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氷光は希望となりて闇を切り裂く  作者: varugure
1章 天使、草原を旅す
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地下兵器工場-2

 第三・四・五・六区画は加工所で、様々な装置が置いてある。

 そこで作られる物質の種類は数千以上あり、そこで加工されてできた部品は兵器製作所に送られる。

 何区画かに分かれている理由は、使用する薬品の種類等によって分けているようだ。


「ここが第三区画にある加工所です。 基本的に危険なものを扱っているので、壁とかは鉛を使用していますね。」

「放射性物質も使っているのか!」

「はい、使っていますよ。」


 放射性物質も使っているのか……もしかして原子力発電とかやっているのかな?

 外を見てみると、この建物のちょうど向かい側の建物に原子力マークが書いてあった。


「ねえ、レイトグローフス。 この建物の向かい側にある建物って何なの?」

「氷天使様、あちらの建物は原子力発電所でございます。」


 やっぱり原子力発電所だったか。

 装置を動かすのにも、電力は必要だからね……。

 魔道具とかでいいじゃんっていう人もいるとは思うけど、魔道具より使い慣れた機械の方が普通に楽だと思う。

 加工所にある装置の中を見ると、歯車・ネジ・ナット等小さな部品が大量に作られていた。

 製作されたやつはベルトコンベアーでどこかに運ばれていった。

 あれは……第七区画とかに運ばれていくのかな?


「あのベルトコンベアーって何処に繋がっているんだ?」


 同じくベルトコンベアーを見ていたフレイムがベルグシオンに聞いた。


「これは、第十区間の兵器製作所に繋がっている。」


 第十区間か何を作っているんだろうな……?

 小さめの部品が大量に作られているから、銃とか火炎放射器とか……手持ちサイズの武器を作っていそうだな。

 そういえば一区間の広さとか決まっているのかな?


「ねえ、ベルグシオン。」

「はい、何でしょうか?」

「区間の広さとかって決まっているの?」


 私がベルグシオンに聞いてみると、ベルグシオンは一瞬だけ思い出すような仕草をしていた。


「確か……一区間が十五平方キロメートルだったような。」

「いや、広すぎない? 一区間の広さが15平方キロメートルで、全部で十二区間あるから……。」

「合計は、180平方キロメートルだな。 ちなみに、この工場の最大の高さは2000メートルだ。」


 180平方キロメートルって、想像がつかない大きさだな……。

 東京ドーム何個分なんだろうな、ちょっと計算してみるか。

 ……計算面倒くさいな、計算用のスキルってあったかな?


 ステータスオープンすると、所有スキル一覧の所に補助機能【OFF】というのがあった。


「補助機能ってゲームの時にあったか? マップ表示機能とかそういう感じのやつなのかな?」


 補助機能が一体何なのかは分からないけど、とりあえずやってみるか。

 補助機能の部分を押すと、警告画面が出てきた。

 【警告! 警告! アウククユコククトコククオコクデぜクデシクトエシウょトコシウアエオラクデが、トエクデユラトコレクアンレデシウレコでシウょトコシコ? Yes,No.】

 【※シウクンオクレコユクユラシコクンシラオてえすあがユコトラシンユウユンアウユラオンオコシンアエユウ!】


「っ! な、何か文字化けをしたようなものが出てきた。 なんて書いてあるか分からないな。」


 解読魔法を使ってみてみるか……。

 あ、解読魔法……持って無かった。

 まあ、警告って出ているけど……あの神がちゃんとチェックして載せていると思うから、大丈夫だとは思うけど。

 なんとなくYesの方を押すと、【了解しました。 現在、スキルデータをダウンロード中です。 少々お待ちください。】と出てきた。

 しばらくすると、【ダウンロードが完了しました! スキルを本人に適応させます、もう少しお待ちください。】という画面に切り替わった。

 この表示は何かのゲームを参考にしているなと思いながら待っていると、いきなり全身に激痛が走った。


「ッ!!」


 激痛が走ると同時に意識が飛びそうになった。

 視界がだんだんと暗くなっていき、膝から崩れ落ちて地面に倒れる寸前の所で、なんとか保つことが出来た。


「あぶなかったー、危うく激痛で意識を失うところだったな。」


 ふと、さっきの画面を見てみると【適応完了です、お疲れさまでした!】と出てきた。

 何か変わったところはあるのかなと思って、探してみたが……特に変わったとこらはなさそうだった。

 ただ、所有スキル一覧の所にある補助機能が【ON】に切り替わっていた。


『どう、聞こえる? 今神界から通信しているんだけど。』


 え、何か急に声が聞こえてきたんだけど……病気なのかな?

