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第十一話 寝たら帝国に会いました。

ブタカは帝国に睨みを利かせる為の主要な拠点で、巨大な壁に覆われた要塞だ。

都市への出入りも入念に行われていて、あやしい素振りを見せれば一発で捕まるだろう。


「さて、どうやって侵入すっかなあ」


無理矢理推し通ることも出来るだろうが、ギゼインの所と違って、対帝国用の戦力が揃っている。

下手な事をすると返り討ちにあいかねない。

俺は、ブタカを囲む壁に近づき、中の様子を伺う。

警備の兵達が巡回しているようだ。


「やっぱり、正面突破は難しいかあ……」


そう思い、踵を返そうとした時、ドォン!! 轟音が響いた。そして、大きな爆発音とともに、煙が立ち上る。

そして、爆炎の中から現れたのは、見覚えのある姿だった。


「あれは……スロウ!?」


スロウはこちらに向かって親指を立てている。大男に背負われたまま。

そして、その横には仮面をつけた少女二人が立っている。


「攻撃だ! 帝国兵がいるぞ!」

「見つけ次第とらえろ! 殺すなよ!」


ブタカの王国兵たちが騒ぎ立てている。

俺はすぐスロウのもとに駆け寄った。


「おい! スロウ!」

「ああ、隊長~。そろそろかなあと思っていましたよ~。お元気そうでなにより」


相変わらずののんびりした口調でスロウが喋りかけてくる。


「おい! コイツはなんだ! 王国の人間ではないのか!?」


仮面の少女の一人が剣を抜き放ち、攻撃を仕掛けてくる。

けれど、ちょっと遅い。俺は攻撃をその場で躱しいなし続ける。


「落ち着いて! 恐らく彼が……スロウ殿の話していた……」

「スロウ、お前引きこもりだったよな? 帝国に知り合いなんていたの?」

「ああー、あ、皆さんちょっと落ち着いて。気持ちは分かりますが、今は同じ目的のはず」

「同じ目的?」

「話はあとで。ひとまず、逃げましょう。ね、ミアさん」

「……分かった。行こう」


俺はスロウ達と一緒にその場を離れた。

しばらく走って、追っ手が来ないことを確認してから足を止める。

俺は呼吸を整えながら尋ねた。

なぜ、帝国の奴らが此処にいたのか。

俺の疑問に対して、スロウは答えた。


「僕が呼んだんですよ」

「は?」

「いやあ、流石に一人でブタカを出るのは骨が折れたので」


スロウはあっけらかんと言う。


「お前、いつの間に帝国と繋がってたんだよ?」

「ま、その前にご飯にでもしましょうよ。隊長の事だからご飯も食べずに僕の所に来てくれたんでしょ。それにそろそろ空腹に気づく頃では」


確かに……しっかり寝て睡眠欲は満たされてるし、


「まあ、プリンとかライカに運動を迫られたでしょうし」


こいつは、本当に……だが、


「残念だったな」

「あ、もしかして、もう一人くらい増えました~? 流石隊長だな~」


ダメだ。コイツには勝てる気がしねえ。

俺は黙ることにした。沈黙は金だ。


「というわけで、ご飯にしましょう。この先にご飯のうまいところがあるんですよ。穴場です」


そう言われて辿り着いた山小屋には、赤髪の女ドワーフが三姉妹で住んでいた。

スロウがやってくるとぺこぺこ頭を下げている所をみると、ここにも投資していたらしい。


「また投資か」

「どういうことだ?」


仮面の、こっちはメアだったかが聞いてくる。


「ああ、アイツ将来有望そうなヤツに唾かけて、金を与えてるんだよ。将来うまくいったら、倍にして返してくれればいいって」

「隊長~、マリーさんがいくらでも朝食作ってくれるんですってー」


スロウがニコニコしながら言ってくる。

俺はため息をつきつつ、飯を食いに行った。そういえば、まだ朝か。


朝から豪勢な食事を終え、俺は本題に入ることにした。

スロウが帝国と繋がっていることに関してだ。


「ああ、前の戦場で。さっき僕を背負ってくれてたガナイさんと渡りをつけまして。まあ、何かあれば連絡くださいねーって。どうせ、隊長。国からいつか捨てられるだろうし」


こともなげにスロウはいう。

『不動の賢者』昔の呼び名だ。こいつの頭は常人には計り知れない。いわゆる天才だ。

不動というのはその場から動かないにも関わらず解決してしまうその頭脳を賞賛してなんだそうだが、俺からしたらただの引きこもりだった。

事実、引きこもり過ぎて王国では問題児扱いされていた。

俺がなんとか引きずり出して仲間にした。


その頭脳は本物だ。

現に、俺が追放されることも予測していたし、自身が捕まったらブタカに連れて行かれるであろうこと、そして、帝国に助けてもらえるだろうこと、全部予想してやがったんだから。


「お前……マジで凄えわ……」


俺は呆れた声を出してしまう。そんな俺をみて、スロウは苦笑した。


「いえ、まあ、運が良かっただけですって。それより、どうするんですか?」

「ん?ああ、とりあえず、お前を迎えに来ることだけ考えてたからな。そのあと、シューセンドのとこ行こうかとエンが捕まってるらしいし。」


スロウは俺の言葉を聞くと少し動きが止まってニコニコしていた。

こいつが考える時は大体こんな感じなので、俺は全然気にしてないが、仮面の女どもは驚いたみたいだ。


「じゃあ、隊長。彼女達も連れてシューセンドの所へ。そして、帝国軍の一員、黒仮面の騎士として暴れてきてください」

「りょーかい」

「はあ!? い、いいのか!? なんの説明もないぞ!?」


確かミアと呼ばれた方の仮面の女が俺に迫る。


「まあ、コイツの考える事なんて考えるだけ無駄だ」


スロウの脳みその百分の一も中身俺にはねえだろうし。


「あ、ただ、ちょっと先にブタカで暴れてきてください。それから、シューセンドのゼニスに」

「分かった。まあ、暴れるだけなら問題ねえな」

「ただ、僕達を連れて行ってください。僕達は身を守ることに集中しますから」

「分かったよ。んじゃ、行くか」

「ああ、待ってください。隊長」


立ち上がる俺の袖をスロウが引っ張る。

ニコニコしている。だが、なんかイヤな予感がする。


「なんだよ?」

「朝食代が必要でして……」

「朝食代? カネなんてないぞ」

「ああ、大丈夫です。金はむしろ貰ったくらいで」


そもそもコイツ、投資するくらい金持ってるだろうし。


「じゃあ、なにを」

「マリーさんの所は女三人の男日照りでして」

「おい」


そんな気がした。しかも、コイツがこういうんなら、これも必要な事なんだろうけど。


「まあ、三人とも美人ですよね」

「おい」


とはいえ、俺の意見が通らないってどういうことなの?

俺、隊長だぞ。まあ、作戦は全部スロウが考えて、俺は動くだけだけど。


「というわけで隊長、彼女達を満足させてください。それが朝食代です。大丈夫、段取りは僕に任せてください。全部問題なしです」

「てめえ……スロウ。覚えてろよ……! ええい! わかった! あんだけうまい飯の礼がそれでいいならくれてやらああ! かかってこい」


マリー三姉妹をベッドに投げ入れ、俺は服を脱ぎ捨てた。

お読みくださりありがとうございます。

また、評価やブックマーク登録してくれた方ありがとうございます。


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