【第五話】こんな平和な日常がいつまでも続きますように
今回は内容的にいつもよりも2000字程度少ないです。
その代わり誰に需要があるのかわからないような後書きで字数を稼ぎます。
「……ぅと」
「…ゅぅと」
「…ゅうと」
……誰かに名前を呼ばれている気がする。だけど眠いんだ。昨日三時までパソコンいじいじしてたから眠いんだ。もう少し寝かせてくれよ…誰かは知らないが。
「…悠人!股間潰すよ?」
「おはよう!いい朝だね!」
本能で起き上がり、下手なウインクをする悠人。ウインクをされた純恋はドン引き…すると思いきや、どうやら純恋じゃない。だけどさっきの声は純恋…だった気がする。
だんだん視界が明るくなっていく。するとそこにいたのは…
「おはようキモい童貞くん?」
「なんでお前がいるんだ」
そこには僕らの家にいるはずのない人物。
(あ、あれ…?僕昨日なにしたっ…け?)
昨日は土曜日。学校は休み。今日は日曜日。同じく学校は休み。昨日は一日部屋に引きこもって、夜ふかしした。とすると…
「やっぱりバレてたか。朝から何の用だ。玲奈」
「いやぁ。昨日の昼に純恋から悠人を手伝って上げてねって言われて駆けつけてきたんだよ」
「え?てことはお前昨日の昼からいたのか?」
「いや今来た」
「紛らわしいな…って手伝い…とは?」
すると純恋は少し困惑した様子で言う。
「い、いや…私は何も言ってなくて…玲奈が昨日『明日悠人の家に行っていい!?』って言われて…」
「あぁ、そうか………とはならんよ!?なんで僕たちが一緒に住んでることを知ってるんだよ!!」
「ごめん…玲奈に『なんで悠人と仲いいの!?許嫁!?許嫁なのか!?』って聞かれて、私が口滑らしちゃって…うっかり…」
「いや別にいいんだよ?けれどあまり周りに言えるようなことじゃないから玲奈も周りに言うなよ?」
「ふぁーい。で、手伝っていい?」
「手伝うって何をだよ」
「さっき起きたじゃん」
「?あぁ、起きたな」
「だからその手伝いを」
「ごめん何言ってるのかよくわからないんだが?」
悠人は玲奈の顔を見つめ、玲奈の意図を読み取ろうとしたのだが…玲奈はなぜかニヤニヤしている。同時に純恋は少し顔を赤く染めている。
「だ~か〜ら〜」
「悠人の悠人、起きちゃったんでしょ!?こないだ板倉先輩の家で起こった事件のせいで!」
「ゆ、悠人の悠人…とは…?って!何言ってるんだ殺すぞてめぇ!そもそも好きでも無い女の身体で反応なんかしねぇわアホ!」
「じゃあ、確かめてみる?」
「脱ぐな脱ぐな」
服を脱ぎ始める玲奈にそう告げる。こいつに羞恥心はないのだろうか。
「でもまぁ確かに、昔は一緒にお風呂入った仲だもんね〜」
「何年も昔の話だし、一度だけだ」
「え?」
そこで、純恋が声を上げた。えっと…その……と小さく呟きつつ、一つの疑問文を作り出し二人に告げる。
「あ、えっとお二人はどういう関係なんですか……?」
「おしゃななじみ」
「口調まで小さくなってるけど大丈夫そ?」
すると純恋は俯いたまま、何かを考える。
そして、何か意を決したように言う。
「そうなんですね。私には幼馴染がいないので…」
確かに純恋は鹿児島に住んでいたので、おそらく純恋の幼馴染は鹿児島にいるのだろう。
(そう考えると、少し複雑だな…)
「なら、私達と幼馴染になればいいじゃん!純恋!あなたは私達の幼馴染!一緒にお風呂入ったりしましょう」
「幼馴染の定期が壊れるからやめてくれ」
本当だ。幼馴染、とはって感じだ。
「そろそろ出てってくれ。僕は眠いんだ。二度寝するから出てってくれ」
「そう言わずに正直になりなよ〜。朝に起立した突起を処理するんでしょ?私達も手伝うわよ?」
