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破壊神様意地になる

 壊すことが専門の神様がクリエイティブなことなどできるのか?


 根本的過ぎて、もはやギャグみたいな問いかけだが、非常に深いことを言われている気がする。


 だが創造神から伝わってくる、微妙に馬鹿にした思念にさらされれば、我は言わねばならなかった。


「おいおいおい創造神よ? そいつはさすがに我を甘く見すぎだろう?」


「そうかな?」


「いやいやそんな破壊神と言っても、神だぞ? そんな……それしかできないなんてことあるわけないだろう」


「いや出来ないとは言わないけど……言わないけどねぇ」


 それは明らかな挑発だった。


 創造と名の付くだけに高みの果てが見えない上から目線は、とても苛立たしい。


「……良かろう。では我が力、見せてやろうではないか」


「いやいや無理しなくていいのよ? さすがにこればっかりはねぇ?」


「ハハハ言うではないか? わざとか? わざとなのだな? 後で泣いても知らんぞ?」


「まぁありえないと思うけど。そこまで言うなら頑張ってー」


 よしわかった戦争だ。


 我は青筋を立てて、新戦力の二人に視線を向ける。


「よし……お前達。家を建てるのは決定事項となった。この決定に変更はない。だが我は家作りの経験は皆無だ。人間であるお前達の忌憚ない意見を聞かせてもらおう」


 大いに期待したのだがミントは困り顔を浮かべて、顔の前でひらひら手を横に振る。


「いやさすがに私も家は作ったことなんてありませんが?」


 そしてキーサンはさっと視線をそむけて、言葉を濁した。


「……俺もない……ないな」


「そうなのか? 人間はみんな家を作るものだと思っていたが」


「そこは作ってもらうんですよ大工さんに。大掛かりなものは専門の職人さんがいるんです」


「……」


 ミントの説明に頷くキーサン。


 何とそう言うものか。確かに大きな国なんかにびっしりと並ぶ建物の群れは、芸術的なほどに美しかった。


 それが専門的だという話も十分に理解できた。


 しかし我はもう引き下がれないのである。


「では……どうすればできると思う?」


 割と本気で尋ねると、ミントはヒクリと頬をひきつらせた。


「そ、そうですね。そもそも本格的に家を作るならまずは材料がいりますよ。大量の木材とかでしょうか? それこそ3人じゃとても運べないような重い物を運ばなければいけないと思いますけど……」


「なるほど材料とパワーだな? ならばどうにかなりそうだ」


 そんなことかと胸をなでおろした我に、キーサンが訝し気な視線を向けてくる。


「……どうする気なんだ?」


 不可能だとキーサンの視線が言っていたが、それは人間ならばだろう。


 パワーというなら百人力の素晴らしい助っ人がいる。


 そして彼はズシンズシンと地響きを響かせて、こちらにやって来る。


「なに、人間の力なら確かに苦労するだろう。……だが我には頼りになる友がいる」


「「……!!!!」」


 地鳴りと共に巨大猪のポポロスは現れる。


 見上げるほどの猪の姿に、人間二人は震えあがった。


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