第二十一話 寝たら嫉妬されました
俺の体感では一時間程度、実際は一瞬という超効率的な眠りから覚め行動をし始める。
「ほんじゃあ、暴れてくる」
俺は、仮面をつけ、膝と手が名残惜しそうなミア・メアを連れて駆け出すとゼニスに正門をぶち破って突入する。
大軍が現れるが関係ない。俺達は神速の剣技で圧倒し続ける。
すると、シューセンドとメジマソクがやってくる。エンを連れて。
エンは寝てなかったんだろうか。相変わらず目にクマを作ってやがる。
ていうか、なんかずっとぶつぶつ言ってる。こええ……。
「あれが、ネズの隊員の一人?」
「ああ……」
黒髪の長い髪を伸ばしっぱなし、美人なのにもったいねえというと「あへあへ」と笑って、結局伸ばしっぱなし、超絶暗い女がエンだ。
「おい! 帝国軍! お前らの狙いはわかっているぞ! この魔導士を助けに来たのだろう!? スロウの仲間である以上魂胆は見えている。こいつを助けてほしくば、首飾りを寄越せ!」
俺は仮面によって顔も隠れてるし、声も変わっているので、帝国軍扱い。
交渉しようとしているのがメジマソクらしい。
だが、こっちよりも敵は隣にいるようだ。
七光【節制】のシューセンドが、メジマソクの行動が気に入らないようで、自慢のオールバックが乱れるのも構わず噛みついている。
「おい! お前はさっきから俺様の街で勝手な行動を!」
「やかましい! あの首飾りは帝国との交渉材料となるのだ! 帝国に逃げる前に取り返す! さあ、どうする!?」
エンの首筋にメジマソクのナイフが当てられる。エンはそれをみて自分の首を当て始める。
「うわ! お前何をするつもりだ!」
「あの人の居ない世界なんて興味ないのよ……死ぬ」
「だから、ネズはまだ生きてると言っただろう!」
「じゃあ、なんで迎えに来てくれないの……? 死ぬわ!!」
エンが大暴れしてる。相変わらず困ったちゃんだなあ……。
俺は捕まえた兵を思い切りハンマーのように振り回し、兵たちを遠ざける。
「おいおいおい! シューセンド、メジマソク、俺だよ、俺!」
シューセンドとメジマソクは、もしやと顔を見合わせる。
エンは、血走った目でこちらを凝視している。視線だけで死にそうだ。
俺は、エンの様子を見て苦笑いしながら、仮面を取り外す。
「よお、エン。迎えに来たぞ」
「あ……ネズ様だ……」
エンは俺の顔を見ると涙を流す。俺も泣きそうだった。色んな意味で。
「ネズ!?お、お前、いつの間に……!王都に居たはずでは……!」
情報がおせえな。まあ、それだけ七光同士で足を引っ張り合ってるんだろうけど。
「というか、何故お前が帝国と繋がっている!?」
「知らん。ウチの頭脳が考えたことだ。まあ、そんな事はどうでもいいだろ。それより、その女を渡してもらおうか。大変な事になる前に」
「断る」
「マジでいいのか。大変な事になるぞ。本当に大変な事になるぞ。大変なことになるんだぞ?」
「なんで三回言う!?」
シューセンドがそう言うが、本当に大変な事になるからな。
「もう忠告したからな……隣の女に気を付けろよ」
シューセンドとメジマソクがエンを見ると、エンの身体から真っ黒な闇の魔力が溢れていた。
「ねえ、ネズ様……その女どもは誰? 浮気は許さないわよ……」
やべえ、流れ弾が来た。
「いや、別にお前とも付き合ってねえし。こいつはスロウの知り合いでな。ついでで手伝ってるだけだ。な?」
「ええ、ただの身体の関係ですわ」
おいいいいい!
「ふーん、じゃあ、全員潰すわ」
エンは笑いながら闇魔法を展開し始める。よし、逃げるか。
エンの闇魔法によって、ゴーストが大量に現れ無差別に襲い始める。
とはいえ、あのゴーストは悪意に反応する。民衆には被害はほぼないか。
ただ、俺とミアメアは悪と判断されたらしい。
襲い掛かってくる! おおい!
黒蝙蝠で一番恐ろしい闇魔法暴走女、嫉妬のエンの暴走が始まった。
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