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始まりの物語 5

 そうして学校が終わり、部活の時間となる。

 というわけで部活動で取り敢えず川岸さんについて調べ始めた。

 情報としていくつかの方法を試す。川岸さんのフルネームを入れて検索する。ありがたいことに幾つかヒットした。そっからTwitterやインスタグラムといったSNS系統のものも含み洗いざらい確認していく。


 1時間ほど調べたが見つからなかった。同姓同名の違う人だった。


 次は陰陽師について知らべるが、まあゲーム系統がほとんどを占める。後は胡散臭そうなものばかりだ。それでもあるかもという可能性を探して調べ続ける。まあ、でもほとんどが外れだ。


 そうすると何となく僕の心に火が付いた。そっから僕は本気で集中をして徹底的に調べ始めた。


 でまあ、結論を言えば2時間ほど頑張ったが結局分からなかったです。

 どれだけ探しても川岸さんに繋がりそうなものは出てこなかった。一応これでもネットなんかで物事を調べるというのは結構出来る方だけど。無理か。もしも陰陽師的組織があってそんな簡単に情報を公開するわけがないか。

 まあ、一応それっぽい物というか、まあ超胡散臭い陰陽連っていうサイトを見つけたけど。川岸さん名前は見つからなかったしね。多分誰かがふざけて作ったサイトだろう。それにしてはやけに手は凝っていたけど、まあそういう愉快犯もいるやろ。多分。


 そうしてふと周りを見渡したら誰もいなかった。

 まあ、当たり前だ。僕の部活は基本1時間あれば終わる簡単な部活だ。やってる内容としてもワープロ練習といって文章を打つだけだしな。


 しっかし。メチャクチャ集中していたな。

 皆が帰ってるのに気がつかないなんて。まあいいや、家に帰ろ。

 でも、その前に面倒だが職員室から鍵を貰ってこの部屋の戸締りをしなきゃな。ああ、面倒くさい。まあ絶対にやらなければならないしやるか。それに最後まで残ってた僕が悪いしね。


 そっから歩いて2階にある職員室に行き鍵を貰い5階にある部室の鍵を閉める。どうでもいいかもしれないが。今の時刻はもう7時を過ぎた頃、職員室には数人しか先生がおらず。教室にはだれもいなかった。多分運動部は外でまだ部活をしているかもしれないが、まあ少なくと、この校舎に残っている人はほとんどいなかった。


 そっから。鍵を職員室に返しに荷物を持ち階段へと向かう為廊下を歩き始めた。

 その時だった。

 教室に人がいた。


 いや。まあ学校なんだし人がいてもおかしくはないのだが、その人がおかしかったのだ。

 もちろん靄はかかっていない、だが、その姿が異常だった。というか人間の姿ではあるが。その身に纏っているオーラが雰囲気が存在感が人間であるというのを否定した。そう例えるのならば圧倒的な力を持った高次元の化け物だ。


 服はまっ黒で髪もまっ黒かつ異常なまでに長く地面についている。顔はそんな髪に隠れて見えていない。身長は恐ろしいことに2メートル以上はあった。


「ねえ、君嘘をついたことがあるかい?」

 そう不気味な声で僕に質問をしてきた。

 僕はその質問に対して、何故かこう答えてしまった。


「はい。私は嘘をついたことがあります。平気で嘘をつく人間です。どうぞ裁きを」

 と。


 もちろんそう言うつもりは一ミリもなかった、しかし、言ってしまった。否、言わされてしまった。多分あの人の、いや化け物に呪いでそう言わされてしまったんだ。


「そう。じゃあ殺さないとね」

 化け物はそう言ってゆっくりと僕に近づいてくる。(壁はすり抜けれます)

 僕は逃げなければと思った。でも足が震えて逃げれなかった。そこにあったのは恐怖だった。

 圧倒的な恐怖だ。この化け物が怖くて怖くて恐ろしくて、しょんべんを漏らしそうなくらい恐怖していた。というか少し漏らした。


 何をしても殺される。どれがけ足掻いても殺される。必死に抵抗しようとも殺される。今この化け物に挑めば一瞬で殺される。慈悲もなく人が蟻を踏み潰すかのように簡単にあっけなく殺される。


