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消えない傷痕

罪のない優しさ

作者: 水紅

「そっかぁ〜…でも、世の中もっと辛い思いをしてる人っていっぱいいるし。そういう人たちと比べたら、自分はまだましだって思えるんじゃない?」


 その言葉を聞いて、一番の親友だと思っていた彼女からそっと瞳をそらした。

 そっか。そっか…




 人間の価値観や考え方というものは、その人の人生を体現している。

 彼女に悪気はない。

 それは、優しさで言ったものだ。


 彼女は優しくて、きれいで、羨ましいほど真っ直ぐだ。

 きっといい家庭で育ったのだろう。

 いい家族に恵まれたのだろう。

 当たり前のようにそれが与えられてきたのだろう。 

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 彼女に悪気はない。

 でも、世の中は綺麗事で出来ているわけではない。

 全ての人が“優しさ”を“優しさ”として受け取れるわけではない。

 本当に辛いことがあった時、誰かと比較したからといって、辛さが軽減するわけではない。



 結局、私の辛さは私だけにしか分からない。



 きっと、私と彼女は本当に分かり合えることはないだろう。







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― 新着の感想 ―
[良い点] 『自分よりも、もっと辛い人がいる』は、つい陥ってしまいがちな思考ですが、それで自分の辛さがなくなるわけではない、というのも確かにその通りですね。結局、自分のことを一番分かっているのは自分だ…
[一言] 後になってわざわざ謝ってくれる人もいたりしますよ。 だから、ね。
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