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氷光は希望となりて闇を切り裂く  作者: varugure
0章 ~天使、異界へ降り立つ~
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プロローグ 2

 暖かな日差し、風と共に来る自然の香りと音。

 水の流れる音が心を落ち着かせてくれ、草のベッドが私を深い眠りへと誘っている。


「あーー、あったかくて気持ちいい。このまま寝ていたいかも。」


 そう、この暖かい日差しの中、草原で横になっていると、とても気持ちがいい。


(まあ、気が付いたらここにいて、横になっていたんだけど……。あ、この草フワフワしていて気持ちいいなぁー。あぁーー、あの鳥焼き鳥にしたら絶対おいしいだろうなぁー。って、関係ないこと何考えてんだよ!)


 このまま寝ていたい気持ちもある。

 だがこんなところで、しかも状況も何もわかっていない状態で寝っ転がっていても何も変わらない。

 体がもう寝ようと準備しているので起きるのがとてもしんどいが、気合で起きるか……。


「ふあぁー、よく寝たーー! そういえば、ここはどこなんだろう? 自分がやったことあるゲームにはこんなところ無かった気がするけど……。 とりあえず、地球ではないな。」


 そう言いながら歩いていると、少し遠いところに川が見えてきた。

 水の流れる音はここから聞こえてきたのかな?

 とりあえずのどが渇いてきたし、この川の水を飲むとするか。

 思ったよりもきれいではなさそう。

 このまま飲んだら腹を壊しそうだしな、何かいいものないかな……。

 ……無かった。

 仕方ない、お腹壊すかもしれないけどそのまま飲むとするか……。

 

 川の水を飲もうとしたとき、自分ではない人が水面に映った。


「な、なんか自分の見た目が変わっている! え、これが自分なの? どこかで見たことがあるような。」


 見た目が変わっていることに驚いたわけだが、見たことがあるような気がしたのでよく見てみることにした。


 髪は氷のように透き通った水色で、肩にかかるところまで伸ばしている。

 瞳の色も髪の色と同じで、氷のように透き通った水色だ。

 背中からは羽が生えていて、片方は白、もう片方は黒色になっている。

 装備のほうは、青と水色の鎧で、左は白い線模様、右は黒い線模様、というような感じだ。


「結構かわいいな。 ていうかこれ、さっきまでやっていたゲームの自キャラじゃん。」


 今の姿は、ついさっきまでゲーム内では自分だったものだ。

 見たことがあって当然だと思う。

 ということは、ステータスもそのまま反映されていたりして……。

 確か、こういう時は『ステータス オープン』と言うのが主流だったよな?


 「よし、じゃあステータスを見てみるか。 『ステータス オープン』!」


 さて、ステータスはどうなっているのかな?


氷鉋曉霞  二つ名:氷天使


職業:魔導騎士(剣術も使える魔導士のようなものかな。)


Lv:117(上限は100000まで。)


種族:天使(見た目と中身がイメージどおりなのかは別とするね。)


装備:崩永氷青獄シリーズ 装備ランク:26(いやいや、おかしいでしょ。)


効果:所有者固定 破壊不可 共鳴 再生・回復阻害攻撃 飛行補助 氷浸 寒波 氷鎧 魂切り


   世界創造 流氷術 


   登録者召喚{灰燼の悪夢 光天使 闇蝕龍 +}(全部やばすぎ……。なにこれ?)


スキル:神剣術(もしかして、職業詐欺なん?) 鑑定(テンプレだね。)

    

    光滅(なにその物騒なスキル名。)   空間魔法(まあまあテンプレかなぁ?)


    氷天使(二つ名から来たの?)     創造魔法(いや、それもう反則でしょ?)


    神滅(やっべ! 殺されるかも。)   迷宮(……もう、なんも言えない。)


   (あとは省略、ていうか自分のスキルだから覚えているでしょ?

    仕事増やさないでよね―。)


称号:創造主 ダンジョンマスター 神殺し 超遠距離射手(長いから、ここまでしか書かないから。)


ダンジョン名:銀氷と暁闇の大地 ランク:SS(もしかして、中二病?)


階層数:519(ずいぶん多いな。 攻略させる気ある? あ、大きく分けると5層なのね。)


「何このステータス。 こんなの初めて見たんだけど。 てか、コメントひどくない? 人をまるで化け物かのようにいってさぁー。 暇なのかなぁー。」


 さて、ステータスを確認し終えたが、突っ込みたいところが多すぎる。

 確かに、ステータスを書くのははめんどくさいだろう。だけど、一度はちゃんとしたのを見たい。

 そういえば、念じればステータスが出てくるっていうパターンもあったよな?

 試してみようかな。

(ステータス オープン)

 おおー、出てきた。

 あれ?なんか追加されている。


――は? 誰が暇人だって? こっちはアニメの新作チェックとゲームのイベントで大忙しなんだが? とりあえず、私は暇人じゃなーーい!!――


 いやいや、めっちゃ暇人じゃん。

 やっていること、現代の暇人そのまんまじゃん。

 何を言ってんだ、この人は。


 ステータスの変化は見た感じはなさそうだ。

 変化していたら戦闘スタイルを変えないといけないからね。

 まあ、どこかのタイミングでスキルを実際に使うしかないね。

 前までいたクランについては、何も乗っていないが、ダンジョンのステータスは乗っている。

 つまり、ダンジョンはこの世界に召喚して持ってくることができるのか。

 めっちゃ楽になるじゃん。

 あ、召喚する場所とかも考えないと。

 動かせなくなるタイプだったらめんどくさいもんね。

 しかも、この世界にどんな影響を与えるかわからないからね。

 しばらくの間、ダンジョンの召喚は控えておこう。

 装備の性能は後で調べるとして、ゲームのアイテムが使えるか確認しないといけない。

 いや、確認するべきか。 

 アイテムボックスと言うべきかな?


『アイテムボックス』


……、何も起きなかった。

 次だ。

 次は、収納と言ったら……。


『収納空間』


 自分の目の前に半径30センチほどの漆黒の空間が円状となって開いた。


「よし、ひとまず成功かな。 さて、中のアイテムはしっかりと入っているかな?」


 空間に手に入れると、頭の中で入っているものの内容、個数、効果がすべてわかった。

 それらは自分がよく使っていたアイテムだったり、あまり使わないごみだったり、色々あった。


「アイテムは取り出して使うことができるのが分かった。 確認したいことは大体終わったかな。」


 気になるところが無いか、もう一度よく確認してから、どこにあるか知らない村や街を探しに、私は歩き始めた。

(自分は強いわけではない、相手がどれだけ強いのかもわからない。 だから、油断はしてはいけないな。 気を付けないと。)

 


――。これから進む先は何が起こるかは誰もわからない。

 未来はわからず、誰と出会うのかもわからない。

 若き小さな天使は先の見えない終わらぬ旅を始める。

 運命という呪いに抗いながら、いくつもの出会いと別れの先で何を知るのか。

 彼女の旅はまだ始まったばかりであった。――

 この言葉、ちょっとかっこいいかも。

 まあ頑張れ。

 少女よ。

 私は、この旅をゲームしながら見守っているよ。

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