表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/19

始まりの物語 4

 そして、僕は部長に今日早退することを告げて、走って事故現場を周った。

 今日は行ったというか行けた場所は全部で4つの事故現場だ。

 この4つともに怨霊(仮)はしっかりといた。

 一つ目と二つ目は雪かき中に不幸にも屋根から雪が落ちて死亡してしまった人だ怨霊(仮)だ。

 やはりというべきか僕を見るなり雪かき用のシャベルを手に持ち襲い掛かってくる。

 まあ、言うてもそこまで早いわけでもないので、ゆっくりと落ち着いて対処すれば問題はないのだが。

 実際にヒョイっと避けて、左腕で雪かき用シャベルに触れて吸収してそのまま怨霊(仮)を完璧に吸収した。やはりというべきか初めて怨霊(仮)を吸収した時よりも快楽は少なかったがしかし、それなりに良い心地にはなれた。まあ、これはあくまで予想なのだが、何事も初めてが一番感じやすと言うし、段々と慣れてくるものだ。多分あの一回で身体が怨霊(仮)を吸い込むのに慣れたのだろう。


 まあ、それはいい。ただそんなことよりも一つ大きな発見が合った。

 まあある意味では当たり前というべき発見ではあったかもしれないが。かなり重要な発見であった。その内容とは。怨霊(仮)は人には見えないが物理的干渉能力を持っていたということだ。

 何故そう結論を出したかというと、僕が雪かき用のシャベルを避けたときにそのシャベルが雪の積もった地面に激突した。

 そんで、その部分の雪が削れた。つまりそういうことだということだ。

 ということはだ、この怨霊(仮)も物理的干渉を受けるのかと思い。雪玉を丸めて投げたら、当たった。

 この情報は結構大切なというか中々タメになる情報であった。

 まあ、といっても、今のところは左腕で怨霊(仮)に触れば終わりという超絶簡単なゲームなのだが。でも、それはつまり怨霊(仮)は他の人間に危害を加えようと思えば加えられるということだ。怨霊(仮)の姿形は普通の人には見えないし。普通の人が近くに通っても襲いかかるとかはしていない。多分止そうとしては霊感とかそういうのある人を襲う的な感じだろう。理由も多分あるあるから考えて霊感ある人は乗っ取れるとか、食べたら成長できるととかそんな感じだろう。まあ、ぶっちゃけ今の僕に必要な情報じゃないな。

 さてと、少々話が脱線してしまったな。話を元に戻そう。

 僕がまあ、向かった4つの事故現場、うち二つは雪かき中に不幸にも死亡した人だ。

 残りの2つは、まあ。これも中々どうして不幸な死に方であった。

 一つ目は車に乗っていて、雪が積もって、それに気が付かつかないまま寝てしまい。通気口が塞がり一酸化中毒で死亡だ。


 向かってみると、車がポツンとあった。


 近寄ってみると、異様な臭いがするとともに気分が悪くなった。

 つまりどういうことかというと、ようはこの車から多量のガスが発生しているという事だ。ただ。近寄ったら分かるが、近寄らなければ何も感じなかった。ついでに言えば一切動きすらもしなかった。なので。少し離れて助走をつけて息を止めて、思いっ切り走って。左腕で車体をパンチした。


 車体はみるみるうちに僕の左腕に吸い込まれていき。

 やがて、全てを吸い込み終わった。そして僕にあの快楽が襲いかかってきた。

 二つ目はホワイトアウトに合い、急に視界が真っ白になった車が電柱に激突し死亡した人の怨霊(仮)だ。


 こちらも。さっきと似たような感じで車が鎮座しているだけだった。

 ただ、場所が問題だった。

 場所が車通りの多い道路のど真ん中なのだ。流石の僕もその中に突っ込むという事はできず。泣く泣く諦めた。


 ――――――――――


 でまあ、結論を言えば、僕は今回3体の怨霊(仮)を吸い込む、吸収することに成功した。

 おかげで。身体能力も更に上昇した。今ならばクラスで一番運動神経の良い奴と良い勝負が出来る気がする。まあ、あくまで気がするなのだが。でもこの気がするは当たっているだろう。


