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恋を知らない女子高生は女教師に恋をした  作者: 星月小夜歌
1-2. 文化祭と恋の目覚め
13/47

11.5. 恋心は甘い調べに誘われて 7

 吹奏楽部の演奏終了後、藤枝先生はどこかに行ったのか、文化祭2日目当日中は会うことは無かった。

 美術部と文芸部と手芸部の3部合同展示が開催されている多目的教室では、戻ってきていた友人たちが私を絶賛してくれた。

「琴葉ー! カッコよかったよ! あの演奏、うっとり聞き入っちゃった!」

「そう言う美登、ソロが綺麗すぎたのか寝そうだったけどねぇ。」

 美登をからかっているのは文芸部の友人、青葉あやめだ。

 ちなみに、4月に藤枝先生に夢中になった私に対して、文芸部の椅子を用意しようとしていたのも彼女、あやめである。

 さらに余談であるが、実際は藤枝先生は文芸部にあまり顔を出さないらしい。

(まあ国語科の担当をうちの学年複数クラスに加え、図書館の管理業務もあると思えば、仕方の無い話ではあろう。)

「うるさーい! なんとか納期間に合ったんだし琴葉の見せ場はちゃんと起きて聞いてたしこの2日間は元気なんだから良いでしょう!」

「美登、私が何本エナジードリンク差し入れしたと思ってる? 私の家で何度起こしたと思ってる?」

「ハイ、あやめがいなければ間に合いませんでした。エナドリ代は後日ムーンバックスの抹茶ラテ奢りマス。」

 いつの間に美登はあやめの家に出入りする仲になっていたんだ。

「まあまあ。美登もあやめも聞きに来てくれてありがとう! 部誌は美術部と文芸部と1冊ずつ買うね! 1冊300円だっけ。」

「そうだよ。学校からの決まりで値段決められてるからねー。紙代と印刷代くらいしかペイ出来ないよ。」

 美登が嘆く。

「そうそう。でもまあ発表する場があるだけ良いじゃない。」

 あやめが慰める。

今日日きょうび、インターネットでいくらでも作品出せちゃうからな……。しかも匿名で。ぶっちゃけ学校で実名でだと作品出しづらいわ。」

 美登、確かにそれはその通りかも。

「それを言っちゃおしまいよ美登殿。」

 あやめが突っ込む。

 なんだか唐突に現実的な話になってきた。私もユーフォニアムで"演奏してみた"とかやってみようかな? 私のユーフォは学校の備品だけど。

 とりあえずお金払って部誌をもらおう。

「まあともかく。どっちも300円ね。お釣り無いように用意しといたから。」

「あざーっす。」

「さんきゅー。」

 美登とあやめにそれぞれ300円を渡し、美術部と文芸部それぞれの部誌をもらう。

 ぱらぱらとめくり、落丁乱丁等がないかを確認する。

「大丈夫そうだね。後でゆっくり見るよ。さて、展示されてる作品見に行こうかな。また感想言いに来るねー。」

「あざーっす。」

「さんきゅー。」

 一世一代の演奏が終わり、束の間のゆったりとした時間を、絵と文字と、気楽に過ごせる友人たちに囲まれて私は楽しんだ。


 美術部の美登は果たして納期に作品が間に合ったのか? ということと本番終了後の琴葉の動向を書きました。

 藤枝先生との関係進展には無関係ですが、エピソードとしては入れた方が自然かなと思い、11.5話という扱いにしました。

 青葉あやめ、1話にいた文芸部の彼女です。後付けで名前がつきました。

 自転車操業で各話書いてますのでこういうことが起きるんです。

 許してクレメンス……許してくださいすいません。

 そういえば日々喜ちゃんもこのパターンだったな……。


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