説明物語 邂逅編
そして次の日、学校に走って向かう途中気が付く。僕が昨日手に入れた能力である【嘘審判】を使って川岸さんに質問をすれば僕が山岸さんの言われた通りの場所に行くことによって何が起きるのか。というか何が狙いで、どういう意図で僕を呼んだのかが分かるのではないかということを。
というわけで、思いついたらすぐ行動の精神で学校に着いたらいつもの様に本を読んでいる川岸さんの所に向かい話かけた。
因みに年齢=彼女いない歴なんなら年齢<彼女いない歴という嫌な未来さえも見えている僕としては可愛いの部類に入る川岸さんに自分から話しかけるというのに緊張している。ドキドキだ。心臓バクバクだ。この程度でドキドキしてたら告白とか絶対出来ないなって思うわ。まあする予定ないが。まあいいや。くだらないこと考えてないで話しかけよう。
「すみません。川岸さん、昨日の手紙はどういう意味ですか。そこに行くことによって僕に一体何があるのですか?僕は一体どんな目にあうのですか?」
「行けば分かる」
川岸さんはそう言って本を読み続けた。
ヤベミスったな。そんないい方されるとせっかくの噓審判が腐ってしまう。どうにかして他の言い方をして貰わないと。というかそんな夢中で本を読むなんてどんな本なのだろうか一読書家として少し気になるな。まあ、それは今いうべきことではないか。
「いや。行けば分かるじゃあ、よく分かりませんって。もっと詳しく教えてくださいよ。僕はどうなるんですか、殺されるんですか?実験でもされるんですか?それとも陰陽連みたいな組織が合ってそこに入れとか言われるんですか?」
僕は取り敢えず何か言葉を引き出すために、ペラペラと話し続ける。自分でもよく回る舌だと思う。まあ心臓は相変わらずバクバク中だが。ただ、これは功を奏したようで。僕が陰陽連と言った途端、無表情だった川岸さんの顔が少し歪んだ。
「どこで陰陽連について知った?誰から教えて貰った。誰がその情報をお前に渡した」
川岸さんはいつもよりも少し威圧するような低い声でそう言ってきた。
うん。誰から教えて貰ったって自分で調べたのだが。しかし噓審判に反応は無いし。多分本当に僕が誰かから教えて貰ったと思ってるんだろうな。つか陰陽連って本当に存在して川岸さんも何かしらの関りを持ってるんやな。いやはやビックリですな。
というわけでここは少し鎌をかけてみるか。
「さあ、誰でしょうね?川岸さんは誰だと思いますか?」
僕はわざとふざけるように肩をすくめてそう言った。
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沈黙が走る。
気まずい。本気で気まずい。取り敢えず何か言うか。僕はこういう沈黙が凄く苦手なんだ。本当に苦手です。どれくらい苦手かというとチャタテムシが本に湧くくらい苦手です。いやチャタテムシが本に湧く方が苦手か。僕みたいな読書家にとってあれは地獄だ。
「ごめんなさい。嘘をつきました川岸さん。別に誰からも教わってませんよ自力で探して見つけました」
僕はそう言って謝った。その瞬間だった金縛りのような物が僕の体を襲った。
しかし。何だろう。今は力を入れてないから動けないが。多分少し力めば簡単に抜け出せそうな金縛りだった。まあ。金縛りかは分からんけど。というかこの金縛りのような物、状況的に多分だけど川岸さんが使ったんだろうな。
こういうの使えるってことは本当に力を持った陰陽師とか何だろうな。凄いよ川岸さん。というか陰陽師的な人って本当に存在するんだな。まあ予想はしてたけど。
「本当の事を言いなさい。素人が陰陽連について自力で見つけれるわけがないでしょ。言わないとこのまま動けないわよ」
いやはや怖いこと言うな。しかも声が更に低くなってるし。何か威圧感が凄いわ。でもいいっすか動けるんだけど。でもあれだな本当に自力で見つけたのだが。そんなに疑われるとは。まあいいやせっかくだしこのまま勘違いさせて質問をしますか。その方が上手く情報を引き出せる気がする。川岸さんとしても自分の術を簡単に破る存在とは関わりたくないだろうし。逆に簡単に術にハマる弱い存在だっら、まあ油断はしてくれるだろう。多分だけど。