 取り敢えず最近事故死した人はこれで終わりだ。

 他となるとかなり遠くに行かなければならない。なので取り敢えずは終わりだ。滅茶苦茶不謹慎かもしれないが誰かが事故死するまで待つしかないということだ。

 というわけで、さてと、家に帰りますか。


 ――――――――――


 その後。

 僕は家に帰ってラノベを読み漁り夕飯を食べて風呂に入りラノベを読み漁り寝た。

 そして朝早く目を覚ます。目覚めは凄く良かった。多分怨霊(仮)を吸収した恩恵だろう。

 それから学校に行く準備をして走って学校に向かう。身体能力と体力がかなり上がったおかげで簡単に学校に着く。

 そっからいつもの様に席に座り本を読み始めていた時だった。

 急に川岸さんが僕の方に向かってきた。

 そして無言で一枚の紙を渡してくるとそのまま無言で自分の席に戻った。

 一体?どういうことだ。


 そう思いながら僕はその紙を見ると字が書いてあった。

 その内容は凄くシンプルかつ、反応に困るものだった。


 明後日の土曜日・お墓公園の近くにあるグレーリーという名前の廃ビルの4階に一人の来い。


 これだけだ。

 これだけが書かれていた。

 僕はどういう意味か分からず、席を立ち川岸さんにどういうことか聞きに行った。


「あのう。川岸さんこれってどういう意味ですか?」

 僕は川岸さんが美人ということもあり少々緊張しながらそう言った。


「そのままの意味だ。行きたくなければ行かなければいい。だけど、行かなかったらお前死ぬことになるぞ」

 そう、事務的に淡々と言われた。


 ・・・・・・・・・・・・


 は?

 待て待て待て待て。待て待て待て待て。行かなければ死ぬことになるって、え?どういうことですか?


「あのう、すみません、どういう意味でしょうか」

 僕は再度聞き返す。


「知らん。いや。正確に言えば詳しくは知らない。知りたければ来いということだ」

 またもや事務的に淡々と言われた。


 いや、だから答えになってないって。

 でも、あれだなこれ以上なんか言っても無駄そうだし。一旦諦めるか。

 僕はそう考えて自分の席に戻る。

 席に戻ったら考える。

 どうして。川岸さんがそんなことを言ったのかを。

 そして一つ思い当たることが合った。

 それは僕のこの力だ。突如として手に入れたこの力。これがどういうものか僕はまだよく理解していない。でも確実におかしいものではあると思う。だってそうだろう、怨霊(仮)を吸収して強くなれる力だ。意味が分からない。

 で。まああの口ぶりからしてもしかしてだが川岸さんは陰陽師とかそういう系統の人間ではないだろうか?

 ライトノベルや漫画ではあるあるメジャーの陰陽師、そんな、陰陽師がこの僕の住む世界にいても何ら不思議はない。だって、僕はもうそれ以上の不思議と遭遇しているのだから。


 となると。川岸さんは僕のこの力について知っているということか。でも。そらならばここで話せばいいのに、何か話せない事情が、いや、待てそういうえば詳しくは知らないと言っていたな。

 じゃあ、僕のこの力について知ってるのは川岸さんではなくその関係者もしくは上司とか?

 そうかもしれないな。でも何で指定場所が廃ビルだ。


 ・・・・・・・・


 分からん?

 僕はそこに行ったらどうなるんだ?


 ・・・・・・・・


 うん。思い当たる考えは4つかな。


 一つは、僕のこの力について教えて貰える。

 二つは、僕のこの力を奪い取られる。

 三つは、僕のこの力が封印される。

 四つは、僕が殺される。


 まあ、こんな所かな、僕としては力について教えて貰えれば一番ありがたいが。なんとなく、二つ目と三つ目の可能性が高い気がするんだよな。


 流石に四つ目はないと思う。まあ、あくまで川岸さんの言い方からしてだが。まあ詳しくは知らんし考えるのは面倒だ。というか今のこの情報では答えなど出ない。出るわけがない。

 取り敢えず今日一日無難に終わらせますか。そんで家に帰ってか部活動当たりでネットという便利なものを使って情報集めでもしよう。


 幸いな事に僕はそういうのは得意だしね。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