「そろそろ黙ってくれ」
そう言って、追い出そうとしたのだが…
「悠人、昼ごはん食べないの?」
(そういえば昨日の夜、腹減ってなくて夕飯少なめにしたんだっけ)
今更ながら嗅覚に全神経を集中させると、どうやらご飯はできているようだ。
「あ、じゃあ食べる…って、昼ごはん?」
「うん、もう十二時だけど」
「まじか…」
これではもう、寝れない。なぜなら今日の午後純恋と買い出しがあるからだ。そう悠人は思い、ベッドから降りようとしたら玲奈が言った。
「これじゃあ朝立じゃなくて昼立だね」
「やかましいわ!そもそも立ってねぇわ!」
本当に、こいつがいると騒がしいな。にぎやかで楽しい、と思ってしまう悠人。
純恋だけでは不満、というわけでは全然ないのだが、悠人的にはやはり幼馴染の玲奈がいる
と楽しいと思ってしまう。昔からの知り合いのため、信用もしている。だが悠人自身、気がついている。幼馴染に恋はしない、と。幼馴染だからと言って確実に好意を抱くわけではない。アニメのラブコメのように。なのでわかっている。悠人は幼馴染に…玲奈に恋をしないと。
さらに言うと、悠人には現実的に今会える幼馴染が一人しかいない。それが玲奈なのだ。一人しかいない分、その人について詳しく知りたいと思ってしまうのは当然なのだ!そう、そういう事なのだ!
「とりあえず、リビングに行くよ」
そう言って、悠人は腰掛けていたベットから自立する。
「私もお腹減ったァ」
玲奈がいきよいよく手を挙げて大きな声で言う。腹が減ってるのに元気なやつだ。
「ちなみにご飯はなんだ?」
「ふふーん。悠人に喜んでもらうために私が作ったのだ」
えっへん、と胸を張る玲奈。
「おお、何作ったんだ?」
半分期待、半分不安を抱えながら聞くとやはりこいつは期待を裏切らなかった。
「インスタントラーメン」
「死ね」
手でピースを作りながらふざけたことを言っていたのでつい本音が出てしまった。
お湯沸かして、茹でて、茶碗に移すだけ。たったそれだけの工程を笑顔で言える玲奈が怖い。
「インスタントラーメンって体に悪くないか?それに野菜とかも足りない気がするし…」
「あ、じゃあ私が野菜炒めとか作ろっか?」
「あうん。じゃあお願い」
「私はいらなーい」
「ちゃんと残さず食べなさい」
純恋が笑いながら言う。
(短期間で人間ってここまで変わるんだな)
一緒に純恋と住んでいるからわかることだが、学校で一緒にいる人たちよりも悠人は純恋の成長を感じている。
人間は簡単には変われないのだ。そう、環境が変わるのは簡単だし、止められない。だが人間となると、昔からの環境に影響するので変わろうと思っても変わらない。
だが、純恋は変わっている。もしかしたら、人が変わることは止められないのかもしれない。
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玲奈が作った(インスタント)ラーメンと、純恋が作った野菜炒めで美味しくお腹を満たしていると、前から思っていた疑問がふと思い浮かんだので悠人が純恋を名前で呼び、質問を投げかける。
「そういえば純恋ってさ。鹿児島で何してたの?」
客観的に見たら意味がよく分からない質問。「鹿児島で何してたの?」と言われてもどこのことを言っているのか、いつのことを言っているのかが分からない。だが、悠人は「鹿児島での生活はどんな感じなの?ねぇ。どんな感じなの?教えて?ねぇ、教えてってば!」のような意味合い(言葉遣いは関係ない)を込めた。純恋はその意味を見越したのかどうか分からないが、質問に答えた。