「じゃあ。こうしましょう。僕が明日指定された場所に行ったら何をされるのかを教えてください。そしたら陰陽連について誰から教わったか言います」
体は動かせないが。口は普通に動かせたのでそう言った。
・・・・・・・・・・・・・
「分かったわ。そうしましょう。明日貴方は私のお兄ちゃんと会う。そしてお兄ちゃんから貴方の持つ力について話がされるわ。それ以外は何も知らないわ。でも少なくとも貴方に危害は加えられないはずよ」
噓審判に反応はなしか。
うん。どうやら本当のようだ。じゃあ良かったわ。これで安心して明日行けるね。いやまあ行くの面倒ではあるが。まあしょうがない。それにいかなかったときに確実に何か不都合がありそうだからな、まあ、どんな不都合があるかは怖くて聞けないが。
まあ、それに僕としてもこの力について知りたいしね。
「そうか。ありがとう川岸さん。じゃあ僕に陰陽連について教えてくれた人はいないね。強いていうなら、とある掲示板で陰陽連のURL張ってた賢魔って人かな」
「賢魔って言った。今?」
川岸さんが僕の言葉を聞き急に顔を青くする。
ん?もしかして賢魔って何かヤバい人やった。
「はい。言いましたけど。え?賢魔ってヤバい人ですか?」
「いいえ、そういうわけではないけど。えっと凄く簡単に説明をするなら物凄い量の情報を持っている情報屋何だけど。凄い愉快犯で自由奔放の自己中心的な異常者だわ」
噓審判の反応はなし。
うん。そんな愉快犯がいるんやな何だろう僕の好きな小説にそんな感じの人間大好きの情報屋いたな。まあ、流石にあの作品レベルの変な奴ではないやろ。うん多分知らんけど。
「そうですか。ではまあ、僕としても明日行っても安全という事が分かりましたし向かわせて頂きますね」
一応敬語?を使ってそう言い僕は席に戻った。因みに金縛り?は解かれてた。
席に戻ったら新井に話しかけられる。
「なあ。お前が川岸に話しかけるなんて珍しいな。何か合ったのか?」
確かに言われてみれば珍しいな。それに結構話し込んでたし。あんまり僕は女子に話しかける方の人間でもないしな。
「いや。特に他愛もない会話だよ。あ。恋愛とかそういうのではないから安心しろ、事務的な感じだ」
「そうか?本当にそうなのか?」
「お前、止めろって変に勘ぐったって無駄だぞ。本当にそういうのではないんだから」
「いやいやそういう風に否定する方が怪しいぞ」
「いや。それ肯定してもダメやし否定してもダメな無理な奴やん」
「あ、バレた。まあお前の性格的にそういうのではないのは分かるよ。少しふざけて悪かったな」
「いや。いいよ。別に気にしてないし。さてと今日も学校頑張るか今日終われば土曜日だ」
「そうだな。ハア。マジで学校だったら金曜日が一番好きやわ」
「分かる。本当に分かる。ほんで一番月曜日が憂鬱何だよな」
「マジで。それな」
そんな感じで新井と他愛も会話をしてたらうるさい北村先生がやって来る。
「さあ、皆。今日も元気で頑張ろう。エイエイオーーーー」
相変わらず元気やな。嘘審判でも本当にそう思ってるらしいし。マジで超元気な先生やわ。凄いよ本当に。
そんなわけでホームルームが進んでいき。終わり。授業が始まる。
そうして授業を受けている時、とある事に気が付いた。
眠くないのだ。
僕はいつも夜の12時に更新される漫画を読んでコメントを打ってから寝ているから少々寝不足気味で授業中に居眠りをしてしまうことが結構ある。それなのに今日は一切眠くないのだ。
凄いなこんな所にも影響が出るとは。いやでもこの眠くないは本当にいい効果だな。ありがたい。
さてと。真面目に起きて授業を受けて行きますか。
そうして授業を受けて、終わり、昼休みになり友達と一緒に弁当を食べ、午後の授業を受けて終わり部活に行く。
部活では少し賢魔という人が気になり。調べてみる。
そして調べて調べて調べても一切何も出てこなかった。
出て来るのはゲームのキャラの似た名前だったり、よく分からない漫画の情報だったりだ。
そして僕の心に火が付いた。
絶対に調べ出して見せると。
そうして更に調べていく。SNSはもちろん掲示板を探し。漁る。漁って漁って漁りまくる。そうして調べて調べても出てこない。これでもライトノベル大好きなんで読むのは超早いんでそれを活かしてかなりの量の掲示板や知恵袋等を漁る。