 殺される。殺される。殺される。殺される。殺される。殺される。殺される。殺される。


 僕は今日死ぬ。


「ああああああああああああああああああああ」


 僕は叫んだ。恐怖を紛らわすために叫んだ。

 幸いここは5階だし、2階にある職員室までは大分距離があるから多分聞こえてはいないと思う。

 だから更に叫んだ。恐怖を紛らわすため自分を鼓舞するために。


「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ」

 化け物が急に笑い出した。


 そして喋った。


「オマエナラバ、コノ、チカラヲ、ウケトメレルダロウ、ソシテ、ワタシハ、ヨウヤク、カイホウサレル」


 と


 まるで必死に何かに抗いこらえるかのように絞り出すかのように片言でそう言った。

 そして僕の左腕に自ら触れた。

 その瞬間その化け物の身体を僕は全て吸収した。


 そして僕の身体に想像を絶するほどの快楽が、いや痛みがひたすらに襲いかかってくる。


 声は出なかった。


 余りにも痛すぎて辛すぎて、何も言えなかった。身体が焼けるように熱く。頭は異常なほどの情報をぶち込まれて激痛で狂いそうなほどの痛みが駆け巡る。

 そっから、全ての細胞が悲鳴をあげる。

 まるで僕が僕でなくなるような感覚が襲いかかる。


 痛みで気が狂うとか、そんな生易しいレベルを超え、痛みの限界を迎えた僕は意識を失った。


 ・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・


「オキロ」

 そう頭の中で声が響いたような気がした。

 そして僕は覚醒した。


「知らない天井だとはならなかったな。何だかんだでよく見る学校の天井だ」

 僕は慌てて時計を確認する。

 時刻は7:30となっていた。

 ようは僕はそこまで長い時間気を失ってはいなかったということだ。

 なるほどね、しっかしあれは一体何だったのだろうか。

 僕はそう疑問に思った時だった。


 急に全てを理解した。

 いや全てを理解したとは言い過ぎかもしれないが。少なくともあの化け物、いや哀れな呪いの化け物については分かった。


 あれは、この学校にいる女子の嘘という悪感情の集合体だ。

 こんな事を言ったらあれかもしれないが。女子というのは結構平気で嘘を吐く。

 といっても、その嘘は話を合わせる為であったり、物事を円滑に進める為で合ったりの良い嘘がほとんだと。まあ、そう信じたい。


 ただ、偶に恐ろしい嘘を吐く。


 心の中では可愛いと思ってないのに同性を可愛いと言い、あんだけ仲良く喋っていたのにその人がトイレだったり用事だったりで席を外すと、その人に悪口を平気で言いだす。話題作りの為に誰々が付き合ってもないのに付き合ってると言い。知らないのに互いに好意を寄せてると嘘を吐く。

 そう言った。嘘が集まって出来たのがあの化け物だ。

 最初はそこまで大きくなかったが、ここは学校だ。それも7割が女子という高校だ。毎日のように嘘が吐かれる。

 それらを吸収して吸収して吸収してって気が付いたら恐ろしく大きな強い存在になってしまった。

 しかし、あの化け物はなんの因果が神のいたずらか、自我が宿った。そしてその自我は優しかった。

 人を傷つけるのを嫌い、怨むのを嫌った。

 しかしながらその身は呪いの化け物である。いくら人に危害を加えようとしなくてもその力からどうしても加えてしまう。更に言えば。日々嘘が積み重なって強くなる自分の力に自我を失いかけてきた。


 そんな中僕に出会った。僕に左腕を見て直感的にそれが自分を解放する道だとかすかに残っていた自我で理解し、触れた。

 そして僕に吸収された。


 これが僕が理解した内容だ。


 いや違う、もう一つあった。それは僕が受け継いだ能力だ。

 その能力というのは【嘘審判】だ。


 この能力は恐ろしく役に立つ。

 この能力は効果が三つあった。

 一つ目は、相手の言葉が嘘かどうかを判断が可能な能力だ。

 二つ目は、どんな場面であれ相手に対して強制的に思っていることを正直に話させる能力だ。

 三つ目は、自分に対して嘘をついた相手に対して、嘘の度合いに応じで罰を与えられる能力だ。罰は結構自由度が高く。単純に不幸にするとか。足の小指をぶつけるとか。いきなり金縛りにあうとか。結構色々と可能である。


 正直言って馬鹿強い。強すぎる。

 今すぐ実験したい欲求に駆られるが時間も遅いし。ぐっとこらえ、鍵を職員室に返してから家に帰る為、靴を履き走り出した。


 そして気がつく。

 恐ろしいまでに身体能力が向上していることに。

 信じられないかもしれないが、僕は走っていた車よりも早く走った。

 多分その車の時速は40くらいはあったと思う。


 つまり、今の僕は10秒程あれば100メートル以上簡単に走れるという事だ。

 いやいやいやいや。世界新記録行けるぞ。ヤバすぎだろ。


 確実にあの化け物が原因だな。


 まあ、まともに戦っていたら確実に僕は殺されていたと思うほどの化け物だったからな。今回は向こうから僕の左腕に触れてくれたから良かったけど。もしそうじゃなければ僕は確実に殺されていたな。怖い。怖い。怖すぎる。今回は凄く運が良かった、普通ならば死んでいた。もっと僕は強くならなければなならない。じゃなければ死ぬのだから。ああ、なる程ライトノベルの世界の人たちもこんな恐怖を味わっていたのかな。といっても創作物だが。