「普通にお母さんと暮らしてましたよ?特に不都合もなく」
「あ、あぁ。そうか」
悠人はてっきり結構キツキツな生活をしていたのかと思っていた。なにせ、お母さん一人で一人の娘を養わなければならないのだから。
「すごいなぁ」
「てか悠人。この後なにかしよ」
「なにかとは」
玲奈からのいきなりすぎる質問に、悠人は真顔で答える。
「てかお前何時まで居座るつもりなんだ…」
「アニメとかでよくある幼なじみだったら良かったんだけどねー。生憎と家は隣じゃないからなぁ。仮に隣だったら何時までいられる、とかいう概念が無いのに…」
「たとえお隣同士だったとしても何時までいるとかいう概念はあるだろ。ていうかこれから純恋と買い出し行くから帰ってくれ」
「あれか。今日の夜は体育祭か」
「「?」」
いきなり意味のわからないことを言う玲奈に悠人だけではなく純恋も反応する。
「〇〇剤にコ〇〇ーム。それに電動マッサージ器を買いに行くんやろ?私も欲しいから行くー!」
「いやそんなもん買わねーよ!!てかお前に至ってはすでに持ってるだろ」
「え……なんで知ってるの」
「いや勘で言っただけだ!」
お互いテンポよく会話していると、純恋が笑顔で二人の会話に終止符を打つ。
「じゃあ、三人で行きましょうか。別にデメリットなんて無いですしね!」
「やったぁぁぁぁ!純恋ちゃん神!」
(よし…これで荷物持ちが増える…!)
…意外と純恋ちゃんは腹黒い。
「ついた!ショッピングモール!と言いたいところなんだけど」
玲奈が元気よく入口付近ではしゃいでいるのを悠人と純恋は顔を下に向け、視線だけを玲奈のほうに向けてゼーゼーハーハー言っている。
「いや…ふたりとも体力なさすぎない?悠人に至っては中学生時代、サッカー部だったじゃん」
「あ…あれは遠い昔の話だ」
顔を玲奈の方に向け、親指を立てて決め顔をする。
「なるほど。つまり君は童貞ということだな?」
「いや意味わからん」
「それにしても、純恋も{悠人|童貞}と同じく体力ないんだね。ちょっと意外か
も…なんでもできそうなイメージあったから…」
「{童貞|悠人}と同じにしないよ!」
「童貞と書いて悠人と読むんじゃあありません!」
それから三人は自動ドアの向こうに吸い込まれていった。
まず、香水やらネイルやらが売っているお店に行った。
楽しそうに商品を選んでいる二人を見ながら悠人はネット通販サイトを見ている。
それから数分。玲奈が寄ってきて悠人のスマホを取り上げる。
「なんでここまで来たのにネット通販なんか見てるの!?もー。ほらこっち来て。そろそろあれやるから」
玲奈に手を引かれ、隣接する洋服が売っている店に引きずり込まれた。
そそくさと連れて行かれたのは、なんと更衣室。よく見るとビキニ姿の純恋が赤面で立っている。
「あの玲奈さん?なんですかあれ」
「日頃頑張っている悠人へのプレゼント」
「今すぐ写真を撮りたいからスマホを返してくれ」
そんな冗談を交えながら純恋のところに行く。
「れ、玲奈さん…さすがにこれは…肌を露出する面積が多すぎやしませんか…?」
そんな本音を言う悠人にさらに赤くなる純恋の顔。
「み、見るな変態!」
「そうだよ。流石に気色が悪いよ。さっきなんて写真―――」
「おぉぉぉっと足が滑ったぁぁぁ」
悠人がわざとらしく倒れ、右手で玲奈の口を塞ごうとする。
「計画通り☆」
写真の続きを言われなくて安堵しつつ、いきなり意味のわからない言葉を言われ一瞬混乱する悠人だが、倒れてしまった以上止めることはできない。と思っていると衝撃の事実に気がついた。
(いやまってこれさ。仮に玲奈が移動したら、後ろにいる純恋にダイブするのでは?)