もちろん。昨日見た掲示板を確認しに行ったが削除されていた。
ハハハハハ
賢魔。本当にゲームやライトノベルに存在するような凄い情報屋なのかもな。まあ、いいや取り敢えず賢魔は諦めるか。凄すぎる。今の僕には賢魔とやらの情報は絶対に見つけられないわ。
さて、気が付いたら部活もそろそろ終わりそうだし帰るか。
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家に帰ったら服を着替えて、ご飯を食べて風呂入り上がったらパソコンを立ち上げて陰陽連について調べてみる。
陰陽連のURLは一応メモしていたから簡単に入ることが出来た。
そんなわけで10分程かけて陰陽連というサイトを一通り目を通してみる。
感想を一言で言うならば。まあ、何か凄かったわ。
昨日見た時は胡散臭いと思ったが今見ても胡散臭いと思うわ。
マジで胡散臭さの塊やわ。
何か妖や死霊やら怨霊やら怪異やら超常現象なんでも対処しますって書いてあって。
値段は1万円から100億円という頭大丈夫ですか?ネジしっかりと締まっていますかみたいな書き方されている。
しかも国が滅ぶレベルの案件でも陰陽連ならば他以上に安く受けて解決させますとか、学校に蔓延る低級怪異や怨霊でも安く早く簡単に安全に除霊しますとか。
もはやわざとだろってくらい、胡散臭く書いてる。いやまあ、他に書き方あるかと言われれば分からんが、でも絶対マシな書き方あったやろ。知らんけど。
でもまあ、胡散臭いという大きすぎる欠点に目を瞑れば相当に凄い偉業を成し遂げてますよって書いてある。
国を滅ぼすレベルの怪異討伐実績多数。世界を脅かした、七つの大罪悪魔・色欲・強欲・傲慢・嫉妬の討伐実績やハルマゲドンを聖教会と協力して止めたり。大規模犯罪グループデスキングの壊滅に吸収王とかいう化け物の封印等々。何か凄そうな実績が一杯書いてある。
多分本当のことなんだろうな。分からんけど。何かこう。何となくそれが真実だと思えてしょうがない。マジで不思議なのだが。一応商業高校生やし詐欺サイト何かの勉強はしてる。趣味でネットサーフィンするから人よりかは詳しい自信がある。
その上で。このサイトに書かれていることは真実だと。そう思えた。胡散臭くて仕方がないが。それでも信じれる何かがあった。
それこそまるで魔法にでもかかったかのように、いや本当に魔法にかかってるのかもしれない。でもそうなると、それはそれで相当に凄いことだ。サイトというネット媒介のみ催眠術?を掛けているようなものなのだから。
ハア。何か少し疲れたわ。ちょっと考えすぎたわ。いくら考えても答えってのは中々でないものだしな。さていつもの様にライトノベル読んでゲームして12時更新の漫画読んで寝るか。
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そして次の日。
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「ハア。起きた起きた。さてと朝飯食ってから、確か時間指定は無しで場所はお墓公園の近くのグレーリとかいう廃ビルに行きますか。うん。面倒やけどこの僕の力についての説明は欲しいんでな」
そんなわけで朝飯を食べて着替えてから指定された場所に向かって歩くこと10分。
簡単に見つけることが出来到着する。
「うん。廃ビルっていうか潰れたラブホテルやん。いや普通公園の前にラブホテルなんて立てるか?いやまあ需要はあるかもしれんけど。つかここ公園とお墓がセットになってるお墓公園だぞ。いや正式名称は違うけど。それでも公園とお墓の前にラブホテルだぞ?何というか、かんというか。まあ潰れてるから知らんけど。ハア、さてと入りますか」
僕はひとしきりツッコミを入れつつの独り言を呟いた後。ホテルに入っていく。何かいかがわしく聞こえるな。そういうのじゃないけど。
そうして僕が入った瞬間に空間が歪んだ。
何を言ってるのか分からないかもしれないが本当にその通りなのだ。空間が歪んで何処かに吸い込まれた、否無理やり転移させられた。
そして気が付いたらとある広い部屋にいた。
そしてその部屋の真ん中にある大きなベットにとある一人の青年がそれはもう快適そうな恰好で寝転がっていた。