 ハア。今死ぬのは嫌だ。絶対に嫌だ。老衰で楽に死にたい。どうにかしてもっともっともっと強くなろう。


 まあいいやでも今何考えても仕方がない。早く家に帰ろっと。

 そして僕は家に帰って、いつもの様にラノベを読みご飯を食べて風呂入ってラノベを読んで寝た。


 因みに僕がいつもより遅く帰って来たことに一応は心配してくれたがそこまで気にしはしなかった。まあ遅い言っても8時前には帰ってこれたし。僕も何だかんだで高校生だしね。そこまで両親過保護じゃないよ。


 ――――――――――


 補足説明

 この小説の主人公は作者です。

 いや、何を言ってるんだと思うかもしれませんがそのまんまです。

 この小説の主人公もとい彩香氏 陰晴は性格も思考回路も特技も人生も作者自身を照らし合わせて作っています。

 今現在高校生の私がもし、自分がこんな力を手に入れたらどう生きるか、そして何を成し遂げるかを考えて作りだした作品です。

 一応この主人公の性格というか設定はこんな感じです。


 名前

 彩香氏 陰晴 年齢17 性別 男 高校2年生

 ライトノベルが大好きで土日はほぼ必ず古本屋に行きライトノベルを買いあさる。

 本当は新品本を買いたいが高校生のおこずかいでは限度がある為泣く泣く古本で我慢している。

 小学生の時は虐められて少々ひねくれていたが、ライトノベルに出会い自分を客観視出来るようになり。精神も落ち着き、虐めから見事脱却できた。まあ小学校・中学校から卒業しただけなんだけど。

 いくつかトラウマを抱えており。怨んでみる人及び塾がある。

 小学校の時、女子生徒をさん付けで呼びなさいというよく分からない校則があったため、心の中でもさん付けをし話す時もしっかりとさん付けで喋る。

 物事を考えすぎる節があり、それでたまに痛い目を見る。

 アレルギー体質でフルーツ類が食べれないのと。ハウスダストアレルギーで結構苦しんでいる。ただ。後々気が付くが主人公の得た謎の能力の効果でアレルギーがいつの間にか消えている。

 少し記憶力が悪く。よく人の名前を忘れたり言い間違えたりしてしまう。

 あまり自分をいい人間だとは思っていないが出来る限り自分が助けれそうだったら人を助けたいし救いたいと思っている。ようは偽善的な考え方。

 虐められていたせいか、はたまた元々そういう人間だったのかは分からないが。どこか狂っている。

 ようは少しサイコパス気質。といってもそこまでサイコパス感はない。

 ホラーゲームとかホラー映画が平気。ただ好んで見たりはしない。グロ画像とか見ても平気。こちらも好んで見たりはしない。

 ライトノベル大好き漫画大好きのオタクなので結構そういうのには詳しいし。憧れがある。危険だと分かっていても中二病心からか突っ込みたがる時がある。

 基本自分の欲望に忠実。

 寝ている途中に無理やり起こされると非常に機嫌が悪くなる。

 家族とは上手く行っている。


 ――――――――――――――――――

 更なる補足説明

 今回出てきた化け物について。

 正式名称は【話嘘呪・女禍鬼(ワウジュ・メガキ)

 100年以上存在している大怨霊・主人公の通う高校は創立120周年であり、その高校が出来て20年目の時に生まれた怨霊・本来ならばすぐに人に危害を加えて、発見、学校側から陰陽師へ依頼するか。生徒が依頼をして除霊される。最悪被害が大きくなると陰陽師自ら動き確実に除霊される。

 それが何の因果か神の悪戯か。心優しい自我を宿してしまい。人を100年も襲わないという偉業を成し遂げた。ただ。その分100年間もの間。何万・何十万を超える様々な人間、主に女性の嘘と悪感情が溜まり、溜まり。化け物という言葉が生温く感じるレベルの膨大な力を手に入れた。

 もしも。主人公に出会っていなければ。その力に耐え切れずに自我を失い、除霊されるまでに何万という犠牲を出していた。

 主人公は気が付いていないが。【嘘審判】以外に【大衆操作】に【空間操作】に【精神操作】に【鬼化】に【気配削除】という5つの能力を保有しており。まだ主人公の力が弱いため能力が解放されていないが。主人公が成長していくたびに能力が解放されていく。

 因みに化け物の自我と力が強すぎたため主人公の右目の方に自我が宿ってしまっているが。まだ主人公が弱いために出てくることが出来ていない。これまた主人公が強くなると出て来る。

これで今日の分の更新はお終いです。

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