでしょう。逆に、料理が普通で特別感がなければ「歓迎されていない雰囲気」とマイナスに映ることもあります。
次話の掲載予定日を後書きに記載するのは、これと似た状況です。
熱心な読者(=常連客)には便利ですが、新しく訪れた読者(=一見さん)にとっては「自分には関係ない話」と感じられる可能性があります。そして、それが読者の心にプラスに働くかマイナスに働くかは、最終的に作品全体の質によるでしょう。
もちろん、熱心な読者を大切にすることは素晴らしいことですし、悪いわけではありません。
ただ、新しく訪れる読者も巻き込んで「また来たい」と思わせるためには、後書きでのサービスよりも、作品そのものの質を高めることに時間を使った方が効果的です。
───さいごに
何か参考になったり、新しい発見があったりしましたでしょうか?
読者の期待を超えるために大事なのは本編です。
前書きや後書きに対する過度な期待は持たず、読者と向き合う一つの手段として貴方の望むアプローチを取ると良いでしょう。
貴方の作品の向上に繋がれば幸いです。
───おまけ
レストランの例え話を超短編にしてみました。
◆◇◆街角のレストラン◇◆◇
ある日、友達と一緒に町へと出かけ、レストランを見つけて入ってみることに。
個人経営のお店で、ちょっとおしゃれな雰囲気。
料理もおいしそうだし、期待して席につく。
「ねぇ、注文何にする?」
「うーん、多いから迷うね」
友達と何を頼むか悩んでいると、店主は常連客らしき人たちと笑顔で会話を弾ませています。
「これ、来週のメニュー。金曜日から新作料理を出すの。良かったら食べに来て」
「えー!これいいね!絶対、金曜日来るよ!」
「ほんと?いつも来てくれてありがとう。とっても嬉しいよ」
そのやり取りを眺めていると、友達が小さく呟きました。
「ねぇ、向こうだけで、こっちは普通の対応だよね?」
「そうだね。でもあっちは常連さんみたいだし……」
そう。ただ新作料理のオススメをしているだけ。でも、どうにも居心地が悪い。
そんな事を考えていると店主から声をかけられる。
「そちらのお客さんは注文決まりましたか?」
「い、いえ!まだです……」
店主はにこりと微笑みながら言いました。
「焦らなくて良いですよ。どうぞごゆっくり」
◆◇◆◇◆◇