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氷光は希望となりて闇を切り裂く  作者: varugure
2章 天使、ダンジョンを防衛す
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フェヅス街でのお買い物-2

「おー、凄い人盛りだな。」

「ねー。 ここまで人が多いと、人波に酔いそうだよね。」


 商店街の通りをしばらく歩いていたら、あまりの人の多さにちょっとだけ驚いてしまった。

 しかも、ここの通りの商店街はフェヅス街で一番大きい所(鑑定神情報)で、八百屋、魚屋、装飾屋、武器屋、射的屋等、色々な店がある。

 因みに、晄と小白ちゃんは気が付いたらいなくなっていたが、晄のことだし多分小白ちゃんと一緒に行動して、そのうち戻って来るだろうな。

 晄達の事は一旦置いといて、せっかく商店街まで来たし、なんか面白そうな店でも探すとするか……。


「フレイム、なんか面白そうな所はあった?」

「まあ、あったな。 あそこの射的屋とかさ、なんか面白そうなものを景品にしてるし。」


 フレイムが指さした先にある射的屋を見てみると、確かに景品の中に面白そうなものが置いてあった。


「えーと……ちょっと遠すぎてここからじゃ見にくいんだけど……。 あの『古代魔道具?』なのかな……あれが置いてある射的屋でしょ。」

「そうそう、あの『古代魔道具』って書かれている奴。 後は可能であれば、あの景品のとなりにある『創世期の魔導書』っていう奴も何か気になるな。」

「確かに気になるな。 でもさ、大体の店はああいうタイプの景品は取りにくくしていたりすんじゃない?」

「それはそうだろうけど……。 氷天使なら何とかなるだろ!」

「…………。」


 フレイムの何にも考えていないような発言に呆れつつも、私もあの射的屋にある『例の』景品が気になっていたから、射的屋まで足を運んだ。

 (まあ、できるだけやってみるとするか……)

 小さな子供から、身なりの良さそうな大人まで色々な人が来ているが、多分あの2つの景品を狙っているんだろうな。

 射的をしている人を眺めながら、どうやって撃とうかと考えていると射的屋の店主らしき人が声をかけてきた。


「やあ、お嬢さん。 射的を一回やってみないか? 今回の目玉はグランツェア王国の古代遺跡で見つかった『古代魔道具』と、ブローデズァ神聖国で見つかった『創世期の魔導書』だぞ! どう、やって見たくなったでしょ!」

「あ、えっと、うん。 やって見たくなってきたな……。」

「だろう! なら早速やってみようか。 一回につき大銅貨一枚だが、何回やってみるんだい?」


 何回やろうかな……でも、試し打ちっていいのかな?

 まあ、聞いてみるか。


「五回やります。 あの、因みに試し打ちをやってもいいですか?」

「ああ、各種一回だけならいいですよ。 景品や台に直接魔法とかで干渉してはいけませんよ。 あとは、銃とコルクには【撃つ前だけ】魔法で干渉してもいいですよ。」


 大銅貨を五枚払った後、店主から三つの魔導銃を渡された。

 これって、三つのうちどれか一つを選べと言ってるのかな?

 一つ目の銃はいたって普通という感じの銃で、射的用のコルクもセットであった。

 試し打ちをしてみたが、魔力回路がズタボロなのか、魔力を込めてもすぐ抜けるから全く飛ばなかった。

 二つ目の銃は一つ目のと比べて短く拳銃っぽい感じがした。

 これも魔力が隙間から漏れる為か全然飛ばなかった。

 三つ目の銃は何か変わった形をしている銃で、多分レーザー砲。

 これも魔力が隙間から漏れて全く出なかった。


「うっわ、こういうタイプのやり方なのかよ。 大分悪質だな……まあ、値段が低めっていうのが勇逸の救いか……。」

「氷天使、大分性能が酷い魔導中だけど、あの景品獲れそうか?」

「ちょっと難しいかもな……いや、いけるか。」

「マジかよ……。」


 あの景品は多分釘か何かで固定されているとしたら、多分あの台ごと倒すような威力が欲しいな。

 もしくは釘か何かごと抉り取るような威力。

 となると拳銃じゃ弱いし、レーザー銃も駄目だな。

 コルクでやるしかないな。


「すみません、この銃でやります。」

「その銃ですね、了解しました。 ではこちらまでどうぞ。」


 私が射的用っぽい銃でやると言うと、周りから『それでやるのは無謀だ』『止めとけ』とか聞こえてきた。

 店主に案内されて、机の前に立った。

 勿論、机の向こう側は景品が置いてある台だ。

 ここから景品のある台まで百メートルくらいか……遠いな!?

