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第三十四話 寝たら食われました

 民家にカモフラージュされた家の地下にある牢を挟んで、七光のドエムスが、ウチの、黒蝙蝠の隊員、グラに大声で叫んでいる。


「全く、残りものに福があると思ったら、ふくよかな女が来るなんて! さっさと痩せて闘技場に出られる身体になるのよ!」

「あ、あの~」

「口答えするな! これ食べて運動して痩せるのよ! アタシ、デブはきらいなのよ!」


 ドエムスは、男だ。れっきとした男だ。

 だが、女になりたいらしく口調は女だ。


「す、すみませ~ん」


 グラは怒られ涙目になりながら、ダイエット食らしいものを一口で食べ、口をもぐもぐさせると、ドエムスの方を見て、


「あ、あの、おかわり……」

「あるわけないでしょ! 痩せろっての! ったく、兄貴はあんなにスリムなのに……!」

「兄? グリ? グリが来ているんですか?!」

「さあて、どうかしらね。でも、早く痩せないと、お兄ちゃんに会えなくなっちゃうかもよ? とっとと戦える身体になりなさい。そして、ウチのショーを盛り上げるの。そしたら、アンタとお兄ちゃんの解放も考えてあげるわ」

「あの! ……戦うので、おかわりを!」

「痩せろって言ってんのよ! おデブ!」


 そう言ってドエムスは顔を真っ赤にしながら俺の横を通り過ぎていく。

 大分怒ってたから精神的に不安定だったのだろう、幻術が良く効いていた様で全然気づく様子がなかった。

 俺はグラの方へ向かう。


「うぅ……お腹減った。お腹減ったから、眠れないし、お腹減るし」

「相変わらずだな、グラ」

「え?」


 俺は、牢の鍵をぶち壊し、幻術を解く。


「ちょ、ちょっと? 誰ですか?」

「あ、ああ、そうか……俺だよ、ネズだ」


 お前とはこのくらいの姿であった事あるはずなんだけどな。

 小心者で、ひたすら怯えてるから分からなかったのか?


「ネズ、隊長……なんで、そんな、え、そんな、か、かっこいい……!」


 グラの顔が紅潮していく。


「ああ、なんか寝たらな。肌艶も良くなってな。お前も寝た方が良いぞ」

「え……? あ、はい。でも、お腹が空いてて……って……すんすん、隊長、何かもってません? お菓子の匂い……?」

「ン? ああ、もしかして……って、待て! グラこれは!」


 グラはお菓子の匂いに目を血走らせて俺に向かってくる。

 結構デカいから、俺もいきなりの体当たりに対応できず、抱きつかれたまま倒れる。


「お、お菓子だ! お菓子! 隊長! ください! あ、あとで必ず何かお返ししますから!」


 そう言ってグラは俺の懐をまさぐりお菓子を取り出し、一気に食べてしまう。

 だけど、それは……! 昼にラスティが準備していた『元気になるお菓子』で……。


「隊長……」

「お、おう、どうした、グラ?」

「食べたいです。……隊長を」


 グラの目がさっきとは比にならないくらい血走っている。


「待て、グラ落ち着け!」

「隊長は、わたしみたいなデブ嫌いですか?」

「嫌いじゃない! だけど、お前、自分を大切に……!」

「わたしは隊長大好きですよ、食べちゃいたいくらい」


 グラは本気だ。そして、こうなることも予想してた。

 どいつもこいつも俺なんか惚れやがってバカが!


「えええい、どんとこい!」

「いっただきまーす!」


 上の奴らへの幻術強めにしておこう。うん。気付かれかねない勢いだし。

 そして、俺はグラと、寝た。

 何がとは言わないがとてもふくよかでやわらかかったです!

お読みくださりありがとうございます。

また、評価やブックマーク登録してくれた方ありがとうございます。


少しでも面白い、続きが気になると思って頂けたなら有難いです……。


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