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第四十五話 寝たら一瞬でした

キョンケに拳を向け最後の戦いに臨む。


「ふ、ふざけるなぁああ!! 僕は選ばれし存在なんだぞ!? 僕の夢は叶う! 叶えて見せる! だから邪魔するな! 消えろ! 僕のために死ねェエエ!」


キョンケは狂ったように叫び、姿を変えていく。


「な……! キョンケ……お前……」

「ふふふ、コノ姿に驚いているようですね。ナイトメア、悪夢の塊ってヤツです……!王国民の負の感情、不安や恐怖、怒り、憎しみが具現化したものなんですよ…!」


キョンケのその姿は、一言で言えば悪魔。

黒い羽を生やし、体は汚いマーブル色に染まり、腕も足も触手も山ほど増えている。

顔は仮面のようで表情を読み取ることはできない。


「なるほど、目に焼き付いて寝れなくなりそうな見た目だな」


俺はキョンケの変わり果てた姿を眺める。

だが、その恐怖はない。

むしろ、哀れみすら感じてしまう。

それほどまでに今のキョンケの姿は醜かった。

いや、これがこの王国の負の感情の集まりなんだとしたらこの国はとんでもなく醜くなってしまったのだろう。


「アギャアアアア!」


キョンケの無数に腕が生えた触手が俺に襲い掛かる。

だが、怖くはない。

俺はそれをかわすと、カウンターでキョンケの顔面を思いっきり殴った。

すると、キョンケは吹き飛び転がっていく。

俺の一撃でキョンケの体が半分くらい千切れ飛んでしまった。


「か、は……?」


キョンケは自分が攻撃を受けたのを理解できていないようだ。

呆けた顔を浮かべながら体から血を流し続けている。

そして、その傷はゆっくりと再生を始め、キョンケの体を元に戻していく。

悪夢の化け物だけあって回復能力も高いらしい。


「は、はははは! 流石ですね! ですが、今の一撃相当な魔力を込めたでしょう!? 恐らく、半分近く! もう一度打てば……!」


俺はそっと目を閉じ、天を仰ぐ。

そして、


「へぎゃあ!」


全力で飛びかかりキョンケをぶん殴り、再びぶっ飛ばす。

そして、俺の拳から放たれた衝撃波でキョンケの身体が弾け飛ぶ。

俺の拳から放たれた衝撃は、キョンケの半身をまたバラバラにし、遥か彼方まで飛ばしてしまった。

遠くの方でキョンケの悲鳴のような声が聞こえてくる。


「な、何故だぁああああ! 何故まだ立っていられる!? 魔力はすっからかんじゃ」


俺は閉じていた目を開き、遠くのキョンケを見る。


「寝たからな」

「はあ!? 寝た!? ……ま、まさか!」


そう、俺は一瞬目を閉じ意識を手放すことで睡眠状態に入り、魔力を回復できるようになった。

それが出来るようになったのは……。

リタ達が飛び込んで目を閉じた瞬間だった。

俺は見知らぬ真っ白なく空間に一人でいた。

いや、一人じゃなかった。


「はははははは! 久しぶりだな! 強き者よ!」


あの時の魔神が、俺をボコボコにし、そして、謎の眠りの加護を与えたあの魔神

が俺を見て笑っていた。


「よお……元気そうで何よりだな」

「はっはっはっは!お前のお陰で退屈せずにすんでいる! だが、あまり神界に長くとどまると人間は死ぬからな! 手早く済ませよう! ネルよ! あの化け物を倒せ! その為の力を一時的に与えてやろう」


いや、だから、俺はネルじゃなくて、ネズなんだが……。


「倒すのはどっちにしろやるつもりだったから構わねえが、なんでお前がやらねえんだ?」

「色々と制約があってな。出来るのは手助けだけなのだ」

「俺を殺そうとしてなかったっけ?」

「アレはお前ひとりを殺そうとしたわけではない。人族全てを滅ぼすつもりだったのだ」

魔神はさらりととんでもないことを言い出した。

「人族の夢の風向きが破滅に向いていたのでな。だが、お前という新しい風を見つけ、思いとどまったというわけだ。なので、お前がなんとかしろ。ではな。ネルよ」

「ちょ、ちょっと待て! その色々聞きたいことはあるが、そのネルってのは……」

「お前が忘れてしまっているのならば不要なものなのだ。泡沫の夢……。それよりも、お前に与えた力の話だ。眠りの加速を最大まで高めた。瞬き程でひと眠りしたことになる。せいぜい暴れるがいい」


魔神がそういうと同時に俺は目を覚ました。

それもまた一瞬だったらしい。

そして、キョンケとの戦いでその力を思い知る。

いや、これ、気持ちよすぎるだろ。

瞬き一回でひと眠りしたことになり、体力魔力が回復する。

だが、一時的にって言ってたからな。早めに済ませた方がよさそうだ。


「いよっし! しっかり寝たし、元気にぶっとばしてやるかあ!」

お読みくださりありがとうございます。

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