第十五話 寝たら帝国が味方になりました
俺達はネーマの街を出て、ゼニスを目指す。
「で、ゼニスではどう動く?」
「仮面の騎士団として暴れる。それだけで十分ですよ。それより、隊長への伝言をシューセンドが方々に送っているらしいですよ。『エンを預かった。返してほしくば、100万ゴールドの保釈金を用意しろ』ですって」
「あいつらしい話だよ。何が保釈金だよ。ただ、シューセンドは人の命に価値なんて感じてない男だからな。簡単にエンを殺す可能性がある」
「ですね。だから、僕とミアやメア、ガイナが暴れますので。隊長は、別行動」
スロウはそう言って作戦の全容を話し始めた。
そうこうしている内に、ゼニスが見えてくる。相変わらず、豪勢な外観だ。
商業都市ゼニス。
金大好きのシューセンドによって治められている都市。
港もあり、各国との貿易の窓口として活躍している場所、らしい。
「じゃあ、隊長。作戦通りに。ご武運を」
俺は、スロウと別れ、全力で跳び上がりゼニスの巨大な城壁を飛び越え中に入った。
スロウ達は街の広場に来ていた。そこには、多くの王国兵が集結していた。
「やあやあ、連絡はメジマソクから来ているよ。ようこそ、帝国兵の諸君。そして、さようなら。お前らを引き渡せば、メジマソクから金を引き出せるんだ。大人しく捕まってくれ」
現れたシューセンドは大盾を持って現れた。
『命あっての物種』が口癖のシューセンドらしい装備だ。
「……スロウさん、ガナイ、援護頼む!」
「了解~」
「メア様、承知しました」
スロウ達が、一斉に動き出す。
「さあ、生け捕れ!」
シューセンドが叫ぶと同時に、王国兵の集団の中から、一人の仮面騎士が現れる。いつの間にか潜り込んでいたミアだ。
「さあ、皆さん、最愛の人に褒めてもらう為の犠牲になってくださいね」
メアは叫びながら、近くにいた兵士に飛び掛かる。
「ミアよりも私の方がネズの役に立ってみせる!」
「くそっ! なんだこいつは! 強い! うわぁぁぁ!」
メアが長剣を素早く振るうと、兵士が斬り刻まれる。
帝国剣技は、手数が多く、その中でもミア・メア姉妹は神速の剣技と言われているらしい。
「いやいや、メアには負けませんよ」
ミアはメアに比べ手数が少ないが的確に鎧の隙間を通していく。
「ひぃ! こいつもヤバイ!」
「怯むな! 相手は少数だ!」
「おい、お前らは俺の相手をしてもらおうか」
メアの後方からガイナが姿を現す。
「くそっ!」
「遅いぞお! オラァ!」
ガイナは槍を振り回し、次々と王国兵を気絶させていく。
「クソッ! 全員で取り押さえろ! 仮面の騎士団は化け物だ!」
シューセンドの指示で王国兵はスロウ達に襲いかかる。しかし、彼らの攻撃は全て避けられるか防がれてしまう。
「お前らの実力はその程度か? 王国の雑魚共がぁ!」
「ぎゃあああ!!」
スロウ達の大暴れを風魔法で聞きながら俺はスロウの指示したルートを通る。そのルートは最もヤツらが寄り付かない、貧民街だった。
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