 取り合えず銃を取って、コルクを詰めて……『修復』、『加速空間』、『魔力充電』、『魔力暴走』、『突風』っと。

 このままじゃ、コルクが脆すぎて打った瞬間に粉砕してしまうから『素材変化 焔魔鉄鋼』。

 もう少し数が欲しいな……『散弾化』、あとできれば威力を上げる為に『帯電』、『光滅』をやって……ここまでやれば十分か。

 魔法で強化をした銃を見てみると、あまりの魔力量に黒紫色の靄が銃口から出ていた。

 中に詰まっているコルクは暁色の輝きを放っていた。


 銃を構えて魔力を込め始めると、銃の全身に黒紫色した靄が出てきた。

 周囲からは見たことが無い現象なのか、困惑している声が聞こえて来た。

 困惑する気持ちは分かるよ、私だって急に変な靄が出ている武器を持っている人を見たら『なんだあれ』って言う自信があるもん。

 人々が抱える不安を感じつつ、私はそんなの関係ないと言わんばかりに魔力の出力をさらに上げると、黒紫色の靄が光に変化し、周りの空間が軋んできた。

 それと同時に周囲にいた人々は本能的に危機を感じ取ったのか、無意識に一歩後ずさった。

 そして引き金を引くと一瞬赤く光り、暁色の光線が数十個ほど一気に放たれた。

 光線が景品や台に当たると凄まじい音と共に衝突し、射的屋の台は数秒で跡形もなく消し飛んでしまっていた。

 景品は傷ひとつない状態で地面に落ちてあった。


「あはは、ちょっと威力強くしすぎたかな? まあ、景品は無事だし、他の人に当たることもなかったし、結果オーライだな。」

「いやいや、ちょっと威力を強くしすぎたどころじゃないだろ……。 台が粉砕されているし。」


 周囲にいた人々は何が起こったのか分からないのか、粉々にされた台と吹っ飛ばされた景品を見て固まっていた。

 店主はもう色々とあきらめているような顔をして、私に言ってきた。


「景品は全部持ってっていいから、あのような威力でやるのは勘弁してくれ……。」

「あ、はい。 次はもうちょっと威力を抑えてやります。」


 私達は目当ての景品を無事(?)貰って、射的屋を後にした。

 私達が去った後の射的屋では、人々はようやく状況を理解したようで凄い騒いでいた。



「氷天使、目当ての物も手に入れたし、例の『古代魔道具』は一体何なのか調べてみようよ。」


 フレイムの言葉に私は頷いて、『古代魔道具』を手に取った。

 古代魔道具はスイカ大くらいの大きさをした黒い球体で、表面はつるつるしていて、光り輝いている。

 この魔道具はどんな効果を持っているのかな……『鑑定』!


時空の指針 Lv:‐‐


特定の古代魔道具をサーチすることができる

魔力を込めることで起動する


 魔力を込めてみると表面が開き、そこから私に向かって光線が出てきた。

 光線が私に当たると、そこからゆっくりと広がるような感覚が生じ、頭の中に地図が表示された。

 しかも親切なことに3D化して、座標まで書いてくれている。

 地図には青い点があり、多分これが自分の現在地だろうと分かった。

 で、青い点のすぐ隣にある緑の点がフレイムだな。

 青い点がある所の地名が『Fezus』って書いてあるし……となると、遠くにある幾つかの赤い点はサーチされた古代魔道具だろう。


「おい氷天使、さっき体に光線が当たっていたが大丈夫か?」

「ああ、大丈夫だよ。 頭の中にゲームみたいなマップが表示されただけだし。」

「なら良かった。 じゃあ、古代魔道具と創世期の魔導書についてもう少し調べてみるか。」

「分かった。 それなら、フレイムは図書館に行って魔道具の作られた年数について調べてくれない?」

「いや、図書館の場所なんてわからないぞ……。」

「大丈夫、マップに図書館の場所がある。 しかも、マップの共有もできるみたいだからな。 ほら、手を出して。」


 私がそう言うと、フレイムはマップの共有ができることに驚きながら手を出してくれた。

 私がその手を握ると、手の中を何かが通った感じがした。


「あ、確かに頭の中にマップが表示されたな。 じゃあ、行って来る。」


 フレイムはそう言うと、走って行った。

 残った私は創世期の魔導書を解読、可能であれば魔導書にある魔法の再現をする事にした。




 こいつらのことを調べてたら、いつの間にか辺りは暗くなり始めていた。

 調べていて分かったことがあり、古代魔道具は現在から約五万六千年前位にドネルトラ魔導国で作られた物だということ。

 ドネルトラ魔導国は魔導兵器の生産によって栄えていたが、ある時を境に歴史上から姿を消したとのこと。

 しかし、そこで作られた魔導兵器は残っており今でも稼働している所があるのだとか……。

 因みにマップは非表示に出来たり、指定した所をより細かく見ることが出来た。

 まあ、よくあるマップ機能だな。

 創世期の魔導書の方は『空間創造』、『時空超越』、『各種使徒の召喚』というような魔法が記されてあり、効果と術式が書いてあるだけで、魔導書はパラ読みで魔法を覚えることができる仕組みだった……。

 これらの魔法は……多分使うことは無いかもな。


「うん、何というか『創世期の魔導書』という割には至って普通な感じの魔法だったな。」

「ああ。 古代魔道具の方はマップとして役に立ちそうだな。」

「まあ、そんなことは置いといてだ。 完全に暗くなる前に晄達と合流しよう。」

「了解。」


 晄達の場所をマップで探すと、門の近くに緑の点が二つあった。

 多分あれが晄達だな。

 晄達の居場所を確認し、私達は商店街から移動した。

ただの射的なのにちょっと威力強すぎるんじゃない?

というかこんな魔道具なんてあったんだな……。

え、何? 神様の癖にこの世界のことを知らなさすぎだって……しょうがないじゃん!

私は年中引きこもりをしているし、世界の情勢なんてそんなに知らないもん。

――世界の情勢に乏しい鑑定神


空間創造…その名の通り自分が想像した空間を作る。 使い方によって戦闘を有利に進めることが可能

時空超越…過去及び未来に移動可能(ただし特定の条件を満たしている時のみ使用可能)

使徒の召喚…なんか召喚して色々やる。

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