表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/50

破壊神様遭遇する

 南国特有の激しすぎる日差しと抜けるような青空を睨みつけ、我は砂を蹴り上げる。


「どうやって無人島でちやほやされるんじゃい! ものもーす! 物申すぞピピンのやつ!」


 我の創造神への文句が止まらない。


 しかし応える者もなく、我は仕方なく島の本格的な調査に乗り出していた。


 がさがさと植物の生い茂る中を進みながら、我は何度目かになるため息を吐く。


 虫とか多くてやな感じだがマッパじゃないだけでも、助かったと言っていいのかどうなのか。


 全身黒づくめの衣装は、破壊神をイメージしてのものなら張ったおすのも一興かもしれない。


 上下一体のオーバーオールは身の守りという意味では優秀だが、恐ろしく暑苦しかった。


「……いや、まぁ新鮮ではあるか、神だから汗かかないしな」


 神だから、汗の香りもフルーティである。たぶん。


 しかしどうにもこの身体は視点が低くて歩きにくい。


 その上藪をかき分けるのが恐ろしく大変だとくれば、さっそくギブアップも秒読みだった。


「海岸は干物になりそうなほど明るかったのに、森に入ったとたんめちゃくちゃ薄暗い……」


 木々が生い茂り、空気もどこか湿っている。


 だがそれ以上に不快なのは、自然と感じる肌の上を走るピリピリである。


「……なんだ、このやな感じは」


 刺すような気配に、我はつい足を止める。


 そこで初めて、ガサゴソと動く自分以外の物音に気が付いた。


「んん?」


 まさか人がと期待を込めて我が顔を上げるとそいつはそこに立っていた。


 茂みを割って現れた巨大な何かに見下ろされ、我は硬直する。


「……えぇ」


「フゴッ」


 視線がぎょろりと動き、吹きかけられた生暖かい鼻息は、すさまじい獣の匂いがした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