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輝鑑 後世編纂版  作者: 担尾清司
第二部第三話:垣屋続成、但馬へ帰還し初めての論功行賞を行うのこと

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第悟壹(81)章:はじめてのろんこーこーしょー 06

「と、いうわけで、だ。爺、小姓、数値化してくれ!」

「……殿」

「これは、如何なる仕儀で」

 一旦、上座から引っ込んで控えの間に移った続成は、爺、つまりは北山と斉藤、そして大塚の三人と、先程まで司会や書類整理をしていた小姓を呼び出し、丸投げを行った。

 勿論、丸投げなのは乗っ取りフラッグなのだが、彼はよく知る人物に対しては訓令を行うことが度々存在していた。

 つまりは、続成が訓令を行う人物とは表裏を総て知る、信頼している人物であり、それは同時に続成のいろいろなことを理解できる人物であった。

「いやまあ、おれが数値化するのは確定なんだろうけど、指標として勲功の値と本来勲功に対して与えるべき権限を数値化したものを作ってくれ。それに対して、おれは順次書類をまとめ上げるでな」

 そして、翁衆に指定されている三人は思い思いの返事を行い、殿、すなわち続成の訓令を受けることにした。続成の命令には度々常人には思いつかないものが多かったが、それは続成特有の方言を度々使うことも、内訳には存在していた。何せ、続成、の中の人は「逆浦さん」であり、現代人である。横文字を使わないだけ、努力はしていたようだが。

「……はあ」

「畏まりました、そういうことであれば、行いまする」

「その代わり、殿」

「ああ、わかってる。勲功指標と対価指数さえ決めてくれたら、後はそれなりに励むでな」

  確か、覇王伝的に考えたら勲功指数10に対して知行地1だったか。知行地1がまるたま郡1個なわけがなかろうが、村1個くらいは与えるべきだろうか?でもしたら勲功指数によってはおれの取り分がなくなるか。うーむ……。……まあ、いいか。どうせ本朝での取り分など狭い狭い。今のうちに唐入り、はできるかどうかわからんが、覚悟だけはさせておかないとな。

「……承知仕った。然らば、今から纏めますので、それまでに殿は書類の整理を行っておいてくだされ」

「わかった。したら、指標や指数を決めるための、単位はこんな感じなんだけど……」

 そして、続成の「伝説」が始まる……。


「おお、殿がお出ましになられたぞ」

「今から何が始まるのかのう」

 ……そして、続成が四半刻から半刻くらい経過した後に戻ってきた際に、家臣団はいらつく事も無く、却って快的感情によって興奮していたという。何せ、彼達は「垣屋続成」の論功行賞第一期生なのである、それ自体が、既に栄誉ではあった。

「ほんじゃ、小姓が今から勲功指数を書いた紙を返すから、その数字をきちんと覚えておきなー」

「は、ははっ」

 ……この「勲功指数」、すなわちそれは今から「論功行賞」という名のオークションを行うに当たっての対価であり、その勲功指数が財布代わりであった。

 当然、その勲功を計るのが一番難しく、間違えた場合の非難対象となりうるのだが、可能な限り不正や齟齬の発生しやすい過程を二重確認などで抑えこんだものなわけで、以後それは垣屋続成の基本的な、論功行賞の儀式となるのだった。

 そして……。

「ではこれより、入札を行う!!」

 後に政豊をして「孫めは相変わらず、人知の及ばぬところから知恵を引っ張って来寄る」と仰天した前人未曾有の方法による論功行賞は始まった。

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