 ちょっと病院に行くか……あ、ここは異世界だったな。


『何が病気だ、幻聴じゃない!』


 言葉にしていないのに、聞こえているだと!?


『当たり前じゃん、だって私は神様なんだよ。 このくらいの事はできないとね。』


 神様! あ、あの鑑定神か……。


『何で残念な印象が付いてんの。 ちょっと仕事をサボって……じゃなかった、仕事の合間にゲームとかしているだけじゃん!』


 サボっていたのか……やっぱり残念な人だな。


『さ、サボってなんかいないし! あ、そう言えば注意書きちゃんと読んだ?』


 注意書き?

 ああ、あの警告画面の事か。

 文字化けを起こしていて全然読めなかったんだけど。


『え、マジで! ちょっと確認するね……本当だ、暗号化されていて全然読めないな。』


 暗号化していたのかよ!


『じゃあ、元の文に戻しておくね。 ここをこうすれば、ほいっ!』


【警告! 警告! この機能の安全は保証しませんが、本当によろしいでしょうか?】

【※知らない人から通信が来たりすることもあります!】


 あ、そういう内容だったんだな……めっちゃ危険じゃねえか!

 知らない人から通信が来るとか怖くね⁉


『まあ、知らない人とは言ってもね、神界にいるやつらだけが通信して来るから、心配しなくていいよ。』


 心配しかないよ!

 神界からということは、神様関連でしょ?

 知らない神様から通信が来るなんて怖いって。


『このシステムについてなんか聞きたいこととかある?』


 特には無いかな。

 補助機能って、神が関与して来るんでしょ?


『うん、そうだけど。 どうしたの?』


 スキルのクールタイムを変えることって出来るのかな?


『す、スキルのクールタイムを変えるだって!? 別にできないわけではないけど、ちょっと流石にそれはね……。』


 登録者召喚のクールタイムが三ヵ月とか流石に長すぎると思う。

 異世界に呼んでいるとしても三ヵ月はね、登録者じゃないとできないという規制があるわけだし……。

 一か月くらいでもいいと思うな。


『確かにそういわれると、三ヵ月は流石に長すぎる気がするな。』


 でしょ?

 だから、クールタイムを一ヶ月だけでもいいから短くして欲しいなーって思ったんだ。


『よーし、私に任せなさい! 鑑定神の権限を使えば、ばれずにスキルのクールタイムを変えることなんて余裕なんだから。』


 よし、スキルのクールタイムが短くなったか見てみるか。

 登録者召喚:再使用可まで残り十日

 めちゃくちゃ短くなったな!


「良し、これですぐに再召喚が出来るようになる。」

「おい、氷天使。」 次の区間に行くってよ。」


 スキルのクールタイムが短くなったことに喜んでいると、急に背後から声がかかって来た。


「フレイム、どうしたの?」

「レイトグローフスが次の区間に行くってよ。」


 フレイムに言われて、建物の出口の方を見てみるとベルグシオンたちが待っていた。


「すまない、すぐそっちに向かうよ。」


 私はベルグシオンたちの所に急いで向かった。


「次に行くところは第五区間です。 第三区画とは構造が全く違うので、結構面白いと思いますよ。」

 補助機能の注意書きが何で暗号化したんだ?

 そんなことをやった覚えは無いんだけどな……。

 あ、そうだ。

 百八十平方キロメートルを東京ドームに換算すると、大体38491個くらいかな?


 え、あ、はい何でしょうか?

 え、勝手にスキルのクールタイムを変更したから減給⁉

 そ、そんな……ばれないと思ったのにな。

 ああ、私の貴重な給料が……貴重な給料が……。

 ハァ……へそくりを使うしかないか。

 ついでに上司の金庫からこっそりお金をとればいいか。

――とある神界の記録より

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