そう。これを計画して玲奈は立ち位置を考えていたのだ。そして、スッと左にずれる。
(くっそやられた。とすると手を付く位置は純恋の右乳か、純恋の左乳か?)
胸しか考えていない悠人に玲奈の囁きが聞こえる。
「ざんねーん。両乳でしたー」
「やったぁ」
そんなことを叫び両手を差し出しながら目を閉じる。あぁ。お父さん。僕をここまで育ててくれてありがとう。僕は大人の階段を登るよ。帰ってきたらお寿司…だっけ?僕の奢りでいいから食べに行こうな。
そこで目を開ける。すると大きな二つの山が。
ムニィ。両手からそんな柔らかい感触が悠人を襲う。だが少し違和感がある。純恋は水着のはずだ。けれどなにか…おっぱいの感触が変というか、素肌にしてはやけにザラザラしている。決して触り心地がいいとは言えなかった。
そんな時、声をかけられた。
「ちょっとあなた…大丈夫?」
「はい!大丈夫です純恋さ…ん?」
顔を上げながら答えると、そこには女性か男性かわからない六十代ほどの人が居た。
「ん…?え…?え?」
いきなりすぎる事態に玲奈の方を向く。すると隣には純恋の姿が。
「あっ…ここでこうやって出会ったのもなにかの縁だし、この後空いてるかしら。ワタシの家に、来・な・い・?」
「あ…えと…ちょっと今トイレを探してて…」
「あらやだもう…もしかして嬉ション?もー君ったら、ヘ・ン・タ・イ・さ・ん・?」
「ごめんなさい急用を思い出したので失礼します!」
まるでこの世のものとは思えないものを見たような目をしながら全力疾走をしてショッピングモールから出る。
「私の勝ち☆」
「え、これ勝負だったんですか?」
「純恋。こういうときは『ふっ。この程度か』とか言って相手を煽るのがお約束なんだよ?」
「なるほど。わかりました」
「そうか。わかってくれて何よりだよ」
「玲奈が中二病だと言う事がはっきりとわかりました」
「おいちょっと表でろや」
「くっそ。今回は負けを認めるしかない…か」
ショッピングモールに隣接する公園のベンチに腰を掛ける悠人。今さっきあった出来事を必死に忘れようと、公園の中央にある噴水に目を向ける。まだ四月だが、水遊びをしている子供が何人かいる。
「はぁ。今何時だろ」
そう思いながら自分のスマホを取り出し、電源ボタンを押してスリープを解除する。
すると現れたのは二時三十七分と書かれたデジタル時計と、玲奈からの不在着信の通知だった。
「なんなんだあいつは…なにかあったのか…?」
そう思いながら更にため息をつく。
すると、顔になにか冷たい感覚があった。
きっと子供たちが遊んでいる噴水の羽だろう。
そう思い、正面を向くと…
「久しぶり、かな?お兄ちゃん」
と、声をかけられるのであった。
ということで、字数を稼ぐぞ!と言ってもここでどれだけ書こうが意味はないんですけどね。ただの自己満足でしかないです。
うーん。あ、そうだ。なんやかんやしてたらモニターが届きました!23.8インチ!これは素晴らしい。大きくて縁が少なく色が鮮やか。これはもううっきうきで触りまくってたんですよ。そしたら私の誕生日である5月9日に体調を崩しまして…最悪です。なぜなら去年の誕生日もコロナ。この流れだと来年も身体のどこかしらが…って考えると。正直しんどい。
今はもう治ってるんですけど、まだめまいがするんですよね。すぅー。これは病院で診てもらった方がいいかな?
なんならこの後書きを書いてる今でさえしんどい。あーなんかそんなこと言ってたら頭まで痛くなってきた。
なんだかんだで字数を稼ぐことができませんでした。悲しい。
切り替えまして。本日もここまで読んでくださってありがとうございました!読者様の貴重な時間を割いて私の小説を読んでくれることに心から感謝します。
それではっ!!!