表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/50

破壊神様好奇心を知る

「知らないってばだから。知るわけないでしょう? 人間の火のつけ方なんて」


「そこ一番肝心なところではないか?」


 真顔で当たり前のように言ってくる創造神だが、現状の不毛さに我は愕然としていた。


 何もできない奴と何もできない奴が合わさって、虚無が生まれようとしている。


 これは由々しき事態である。


「破壊神よ……考えるのです。創意工夫こそが私の最も好むところです」


 神ムーブまでしてごまかしに来る辺り本気っぽいのが嫌である。


 しかしここまで無力なのは笑えないし、現実問題としてお腹が空いていた。


「だとしても、少々今は緊急を要する。頭が働かなくなってきた。……どうすれば?」


「……詰んだわね。頭から生魚をいってみて、死んだらまた会いましょう」


「見切りが早くないか! もうちょっとなんかないのか!」


 神なんだから、もうちょっと頑張って絞れば何か出てくるはずだろう。


 絶対めんどくさくなってるだけだとあえてしつこく食い下がってみると、創造神も少しだけ気を取り直したようだった。


「そんなこと言われてもねぇ。わかったわ……じゃあちょっと待ってなさいな! この私がちょろっと聞いてくるわ!」


 そう言い残して創造神は消えた。


 聞いてくるんかーいっと我は心の中でささやかに思ったが、このさいとても助かるのでぐっと堪えた。


「うーむ、聞いてくるのはアリなのだな。それがアリなら期待できそうだが」


 創造神の奮闘に期待したいが出来る限り急いでほしい。


 我はぐるぐる眩暈がしてきたので、その場に座り込み肩を落とした。


「さて、これからどうするか」


 ひとまず創造神の帰還を待つしかないわけだが、誰も話し相手がいないとなると、それはそれで退屈だった。


 我の手には狩りの成果が握られていて、我は暇つぶしに魚達をじっと見つめる。


「……じゅるり」


 こう……見ているとお腹の奥にずんと訴えかけてくるものがある。


 その誘惑は食欲が大部分ではあるが、別に好奇心と呼ばれていることを我はまだ知らなかった。


「おおっといかんいかん……さて行ってしまったなー。どうするかなー火―火かー おなかが空いたな……」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