始まりの物語 1
気に入っていただけると幸いです。
僕の名前は 彩香氏 陰晴。17歳の高校2年生だ。
家族構成は共働きの両親にバスケットボール部でブイブイ言わせている3つ程年下の妹が一人だ。
多分、探せばどこにでもいるだろう家族構成だと思う。まあ、名前は少々独創的ではあるが。まず苗字の彩香氏。これは、まあそのまんまで「あやかし」と読む。うん、一体どういうあれでこんな苗字が付いたのか本気で謎やわ。僕のご先祖様は何をしたのだろうか。陰陽師的なあれでもしてたのかな?いやそんな話聞かんし調べても出てこないし。マジで分からない。まあいいけどさあ。結構気に入ってるし。
ほんで陰晴の方は。こちらも。まんまで「いんせい」と読む。因みに両親に名前の由来を聞いたら、陰だろうと日の当たる陽の所だろうと何処でもしっかりと強く生きれるようにという願いが込められているらしい。後はその時に両親が買っていた、名前で人生が決まるという本に僕の誕生日的に漢字2文字かつ対になる言葉が良いって書いてあったからというのもあるらしいが。うん。常識的に考えてそれでよく名前つけたな僕の両親。
まあ、別にというかそれなりに、いやかなりこの名前は気に入っているし良いんだけど。
そんな、少々独創的な名前を持つ僕の人生は何ともまあ、ありふれてありふれて、何だかんだで楽しくそれなりにと言っていいのかは分からないが充実したものではあった。
まあ。そりゃ少々問題や挫折、具体的には小学校・中学校の時に虐められてたりとかは、あったはあったが、全体的に見れば似たような経験をしてる人はいっぱいいると思うし。多分大人になればというか成長するにつれてそこまで何も感じなくはなるだろうなと考えている。
実際に今はそこまで気にしていないしね。まあそこまでであって、実際問題で言えばたまにフラッシュバックして殺意が沸くようなことがあるけどね。まあ、でも復讐しようとは思わない。いや、正確に言えば復讐できる力があるのならば復讐するけど。正直そんな力が無いというのが正しいと思う。
これは、何というか諦めだ。僕を虐めてたクソ野郎の名前は分かる探せばその人の今通っている高校も分かるだろう。でも、正直に言えば今更虐められてたと喚いても何にもならないし。小学校中学校の時の先生もまあ保守的かつ頭にお花畑が咲いている先生が結構多かったので、一切解決せんかったし今更どうこうというのはもはや馬鹿らしいの一言に尽きる。というわけでピエンだわ。うん何を言ってるんだろ僕は。でも実際問題そんなものさ虐めというのは、虐めをする奴は将来ろくな大人にならないと先生はよく言うけれどそんなことはない。むしろ虐められて不登校になってニートになったり、最悪自殺したりと虐められている人の方が不幸になり。虐めをしている人は虐めによってストレスを解消出来たりして勉学に運動に励める、そうして大人になるにつれて虐めが悪いこと、というよりも虐めを行った場合のリスクを理解するからしなくなる。だって俺の周りの友達に虐めをやってた奴はいるのだから。そんでそいつは高校生活上手くやれてるのだから。本当に笑えるよ。しかも本人は虐めをして形だけで謝ったからいいとかいってるしね。いやはやいやはや謝罪何て意味ないというのに。
そんなこんなで、小学校・中学校は虐めのリスクはほぼゼロだ。何なら先生が隠ぺい工作に手を貸してくれることすらある。まあ実際あったしね。もちろん。全部が全部そういうわけではないと思うが少なくとも今の日本の学校の仕組み的に虐めが無くなることもないし、虐めによって不幸になる人幸福になる人は永遠に出続けるだろう。
というわけでまあ、長々と語ったわけだが、僕自身としては。中学1年生の時に父親からスレイ〇ーズというかなり昔のライトノベルを貰い。読み、ライトノベルというものにがん嵌りして。ライトノベルを趣味として、結構楽しい毎日を送っているからいいのだけれど。
虐めからは中学校で脱却できたしね、いやまあ卒業したからってだけかもだけど。もしくはライトノベルのおかげで精神的に成長して虐められない立ち回りを覚えたからかもね。ライトノベル万歳ライトノベルは神。僕の中学校の時の虐められ仲間も元は不登校だったけどとあるライトノベルがきっかけで不登校から脱出したしね。つまりライトノベルはいじめ問題に不登校問題を解決させる万能本と。
マジで超偉大だわ。学校の教科書に乗せるべきだわ。むしろテストにも出していきましょう。まあ、無理だろうけど。それでも僕はライトノベルがもっと世に認められて教科書に載ることを祈るよ。
まあ、そんな僕は、これまた当たり前の話ではあるが。高校に通っている。
通っている高校は。これまたどこにでもありそうな商業高校だ。
