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氷光は希望となりて闇を切り裂く  作者: varugure
1章 天使、草原を旅す
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街を探す 1日目

 彼女が今いるところは、ナージベルク帝国の東に位置するアルミナ草原。

 面積は大体250400平方キロメートル、高低差は最大10メートルという、とても広く平らな草原だ。

 気候は1年中安定しており、四季が存在している。

 そのため、大小様々な動物や、スライムからドラゴンまで多種多様な生物が存在している。

 かつては、荒野だったが、この地に移り住んだ人々が約1800年かけて開拓してきたため、300年ほど前から植物が安定して育つようになったとさ。

 いやー、ほんとよく頑張ったよねー。

 私なら絶対やらないか、他の人に任せるよー。

――よく仕事をサボる神

 街とかを見つけるために動こうとは言ったものの、どうすればよいものか。

 四方八方どこ見渡しても草原、山は見当たらないし、森すらもない。

 もちろん、街も村も見つかるわけない。

 川に沿って行けばいいって?

 確かに、川に沿って行けばすぐに見つかるだろう。

 生き物は水の近くに住むって言うし。

 川が分かれていなっかたらよかったが……。

 この川は1つから4つに分かれていやがる。

 1つ1つ探すのってめっちゃめんどくさそう。


「あー、もう。 どうすればいいんだよ!」


 こんなところで悩んでいてもしょうがないし、とりあえず歩くとするか……。

 どの川が源流となっているかはわからんが、自分の後ろが源流に向かっているということにしよう。

 じゃあ、川の向こう岸に渡るとするか……。


 お、魚が泳いでいやがる。

 今日の昼飯用にとっておいておくか。

 釣り具がないから当然手づかみで行くけど、何か異論はあるか?

 無いよね!

――パシャパシャ  ガシッ!!――


「っしゃー。 今日の昼飯ゲットーー。 これ、結構楽しいな。」


 5匹ぐらい獲ったところで一旦止めることにした。

 獲った魚は収納空間に入れといておく。

 収納空間に入れれば、腐らないしね。

 昼飯も手に入れたことだし、街を探しに行くとするか。



 にしても、ここ本当に何もないな。

 あるとしても、雑草らしきものと、薬草もどき、そこらじゅうを飛び回っている虫だけだ。

 ほかの動物? 魔物? いるわけないじゃん。

 人の通った痕跡も見つからないし、動物のいた痕跡さえも見つからない。


 うわっ、顔に虫がつきやがった。

 しっしっ、あっちに行きやがれ、気持ち悪い。

 あーあ、何か良いもの落ちてないかな、どっかに面白いものないかなー。

 草と虫ばっかりでさすがに飽きてきたよ。


 にしてもお腹すいたな。

 どのくらいの時間歩いたんだろう?

 3時間? 4時間? いずれにしても、時計がないからわからないな。

 魚はもう食べちゃったし、はぁー、どうしよう。

 収納空間になんか、食べ物無いかな。

 ……だめだ、強化用アイテム(一応食べ物)しかない。

 あんまりこれ使いたくないんだよね、いざという時に困っちゃうかもしれないからさ。


――ガサッ!! カサカサ――

 うん? 今何か音がしたような……。

 気のせいかな?

――カサカサ カサカサ――

 いや、気のせいじゃない。

 近くになんかいる! どこにいるんだろう。

――カサッ!――


「あ、いた。 あの白いのは何だろう? 一応、鑑定しておくか。」

『鑑定』


ウサギ Lv:11


「え? これだけしか表示されないの? いや、あの書いている人がめんどくさがっているだけか。」


 とりあえず、ここに来てから初めての獲物だ。

 ちゃんと捕まえないとな。

 魚? あれはノーカンだ、ノーカン。


 まずは慎重に、慎重に近づいて……、抜き足差し足忍び足っと。

――パッキ!――

 あっぶな、足を挫きそうになった。

 ウサギは……気づいてないな。

 ゆっくりと、慎重に……。

――カサカサー!――

 うっわ、最悪。

 Gが来やがった、マジで気持ち悪いからさっさとあっちに行きやがれ。

――バキッ!――

 あ、やば、枝を踏んじまった。

 う、ウサギは……ちょっと警戒しちゃったか。

 仕方ない、隠密行動は止めて一気に距離を詰めて捕まえるか。


 どうやって距離を詰めるのかって? 一気に加速をするんだよ。

 大丈夫、難しくはないさ。

 まずは、音をたてないように姿勢を低くする。

 次に足裏に少しずつ、魔力を込めていく。(身体強化魔法の応用のような感じ。)

 少し余裕があったら、足元の地面には硬質化の魔法をかけて、方向の調整。

 最後は、タイミングを見計らって発動するだけ。

 ね、簡単でしょ?

 お、ウサギが警戒を解いた。


「今だ! 魔力開放!!」


 今、私は音速を超えた。

 警戒を解いた瞬間なら誰も避けられることはできない!


「獲った!!」

「キュッーー!!」


 っしゃぁー! 今日の晩飯確保ーー!

 さーて、こいつをどう調理しようかなー。

 まずは、こいつを絞めなきゃならない。

 よーし、さっそく殺るか。


「キュッ、キュウーーー。」


 ええい、つぶらな瞳で私を見るんじゃなーい!

 私だって生きるために君を食べるしかないのだ。

 すまないうさぎよ……。

――ッキュッ――


 じゃあ、解体するか。

 血と毛皮と骨は地面に掘った穴に入れて燃やして処分することにしてと、遠くに見える川で肉の処理をするか。

 火は、収納空間からチャッ〇〇ンを取り出して、集めた草を燃やせばいい。

 その火で肉を焼けば、完成かな。

 なんか物足りない感じがする……。

 食材も調味料も無いから仕方ないけどね。

 そういえば、ウサギの鳴き声ってあんなのだっけ?

 まあ、考えても無駄か……。

 またウサギいたらいいなぁーー。


 気が付いたら、もう辺りは暗くなってきている。

 どこで寝るか。

 え? 地面で寝ればいいって?

 まさか、あんなに硬い地面の上で寝たら体がバッキバキになっちゃうよ。

 しかも、こんなに虫が沢山いるのに地面で寝たら……うわぁー、怖いなぁー。

 体中に虫が付くのは絶対に嫌だね!


「どうやって寝よう。 氷魔法で作ったベットで寝てもいいけど、硬くて痛そうだし……。 そうだ! 創造魔法で作ればいいじゃん。 とりあえず、一般家庭にもありそうなベットを作るか。」

「ここをこうして、ああして……、よし、大体イメージできた。『創造魔法』。」


 自分の目の前の空間が歪み、ベッドの形をした黒いものが現れた。

 そしてそのベッドに色が付き、材質の区別がつき、自分の創造どうりのものが出来上がった。

 かかった時間はほんの一瞬だ。

 よし、完璧だな。

 虫除けも設置してと、これで安心して寝れる。

 さっそく、作ったベットに飛び込んでと。


「はー。ふかふかで気持ちいいなー。 ふぁー、眠い。そうだ、寝る前に次の日の、予定を……きめ……。」

(どうやら、自分が思ったよりも疲れが溜まっていたんだなぁー。)

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