表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/48

第二話 寝たから色々理解しました

次に目が覚めた時は、一人だった。

どうやら王都の俺たちの部屋らしい。


「……ベッドかてえ」

「起きて第一声が、それかよ、大将」


首をゆっくりと左に動かすと青紫髪の男が呆れたように笑っている。


「グリ……おはよう」

「随分と寝坊しやがったな、大将」

「何日寝てた?」

「一週間、だ」

「マジかよ。まだそんだけ?」

「大将、いつから寝てなかったんだよ」

「一か月」

「言えよ」

「『いや、俺全然寝てないわー力でないわー』ってか、ダサいだろ?」

「……アンタらしいよ」


青紫髪のグリはニヤリと笑うと立ち上がる。そして、部屋を出ようとする。


「大将……もう、大丈夫だよな」

「ああ、寝たからな」

「手短に言う。アイツ等それぞれ純潔以外の七光に連れていかれた。迎えに行ってやってくれ。できるよな?」

「ああ、寝たからな。お前は?」

「オレは、グラのところに行く。あんなでも妹だからな、大将も来てくれよ」

「ああ、寝たからな」

「足音……純潔とあのバカ王子だな。オレは窓から行くぜ。大将はあの二人如きどうとでもなるか」

「ああ、寝たからな」


グリは笑うと身体をしならせて窓から飛び出していく。


「さて……大分頭もスッキリしてきたし、お話ししますか」


そして、ノックも何もなく王子がズカズカと入り込んでくる。

隣には、『純潔』。そして、その背後には十数人の兵だ。

純潔が前に出る。そして、鋭い目つきのまま口を開く。


「ネズ……ようやく目を覚ましたようですね。 今よいですか」

「ああ、寝たからな」


そして、その後、寝たから分かった俺は、国を追放され思いっきり寝られることを大声で喜び、鋭い目つきの女の目を見開かせることになる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