街に入る!
日が昇り、光が窓から差し込む。
朝日は人々に朝が訪れたことを伝えている。
木の暖かなぬくもりと香りに包まれながら目が覚める。
「ふあぁー、もう朝か……。 早いなー。」
朝が来るのって本当に早いよね。
眠いし、もうちょっと寝たいんだけど、時間がもったいないし、さっさとご飯を食べて出発するか。
その前に昨日建てた家を消滅して……は出来ないので、『重力魔法』で圧縮して、ばらばらにする。
その次に『風魔法』で飛ばせば、簡単かつ綺麗に消せる。
これは『消滅魔法』が無くても大丈夫で非常に簡単なやり方だ!
朝食として昨日狩ったウサギ肉を焼いたものを食べよう。
火を起こすのは、チャ〇カマ〇に決まっている。
さあ、火をつけてっと……、準備完了。
もぐもぐ……うーん、肉汁がよく出ていておいしいけど、やっぱりなんか物足らないな。
「塩が欲しいな……、収納空間に入ってないかなー? そうか、『創造魔法』で作ればいいじゃん。」
塩の味、何の塩を使いたいかしっかりとイメージして創造魔法で作った。
そう、作るときはイメージが重要なのだ。
イメージしなかったり、欠けていたりすると品質が悪くなったり、悪すぎて使えなかったりする。
一番ひどいのは、見た目だけの何にも使えないゴミになるということだが……。
求めるものが多くなればなるほど、良くなればなるほど、消費する魔力が多くなっていく。
例えば、日本によくある普通のベッドだと消費する魔力は一個につき大体5000くらい。
だが、石でできたベッドは大体500くらいしか消費しない。
さて、そんな魔力消費が激しかったりするのを、消費抑えたり、効率を上げたり、効果を上げたりすることができるのが称号だ。
創造魔法だったら作るのにかかる時間が長かったり、魔力消費が激しかったり、品質が下がってしまったりするのが大きなデメリットだ。
さて、そのデメリットをなくすために様々な条件を満たし、称号を手に入れるとしよう。
『制作見習い』だったら魔力消費-0.1%、『創造見習い』だったら魔力消費-50%、製作時間-40%、効率上昇+25%になる。
もちろん称号は進化していくので重なることはない。
でだ、私が持つ『創造主』は魔力消費-99.9%、製作時間-99.99%、効果上昇+777%、ランク+14というような効果が付いている。
だから、こんなに使っても平気なのさ。
(ちなみに『創造主』は無から有を作り出すだけでは無理だ。 自分の望む存在しない物質を、存在しない物理法則を使って生み出さないと、手に入れることが出来ない。 これは、運営がふざけて入れたやつなのでかなりぶっ壊れ性能となっている。 通常ランクは、最大12までである。 だが、これのおかげで本来存在しないランクの装備を作れるようになった。)
「うん、やっぱり塩があったほうがいいね。 くどくなくなって、ちょうどいいな。」
肉を食べ終わったし、さっそく街に行くか。
ていうか、入るのにお金いるかな?
いるならやばいな。
ゲーム内通貨がこっちでも通用するかわからないしな。
通用しなかったら、いきなり借金!!
あー、やだやだ。
いきなり借金だなんて御免だよ。
町がよく見える所まで来たわけだが……。
へえ、街が壁に囲われているタイプか……。
異世界っぽくていいねー、結構好きだよこういう雰囲気。
もう少し近くに行ってみるか。
とりあえず門の前まで来たが、色々な種族の人がいるなー。
種族問題の心配はなさそうな雰囲気だし、良かった良かった。
門から入る前に衛兵さんを見てみるか。
おー、フル装備でガッチガチに固めている。
めっちゃ怖いな。
でも、こっちの人優しそうな雰囲気だしているなー。
あの人なら、大丈夫かな?
「お嬢さん、通行証は持っているか? なければ、通行料として銅貨3枚払ってもらうよ。」
さて、どうしよう。
通行証はもちろんないし、ゲーム内通貨がこの世界で通用するかわかんない。
通用しなかったら、物々交換で乗り切るか!
「通行証は持っていなくて、しかも今手元には金貨1枚しかないので、この金貨で払ってもいいですか?」
「大丈夫だよ。 でも、犯罪防止のためにちょっと確認させてもらうよ…………うん、特に問題はなさそうだ。 はい、お釣りの大銀貨9枚と、銀貨9枚、大銅貨9枚、銅貨7枚だよ。」
ふぅ、大丈夫だったようだ。
とりあえず、町に入る所まで出来た。
次は、道中で手に入れたアイテムを売って、小銭を貯めるか。
初めて、異世界の市場に行くのかー。
いったい何が売っているんだろう?
楽しみだなぁー。
良かったー。
もしかしたら、ゲーム内通貨が使えないのかなって、心配したよ。
旅はまだ始まったばかりだもんね。
この先も応援しているよ。
(ゲームをしながらだけどー。)
――応援するサボり魔(神)