「やあ。どうもこんにちは。彩香氏 陰晴君。君が来るのを待っていたよ」
噓審判が発動しなかった。
そのまんまの意味だ。発動しなかったのだ。この人が言葉を発しても僕の噓審判が何も反応を示さない噓かどうか結論を出さなかった。真実だという結論も出さなかった。否出せなかった。何なら僕の中で言葉をかけられて、その内容を理解したのにも関わらず。その記憶はしっかりとあるにも関わらず、彼の顔が分からなかった。雰囲気が分からなかった。何もかもが思い出せなくなっていた。今彼の顔を見ているはずなのに。まるで大きな大きなどす黒い靄がかかっているようだ。
これはあれか?何かしらの能力。もしくはこの人が強すぎて能力が効かないとか?その上で僕に何か能力を掛けている的な?ヤベえ、僕の勘は全てだと全力で言っていやがる。怖え。超怖い。漏らしてしまいそうだ。
「お。そうだよ。大正解。俺が強すぎて強すぎて強すぎるから君の能力が効かないんだよ。そりゃもう君と俺とじゃあ、天と地ほどの差があるよ。そんでもって僕はこれでも秘密主義者だから君が僕のことを覚えられないように能力も使ってるよ」
心を読んだ。
マジかそういうの能力も持ってるのか。ヤバいなこれは。一切下手なことが出来ないな。
「そうですか。それで僕に宿った力について説明をしてくれるんですよね?」
「ああ。そうだよ。もちろんするよ。だけどその前に1万円」
いきなりそう言われた。そして僕は理解する。あ、これ情報料渡さんといけん奴かと。でも今の僕じゃあ絶対に勝てないし。僕の力についても知りたいし。しょうがない、ここは大人しく渡すという選択肢以外ないな。
「お。大人しく渡すのか。良い判断だよ」
クソ。心読まれえるのってヤバいな。
これ僕喋らなくても良いんじゃないか?
「まあ。極論を言えば君が喋らなくても会話は出来るね。でもせっかくこうして二人っきりでいるんだし喋ってよ。寂しいな」
「分かりましたよ。では一応これが1万円です」
僕はそう言ってポケットに入れてある財布から1万円を取り出して渡す。
クソ僕の虎の子の1万円が。
「虎の子の1万円だったか。それは悪いことしたね。じゃあサービスとして予定していたよりも多めの情報を渡してあげるよ。というわけで一度しか話さないからよく聞いていてね。まず君のその力は吸収王の残滓だ」
吸収王?それ何処かで聞いた、いや見た記憶が、あ、あああああ。思い出した。陰陽連のサイトに描いてあったわ。確か封印したとか書いてたな。
え?その残滓ってことは封印されてなくね?
「いやいや失礼な封印したよしっかりと。俺もその作戦には参戦していたし。そこは保証するよ」
「そうですか。それじゃあ何でその残滓が僕の体に入ったんですか?」
「ああ。それがね。封印したけど。封印する前に吸収王は自分の力の一部を散らばしたみたい。一応そのうちのほとんどは消滅させたけど。運よくその消滅から免れた力が偶々君と出会い君と融合した。もちろん普通ならば人間が吸収王と融合とかありえないけど。君は結構異常で特異体質の人間だった。まあ、簡単に言うなら凄く吸収王と体の相性がいい&吸収王に乗っ取られないレベルの異常なまでの精神力があった。いやはや凄いね。褒めてあげるよ。凄い凄い」
凄く楽しそうに青年は笑う。いや。僕は何も楽しくないんだが。つか吸収王と体の相性がいいのは分かるが。僕の精神力が異常ってのビックリだわ。
まあでも確かに普通の人とは違うかもな。色んな経験をしてきたし。
「うん。そうだよ普通の人と違うよ。まあとにかく。君はその吸収王の残滓を完全に取り込み自分の物にしているという訳さ。まあ凄いね。もちろん君が吸収王の残滓に取り込まれる可能性もなくはないが。まあ余程滅多なことが無い限りは大丈夫そうだよ。よかったね。ほんでまあ後説明しないといけないことは。そうだな君の力に使い方についてかな?」
「使い方ですか?」
これは僕が知らない使い方がある感じかな。
