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第十六話 寝たら腹立ってきました

「コイツは、ひでえな……」


襤褸きれから骨の浮いた身体が見えるやせ細った人間達がふらふらと歩いている。

鼻が曲がりそうな匂いを漂わせ、そちらこちらで腐った何かが落ちている。


「アイツらに食い物にされて、死ぬか、スラムで生きるしかねえか……。どっちにしろ、ろくでもねぇ人生だな」


貧民街やスラム自体は見慣れている。だが、ここのそれはひどい。

誰もが絶望に染まり、死を待ち望んでいるか、衝動的快楽に溺れているように見える。

俺は、彼らを横目に見ながら、先に進む。すると、前方で悲鳴が聞こえた。


「きゃあああっ!」


俺は、慌てて駆け付けると、女が男に襲われていた。


「いや……離して……」

「へへ、いいじゃねーかよ。どうせ俺達は死ぬまでこんななんだ。だったら、俺といいことしようぜぇ?」


男は女の腰を抱き、ニヤついている。

女は、まだ此処にきたばかりなのだろうか、この中では比較的こぎれいな恰好をしている。

あの男も大分臭いのだろう、鼻にぐっと力を入れながら、女は必死に説得を試みている。


「自暴自棄にならないでください! 何か、何か、私に力にならせてください!」

「だからさあ、俺に身体貸してくれよ。もう、それくらいしか楽しみがねえんだよお」


男共はおこぼれに預かろうと周りを取り囲み、舌なめずりを始め、女子供は厄介ごとに巻き込まれたくはないと遠巻きに見つめている。

女は乱暴に胸をもみしだかれ苦しそうに呻きながらもそれでも男に話しかける。


「そ、それは本当に、貴方の望んでいる事なのですか!? 本当に!」

「……望んでいるんだよ! もう俺には、こんな、こんなことしか! いいから抱かせろ! 黙って腰を振りやがれ!

「気持ちは分からなくもねえが、抱きてえならちっとは男見せて抱かれたいと思わせろよな」


俺は立ち止まり、男に声をかける。男は空腹か、性欲か、とにかく苛苛している様子だった。


「うるせぇえええ! 関係ないのは、黙ってろよ!」

「キャアッ!」


男が腕を振り上げた瞬間、俺は飛び出し男の顔面を殴った。


「ぐえっ!」

「大丈夫か?」


俺は倒れかけたのを抱きとめた女に声をかける。


「は、はい」


彼女は頬を赤く染めて、俺の服をぎゅっと掴んだ。


「お、お前何しやがる!?」

「お前を殴った」

「んなこと分かってんだよ! なんで俺の邪魔をする! そんな襤褸着てんだ。お前だって、此処に落ちて来た人間だろ」


男は俺を睨みつける。そういえば、服は変えてなかったな。

っていうか、女共がすっごい嗅いで興奮してた。うん、早く着替えよう。

落ち着いたらすぐにでも。


「おい! 聞いてんのか!? クソ野郎!」


男が顔を真っ赤にして喚いている。


確かに、この世界には同じ境遇の人間は沢山いるだろう。だが、だからといって目の前の人間の行いを見て、何もしないなんてのはあり得ない。

それに……こいつらは、怒っている。

なら、十分だ。


「まあ普通なら、俺には関係無い話だけどな」

「一人でぶつぶつと……ふざけるなよ!」

「テメエこそ、ふざけんじゃねえよ」


俺は思いっきり男を殴りつける。


「ぶげえええ!」

「よーし! ここのは催眠とかじゃねーから、簡単そうだ。俺は、お前らをぶん殴って目を覚ませる! お前らぼっこぼこにして目を覚まさせる! 目を覚まさせるからな!」

「な、なんで三回言うんだよ!」


俺は指をちょいちょいと折り曲げて周りを挑発し、口を開く。


「大事なことだからだよ……! さあ、来いよ! ゴミだめ暮らしのゴミ野郎ども!」

お読みくださりありがとうございます。

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