強いていうならば、男女比率が特殊で女7・男3という所だろうか。といっても。モテるとかそういうのはなく、クラスにいる数少ない男子共で彼女持ちは一人か二人だし。それも、他校の人だったりするから。まあ、別に女子が多いから男子がモテる訳ではない。女子の方の彼氏事情はよく知らない。いやまあ多少は耳に入るけどさあ。まあもちろん中にはパパ活してたり、股かけてたりとか笑えない人とかいるので出来る限り関わらない様にしているってのはある。というか面倒ごとは嫌いなので関わって巻き込まれたくない。
因みにどうしてこの学校に来たかというと女子が多い方が嬉しいからだ。以上。ぶっちゃけ男子よりも女子の方が多い学校で授業受けた方がいいからだ。後は普通にモテたかったってのもあるモテなかったけど。後はまあ真面目に商業系統に興味があったというのもある、アイデアを考えるのとか好きで得意だったからかな。
でまあこれは蛇足かもしれないが、僕としては最近というべきか何というか別にモテなくてもいっかって。彼女とかどうでもいっかって気分になってきてはいる。まあ、人並にというべきなのかどうかは悩むものであるが性欲はある。まあ男子高校だしね。そりゃ、まあね。ありますよ性欲。ただ別に彼女欲しいとかは思わない。いや。どちからというと諦めに近い物なのかもな。僕に彼女が出来てリア充ライフを送るというのが想像できないって感じかな。だから別に要らないかなって。
うん。諦めだな。諦めてるわ。彼女が出来る、作るという物を諦めてるわ。正直に言えば高校生になれば自然と彼女が出来るものだと俺は思っていた。
そんなのはもちろん甘い考えなわけで、自ら自発的に彼女を作ろうと動かなかった僕が彼女なんて出来るわけがなく今更彼女を作ろうと躍起になって動くのも何か恥ずかしく。というわけで色々ごねたけど結論は彼女を欲しいと思いませんというか無理です。ただ可愛い女子と喋ったりしてると嬉しくなります。
でそんな煩悩にまみれた僕はまあ、嫌々面倒とぶつくさ言いながらいつものように学校に向かっている。
基本的に僕は自転車通学なのだが、今は1月ということで雪が降り積もりとてもではないが自転車を走らせれるような状態ではないからな悲しいことに。まじで最悪だ。まあ、そんなわけで基本的にパソコン部という部活で活動をして運動嫌いの僕からしたら歩くというのは本当に苦痛で大変なわけですよ。
マジで雪降ったら学校休みにしてほしい。いや無理なのは分かってるけど。それでもねえ少し学校の開始時刻遅くするとかして欲しいは。マジで本気で。それくらいの融通は効かせて欲しいですお願いします先生様。教育委員会様。お国様。
ナムナムナムナムナムナムナムナムナムナムナムナムム。
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そんなわけでまあ嫌々、面倒だとブツブツ呟きながら僕は無理やり足を進ませながら学校へと向かっていた。
そうして歩いている時だった。
目の前に黒色の球があった。
しかもそれは宙に浮いていた。
敢えてもう一度言う。
宙に浮いていた。
意味が分からない。いや、何だこれは新しいドローンか?それとも子供の玩具か?
そんな誰にでも考えれそうな事を考えながら僕は特に深く考えずに黒色の球に左手で触れてみた。しっかり触れたという感触はあった。そうしてからいきなり件の黒色の球が僕の左腕に吸い込まれた。
そして、そのまま跡形もなく消えた。
・・・・・・・・・・・・・・
意味が分からない。
僕は夢でも見たのだろうか?
それともライトノベルの読み過ぎで幻覚でも見たのだろうか?
うんいや、流石にそれはないわ。一応至って健康かつ元気な僕が、そんな盛大な見間違いをするとは思えない。滅茶苦茶寝不足というわけでもないし。
というか、もし仮に僕がそんな見間違いを真面目にしていたら大問題だ。今すぐに脳と眼球の異常を疑って病院に駆け込んだ方がいい。ほんで精密検査を受けなければならない。
ということは、本当の本当にあの謎の黒色の球は存在して僕の左腕に吸い込まれたという事か?いや、それも不自然かつ有り得ない話だ。
あの黒色の球は少なくとも大きさ的には30センチほどはあった。
それが僕のこの鍛えられていない細腕に入ったと?
冗談もたいがいにしろって話だ。
そんなことはあるわけがない。というか質量保存の法則とか考えたら有り得ない。言いきれる。絶対にありえない。
じゃあ?やっぱり僕の勘違い幻覚か?いやでも僕は確かにあの黒色の球を見た。じっくりと見た。何度も言うが見間違えということは考えにくい。何なら触ったし触ったという感触もあった。
・・・・・・・・・・
分からない?本当にどういう事だろうか?
そういえば、僕の左腕はどうなっている?
