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破壊神様2人目を見つける

「おおお! なんだこれは! この木箱は食料かな? 食料だよな!? 山のようにあるぞ!」


 海岸には大量の木箱が積まれていて、いかにも期待できそうだった。


 我は無邪気に期待に胸膨らませていたわけだが、創造神が水を差す。


「……大失敗の後なのに喜びすぎじゃない?」


「失敗は振り返らない主義なのだ。じゃなきゃ破壊神などやってられん」


 破壊なんてものは、常に失敗と後悔の連続である。


 やってしまったものは仕方がないと、割り切っていこう。


 それに我には今すぐにでもやるべき破壊があった。


 目の前の木箱がまさにそうだろう。人間が食べられると保証した食べ物は貴重である。


 これをいかに中身だけ取り出すか、失敗は許されなかった。


「どどど、どうやって開ける。殴るか?」


「猿ですか破壊神よ。自制なさい。……とりあえず蹴ってみては?」


「似たり寄ったりではないか! せめてそう……木の棒! 木の棒でやろう!」


「何で木の棒なのよ? いや普通に力を使ったら?」


「馬鹿をいえ。力を使って中身が壊れたら、それこそ目も当てられないだろうが!」


「今一自信がないわけね。でも何で木の棒なら壊れないと思ったのか?」


「なんとなくだ! とにかく成功しそうなことをやってみるしかない!」


 トライ&エラーは大事なことだと我思う。


 我は適当な流木を見つけて、木箱を一撃してみた。


 ガンガンと叩き続ける事数分、何とか箱をこじ開けることに成功した我は、箱の中に妙なものを見つけて固まった。


 一番大きな木箱を選んだのがいけなかったのか、なんか死にかけの人間がぴくぴくしていた。


「……えー我。ドン引きなんですけどー。人間って共食いとかするのか?」


「なんでそう言う猟奇的な発想になるの? 密航者とかでしょ」


「そう言うものか? なんで寝ているのだ?」


「さぁ? 散々叩いたから衝撃で?」


「我のせいではないと思うのだが? ……まぁ、力を使わなくて正解だったのではないか?」


 なにがなんだかわからないが、とにかく二人目ゲットである。


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