破壊神様はひらめく
本日からスタートしてみます。
お付き合いいただければ幸いです。
我が名は、破壊神ポポロ。
終末にて世界に滅びをもたらす破壊の神である。
だがしかし、そんな我にも悩みがあった。
「…………やることがない」
そう破壊神は基本、暇なのである。
いや、それが良いことなのは間違いない。
だが仕事があるのは世界の終わりだけ。そして仕事をドバンとやっちゃって―――また待機。
破壊神の活動期間は実に数秒なんてこともざらにあった。
「世界の寿命は長いんだ……。長いんだよなー」
ただ我には最近妙に気になっていることがあった。
というのもどうやら妙なことが神々の間ではやっているらしいのだ。
他の世界から適当な奴をつまんできて別の世界に入れる。
更につまんできた人間には神々が能力を与えて影響力を強め、まだ未熟な世界を刺激して発展を促すのだとか。
もしくは面白そうな奴を面白そうな世界に連れて来て、神が楽しむとも言う。
あいつらけっこうクズいよな、破壊神そう思う。
でもやらかしてる神々は楽しそうで、ぶちこまれた奴もなんだかんだエンジョイしているんだから我にはもうわからない。
「ふーむ……」
だから破壊神は考える。
何の関係もない奴を楽しそうだからって巻き込むのは賛成できない。ならばそう……いっそ自分でやってしまえばいいんじゃなかろうかと。
「言っても我……力を持て余してる系破壊神だからなぁー。基本暴れたりしたいのだー。見てるだけじゃつまらんよな?」
でもどうしよっかなーって感じである。
世界の秩序を神が乱すのはアリかナシかで言えば、ナシ寄りだ。
ため息を一つ吐いて、結局待機。これがいつもの流れである。
ただ……この日は少しだけ、いつもと流れが違っていた。
「なるほど……話は聞かせていただきました」
「うお? お、お前は創造神!……聞いていたのか?」
不意打ちで我に言葉を掛けたのもまた神であった。