「うん。そうだよ。君の知らない使い方があるよ。まずその力の本質は吸収。全てを吸収して自分の物にするという物だ。君はその能力が使える。だから君は怨霊(仮)なんて呼んでいる、死霊という死んだ人の魂の残滓を吸収し。霊力が増えた。君が自覚している身体能力の向上なんてものはお飾りのような物だ。おまけだ。重要なのは霊力だ。霊力ってのは大雑把に説明すればありとあらゆる力に変換できる超万能な力だよ。霊力が多ければ天変地異を起こすことも人を蘇らすことも出来る。まあこれは極端な話だけどね。でも今の君の霊力は、あの学校にいた大怨霊と呼ばれるかなりの化け物を吸収したことで普通の人の何千倍、いや何万倍にまで膨れ上がった。後それが1000倍まで増えれば、僕がさっき言った天変地異も死者蘇生も思いのままに出来るようになるよ」
少し笑うような感じでおっちゃらけながらそう言われたが。思う。僕霊力の使い方知らないと。
宝の持ち腐れにも程が無いか?猫に小判、豚に真珠ではなく無知者に霊力ってか?いや?なんか違うな。つか自分でも何を言ってるのだろうか。まあいいや。何かそういうの考えちゃうやん。
「あ。やっぱりそう思うでしょう。そう君は霊力の使い方を知らない。完璧なる宝の持ち腐れ状態さ。でもそうだな霊力の使い方、本来ならば教えるのに100万は貰わないと割に合わないレベルの超貴重な情報だけど。サービスするって言ったし霊力の知覚を少しの間だけさせて上げる。感謝してよね」
そう言って僕のおでこに触れた。その瞬間だった。
世界が変わった。
いや。違う。世界に存在する霊力という恐るべき力を知覚してしまった。
「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
そして彼が僕のおでこに手を当てて笑っている。彼を見た瞬間に激痛が走る。
いや。激痛もそうだが。恐ろしい怖い化け物・圧倒的格上の格上の格上の格上の格上の格上という頭のおかしくなるような感情が同時に津波の様に襲いかかる。
そして僕が見たのは。天だ。
天を貫くような恐ろしい量の霊力だ。
この人ならばさっきいった天変地異も死者蘇生も出来るのではないか。そう思わせるほどの霊力を見た。
というかこれが本当に霊力なのか。ひたすらに太く大きく建物を突き破り空高くまで伸びる濃い湯気のようなオーラのような物。
自分のを知覚してみるが。あるのはせいぜいこの部屋の2メートルくらいに届くか届かないかの小さな霊力。
弱い弱い弱すぎる。何だこれはゴミみたいだ。
「いやいや。弱くはないよ。十分強い。俺が規格外過ぎるだけで。さてとじゃあ知覚タイムは終わり。あまり知覚させ過ぎると君が壊れちゃうかもだしね。ハハハ」
そう言って僕のおでこから手を放す。
その瞬間視界がいつもの世界に戻った。
「一応さっきの感覚を思い出せば霊力をある程度は知覚できるようになると思うよ」
そう言われたので、少し目を瞑り霊力というものを意識してみる。
するとさっきほど鮮明ではないか。少しか細い糸の様な霊力が分かる。
「これが、霊力?」
「そう。それが霊力だ。その霊力を使えば基本なんでも出来るから、じゃあ、もう帰って良いよ」
まるで子供が玩具に飽きたような感じでそう言われた。しかし。僕はもっと色々と聞きたかった。というか情報が欲しかった。
僕はこれからどうすればいいのか?強くなればいいのか。怨霊とか死霊を吸収して大丈夫なのか?陰陽連は何者なのか?そしてこの人は一体何者なのか?人間なのか?ってヤバいそういえば心の声聞けるんだった。でも。知りたい、情報をもっと知りたい。自分の為に。自分の身を守る為、より強くなるために。情報は大きくて偉大なる武器なのだから。
「うん。泰斗君は情報の大切さが分かってるねえ。じゃあそうだね。その情報に対する熱き思い胸打たれたという事で一つ賭け事をしないかい?」
いきなりそう言われた。
「賭け事ですか?」
「そう賭け事。といってもルールは超絶簡単。僕が誰なのかを当てることさ。流石にノーヒントだと難しいし。ヒントを上げるとすれば泰斗君が最近喋った異性の身内かな?制限時間は10秒外したら罰として一日中おならが止まらなくなる呪いをかけて上げる。もちろん泰斗君が勝てば情報をいっぱい教えてあげるよ」
うわ。罰が絶秒にというか何とも言えないレベルで嫌がらせだな。
しっかし、この賭け事中々に面白いな。
でも。これもしかしたら僕の勝ちかもしれない。
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