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氷光は希望となりて闇を切り裂く  作者: varugure
1章 天使、草原を旅す
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創空騎士レヴァナス戦-1

 創空騎士は、その名の通り空間系統の魔法を使う。

 一人一人の見た目は違い、持っているスキルも違う。

 共通点は『空間魔法』を使うことと、『時空斬』を使うことだけである。

 彼らは時間が経つにつれてどんどん強くなっていくため、見つけ次第速やかに倒さなければならない。

 彼らが何者で何人いるのか? そして何の目的を持ち、どこから来たのかは不明である。

 分かることはただ一つ。

 彼らは我々にとって敵であること、それだけだ。

――クラムルード・オンライン『敵情報:創空騎士』より

 さあ、あいつはどう出るのだろうか?

 できれば、あいつから攻撃してきてほしいが……。


「どうする、氷天使。 創空がなんか仕掛けてくるまで待つか?」

「そうだね。 今は私達から攻撃を仕掛けるのはやめたほうが良いかも。」


 そうして待つこと数分、ついに創空が動き出した!

 創空が剣を構えると空気が振動し、剣は青く輝きだし始めた。


「あれは『時空斬』だな。 どこを切りつけてくるのか?」

「こっちも対抗して『時空斬』放つかー。」


 おい、さっきの話はどこに行った!

 私は攻撃を仕掛けようとするのはやめたほうが良いと言ったよね!


「馬鹿か、対抗しようとするな!」

「そう言う氷天使だってさ、こっそり魔法を打つ準備をしようとしているよな?」

「いや、これは……ほら、あれだ! 防御の準備だよ。 攻撃は最大の防御って言うでしょ?」

「要するに攻撃だろ? 俺とやろうとしていること変わらないじゃん!」

「あ、打ってきた。」


 その斬撃は空間を切り裂きながら、言い争いをしている私たちの真横を通り過ぎ、そのまま向こうに消えていった。

 どうやら、外してしまったようだ……多分。


「おい。 今、創空はわざと外していたよな?」

「多分そうだとは思うけど、もしかしてあれか? 逃げ道をなくす気なのかな?」


 『時空斬』はその名の通り空間を切り裂きながら敵に斬撃を与える魔法だ。

 切られた空間はそう簡単には元に戻らないし、そこを通ることはできない。

 切られた空間をどうやって直すのかというと、『空間魔法』で無理やりつなげて直す。

 そうすることによって、切られた空間が自然に治っていくようになるというわけだ。


「どうする? この空間直しておく?」

「いや、やめておいたほうが良いと思う。 ということで、ここから移動するぞ。」


 私達は、切られた空間からできるだけ離れるように動いた。

 ついでにお返しとして、私からは『氷獄槍』を50本くらい、フレイムからは『時空斬』3連発、創空にプレゼントしてやった。


「っ!!」


 大半が回避されてしまったが……槍が5本、『時空斬』が1本、創空に直撃した。


「……そんな効いてないみたいだな。 鎧に傷すらついていないんじゃないのあれ?」

「いや、フレイムが放った『時空斬』で少しは傷がついているな。」


 創空は、遠距離戦は駄目だと判断したのかは分からないが、急に接近してきた。

 そして、私に向かって剣を振るってきた。

 ていうか、何で私に向かって来るんだよ!


「っ! 急に接近戦をしてきたなこいつ。 フレイム、ちょっとこいつを抑えててくれない?」

「了解。 創空、こっち向きやがれ!」


 フレイムの攻撃が、私を攻撃しようとしていた創空に直撃した。

 剣と剣が激しくぶつかり合う音が聞こえる。

 実力は互角って感じか……。

 フレイムが創空を引き付けてくれているから、私はちょっとした魔法の準備をしなきゃな。


 そういえば、『時空斬』は威力が高いのに少ししか傷がついていないことから、被ダメージ軽減がありそうだな。

 動けなくしてから、全力で殴ろうかな。

 そうと決まれば、まずは『重力魔法』で創空を動けなくして、『空間魔法』で転移を阻害するとしよう。

 創空の背後に重力魔法を発動!


「ッ!?」

「よし、これでようやく安定して攻撃を当てることが出来る。」


 創空は急に重力に引っ張られ、姿勢を崩して倒れ込んだ。

 フレイムは魔法に巻き込まれないように『重力魔法』が発動したと同時に創空を蹴って、その場から一旦避難してから攻撃を再開した。

 姿勢を崩すことに成功したから、『空間魔法』で固定、転移阻害する!

 その後、私は『氷獄剣』で創空を切りつけた。




「こいつ、本当に硬いな……。 ステがどうなっているか気になる……。」

「これは、『鑑定』に乗っていないスキルもありそうだな。 絶対ダメージカットあるって。」


 そう、あれから30分創空を切りつけているのだが……全然傷がつかない。

 いや、一応ついてはいるんだが……目立った傷はいまだにない感じだ。

 これは攻撃方法を変えるべきだな。


「おい、フレイム! 攻撃方法を普通の物理・術ダメージから変えるぞ。」

「了解。 となると……貫通系か、確ダメ系の特性を持ったスキルか?」

「ああ、確定ダメージの方でいくぞ。」


 確定ダメージなら十分なダメージ量を与えられるはず。

 確定ダメージを与えるスキルは結構色々あったから……全部試せばいいか。

『死毒』と『焔熔剣』、『侵蝕壊魔法』に、『黒鎖』を使うとしよう。



 確定ダメージで攻撃している途中で創空がこの状況は流石にやばいと判断したのか、『重力魔法』と空間固定を純粋なステータスの暴力で打ち消しやがった。

 まあ、その代わり結構傷ついているみたいだが……。

 何でそう判断できるのかって?

 動くときに鎧が軋む音どころか、金属が割れる音が聞こえたもん。


「今、結構えぐい音が聞こえたよな? あれ、そろそろ死ぬんじゃないの?」

「フレイム、お前……創空がまだ死なないこと分かってて言っているよね?」

「もちろん。 むしろ勝負はここからだろ?」


 創空は転移して、私達と距離をとった。

 創空の背後の空間が歪み、宿屋の中でも見た青黒い奴らが数百匹現れた。

 彼らの形は個体によって様々であり、武器を持っている者もいれば、持っていない者もいた。


「こいつらって、宿屋で見たやつらだよな。」

「そうだね。 あいつの召喚物だったのかな?」

「スキルは何を持っているのかは、分からない。 だから慎重にこいつらを片付けるぞ。」

「了解。」


 ちょっと面倒くさいことになったな……一度にどんだけ召喚してんだよ!

 こうなってしまったらなー、流石に雑魚を片付けないと創空を攻撃することができないな。

 あー、こいつは結構体力あるな……。

 しかも、スキル構成が面倒くさいとか終わってんな。

 ここまでおかしい奴、私もさすがに闘ったことないな。

――やるときはやる神

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