僕は自分の左腕を確認してみる。
何ともなかった。
本当に何ともなかった。運動してないせいか少々、普通の人よりも少ない毛と、いつも長袖を着ているせいでそこそこ白い肌。
ようは何が言いたいかというと、そこにあったのは、毎日見ている自分の左腕だったということだ。
・・・・・・・・
本当に意味が分からない?
そうやってひたすらに考えている時、ふと、というべきか、偶然というべきか。
左腕に父親が買ってくれた頑丈さが売りかつ太陽光充電システム搭載で雨にぬれても、何なら海につけても大丈夫な2万円する時計が目に入った。
そこには数字でこう記されていた。
8:10
と
僕の学校の遅刻タイムは8:30だ。
そして、僕の今の位置的に学校まで普通に歩いたら30分はかかる道のりだ。
・・・・・・・・
僕は自慢ではないが今まで一度も遅刻をしていない。
つまり、どういう事かというと、これからも遅刻したくないということだ。
そして、体力のない僕ではあるが遅刻せぬように全力で走った。
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何とか学校に着いた。
左腕にある時計で確認したら、8:28と表示されていた。
ギリギリセーフだ。本当に危なかった。運悪く信号に引っかかったときは絶望感で満たされ、遅刻しようかと悩んだが、諦めずに走ってよかった。本当に良かった。やっぱり諦めないのは大切だ。
そして、いつものように僕はロッカーに行き靴を校舎用のに履き替えて、4階にある教室に向かった。
教室に入ったら。いつものように鞄を後ろにある教室のロッカーに入れて、次の授業で使う教科書類を持って自分の席に座った。
「よう、雪道は大変だな」
隣に座っている友達に話しかけられた。
名前は新井という。結構気さくで良い奴だ。それなりに話も合うので結構仲良くやっている。というかやれている。
「ああ、そうだな、本当に大変だよ。昔は雪が降って喜んでいたけど。今じゃ雪なんて降るなって感じだよ」
「ハハハハ、違いない。小学生の時とかは雪遊びとかして楽しかったから、雪降ってイエーイってはしゃげてたけど、今では雪が降れば、雪かきに駆り出されるわ、学校には行きにくいわ。寒いわ。最悪だよ」
「そうだな。本当にそうだな。マジで、ああああ、学校ダリーーー、家帰ってコタツに入ってゲームしたい」
「ハハハハ、そうやな。分かるぞその気持ち。まあでも、せっかく頑張って学校に来たんだ。今日も取り敢えず頑張ろうぜ互いにな」
「そうだな。つか、新井って偶に凄いカッコイイこと言うよな」
「おいおい、偶には余計だぞ」
キンコーンカーンコーン
「はいはいはいはいはい、皆さんおはようございます」
新井とたわいもない話をしていたらチャイムが鳴り先生がやってきた。
名前は北村・裕美子という。女子は皆ゆみちゃんって呼んでいる。
男子は普通に北村先生って呼んでいる。まあ、年は40過ぎのおばちゃん先生だ。因みに独身で、テンションがめちゃくちゃ高い。
そりゃもう、異常なくらいテンションが高い。
どれくらい高いかって言うと、常に元気ハツラツで声が大きく、体育館の端から端まで軽く届くくらい声がでかい。ほんで身振り手振りが異常に多い。
まあ、正直な感想を言えばうるさくて、一番前の席の僕はよくその声量で耳がやられる。本当に止めて欲しい。
まあ、絶対にやめないだろうけど。
「じゃあ、皆今日も元気に学校を頑張っていこうね~~~、エイエイオ~~~」
うるさいわ、本当に。いやマジでうるさいわ。もう少し静かにして欲しいわ。頼むから。いや何度か頼んではいるんだけどね。全く変わらない。正直言えば諦めています。諦めたらそこで試合は終了だという名言もあるがしかし。これはまあ諦めるしかないでしょう。本当は嫌だけど。
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そっから北村先生のうるさいホームルームを耐え、普通に授業が始まった。
いざ、授業が始まっていくと、最初はかなり面倒で辛かったけど。気が付いたら、そこまでじゃなくなって。なんだかんだで授業が終わってて、ほんで、学校が終わってた。
意外と最初は面倒だけど、いざやってみるとそこまでって感じ。うん、あるあるだね。超あるある。
まあ、僕はこれを学校がある度にやってるんだけどさ。うん本当に。よくやってると思うわ。いい加減というべきか、そろそろというべきか、今更というべきか、面倒くさがらずに学校行こうとはならないのか?僕は?
まあ、多分ならないだろうね。僕はそう言う人間だ。自分で自覚している。自覚しているだけましかもしれないが。でも自覚してるならそれを直した方がいい気も、いや。自分の性格を直すなんてのは一朝一夕で出来る者でもないし非常に面倒だし。直すつもりはないっすね。うん、面倒だ。
そうして、学校が終わり部活に行き。パソコンをひたすらにカタカタカタカタして。
1時間ほどで部活は終わった。そして家に帰るために学校を出た。