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第二十五話 寝たら女の戦いが始まりました

「隊長~、どうしてアタシを置いて逝っちゃったの~! アタシを未亡人にしないで~!」

「……そもそも結婚してないだろ、色ボケババア」

「それな」


桃色髪の自他共に認めるセクシー美女、ラスティが飲み潰れて泣き喚いていた。

今日の俺は普通に仮面を外している。

まあ、髭も剃って髪もなんか色々されたが素顔だ。


みんな曰く、『今の俺なら誰も俺だと思わない』らしい。

なんでだよ。


とはいえ、確かに、お尋ね者扱いの俺達が普通に入れて(証明書はスロウの用意した偽造だったが)、普通にここまで来れたのはやはり気付かれていないからだ。

なんか腑に落ちないがまあいい。


とはいえ、ラスティなら見れば気付くはずなんだが、かなり酔っているようだ。

まず、俺達の存在に気が付いていなくて、そこら辺の奴らに絡んでいる。


「ねえ聞いてるの!? あの人は、いつだってそうよ! 人の気も知らないで! うわあああああん」


あわよくば来た時にあのデカい胸を触ってやろうとしている男もいたが、ラスティに阻まれて怯えて震えている。


相当荒れてるな……。なんか申し訳ない気分になる。


「水でも飲ませるか?」

「ぶっかけてやりゃあいいんですよ。年寄りに冷や水で」


エンが忌々しそうにラスティを睨みつけている。本当にこいつらは……。


「すまない、マスター。あの嬢ちゃんに水飲ませたいから。水くれ」

「あ、ああ……是非頼むよ。だけど、気を付けなよ。結構ヤバイ女だぞ」

「重々承知だ」


そもそもヤバくない女なんて黒蝙蝠にはいない。

そもそもが王国のはみ出し者が黒蝙蝠にやってくるんだ。

ライカはクソ堅物で愛が重いし、プリンは超絶尽くしたがり、エンは嫉妬がとんでもなく深いし、グラは……ああ、なんだか、頭が痛くなってきた。

でも、俺はこいつらがかわいいとも思ってる。

不器用で、はみ出してしまったこいつらが。


俺は、水を受け取る。そして、コップに注ぎ、ラスティに差し出す。


「ほら、飲めよ。落ち着けって」

「あらぁ? アナタ、誰?」

「俺はネズって言うんだ。よろしく」

「ふぅん。隊長と同じな名前ね。じゃあネズ君、お姉さんと遊んでかない? 今ならサービスしちゃうわよ」

「前は隊長にしか身体を許すつもりはないって言ってたのにな」

「だって、その隊長が死んだって言うのよ! 隊長の為にずっと磨いてきたこの身体なのに!隊長のばかー!」

「馬鹿っていうな、馬鹿」

「あんたに言ってないの!私は隊長に言ってんの!」

「だから、俺だろ?」

「は?馬鹿にしないでよ。いい、隊長はね、昔もいい男だったけど、今は隈がすごくて、ひげも髪も生やし放題で……あれ、たい、ちょう……?」

「おう、久しぶり」


そう言うと、ラスティは大粒の涙浮かべて抱きついてきた。やわらかい。


「隊長ぉおおおお!!!」

「はいはい、もう今日は飲みすぎるなよ。ほれ、水飲め」


ラスティは、器用に抱きついたまま俺とラスティの間に出したコップの水を俺に飲ませてもらっている。……そうか、胸の大きさがこれだけのスペースを作って……。


「落ち着いたか?」

「うん、ありがと」

「じゃあ、行こうぜ」

「ええ、宿はこっちよ」

「待て」

「アタシ、酔っちゃった」

「落ち着いたんじゃねえのかよ!」


俺はラスティの腕を掴む。なんでウチの連中はどいつもこいつもこうなんだ!

寝たいなら、一人でゆっくり寝ろよ! 大事だぞ、ちゃんと寝るのも!


「おい、色ボケババア」


そして、後ろを振り返る。すると、そこには鬼の形相をした女が立っていた。

勿論、エンだ。


「あらあ、根暗陰険クソガキ。いたの? 影と同化してて気づかなかったわあ」

「色ボケばばあ、隊長の品位が落ちちゃうから離れろ」


睨み合う二人。まあ、いつもの事だが、俺の頭痛は痛い。それくらい痛い。


「どうしたの? ひきこもり芋女が、いっちょ前にお化粧して」

「してない。一緒にするな。でも、まあ、強いて言うなら、ネズ様に女にしてもらったせいかな」


その時、空気が変わる。


「……は?」

「ババアはやっぱり耳が遠いのね。ネズ様に女にしてもらったのよ。お先に、ババア」


あー、もうなんもかんもほったらかしにして、眠りてー。

俺は、桃色の魔力を溢れさせ、怒りの形相のまま震えるラスティを見て溜息を吐いた。

お読み下さりありがとうございます!


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★続きが気になるなあ!

☆もっと書いてくれよ!


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ですが、皆様そんな事より、無理せず睡眠とって下さいね!

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