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パーティから追放されましたが、正しい魔法の使い方で無双できるようになりました!


コツコツと目標のルーティーン(緊急クエストとダンジョン調査)を行い。

掲示板で募集した副業をこなして。

二か月後……


「おめでとうございます! 今回の貢献ポイントでジョサイアさんはBランク昇格ラインに到達しました。余りのポイントはBランク昇格時に加算いたします」


やっとか。

まあ、面倒事なしで、自分のペースで昇格を目指せばこんなものか。

それに……一番貢献になっているのは俺より、貢献ポイント稼ぎでもあるサポーター達のお陰もある。


I連合国のサポーターは自身の能力を活かしきれておらず。

あの珍しい火属性の薬剤師も『粉塵爆発』原理を活用したモンスターの一掃術や火薬技術をある程度、教えてやれば、あっという間に無双状態だ。


今回は、最近パーティを追放され、採取クエストなどを地味に行っていたという土属性の鑑定士をサポーターにつけてダンジョン調査を終えたところだった。

その鑑定士が感服気味に言う。


「まさか、鑑定スキルと魔法を組み合わせて、索敵から攻撃まで上手くなるなんて想像すらしなかったよ!」


「大袈裟ですよ。どれも魔法陣を使った簡単な組み合わせ。術式を暗記すれば誰でも使える技法です」


「そうだとしても……アンタ自身、あの数のモンスターを余裕で殲滅できるじゃないか。次でBランクに昇格したって聞くけど、Aランク程の実力もあるんじゃないか?」


「何も実力だけが冒険者のランクを示す訳ではありませんからね。クエストの対処が適切か、ダンジョン調査の記録や良質な素材を選び抜く裁量も必須です。その辺りを鑑定士の貴方が補えるのを強みとして、新たなパーティと上手くやっていって下さい」


「ああ、わかったよ。今日はありがとう」


こんな具合に円満なパーティ解消をして、という具合に俺は活動をしている。

昇格ラインに到達したなら、今度こそ経験値目的でソロダンジョン調査でもするとしようか。

『杖の花』を使った魔法の組み合わせとか、試したいもんがある。


って、思ってた頃が俺に一瞬だけあった。


「最近とんでもねえよな……」


「ああ、何でもAランクよりも上、Sランクのパーティに勧誘されたらしいぜ」


追放、じゃなく勧誘の方か。

ギルドの休憩スペースで噂話する冒険者の話に、俺は耳を傾けた。


「他にもAランクのパーティが優秀なサポーターを雇ったらSランクまで行けたって話さ」


「ホントかよ? サポーター共が適当に流してる噂じゃねえか??」


「いいや! 違うね。そのサポーターってのは、ちょっと目立った奴らでな。どいつも公衆の面前で追放されたサポーターなんだ。だから、すぐに噂で広まって信憑性高いんだよ」


「追放?」


「それこそマジなのか? 追放されるサポーターって大概、魔法がお粗末でアイテムボックス持ちしか取り柄ない。上級ダンジョンについてけねぇ連中だろ??」


……。


「それが色々魔法以外の知識も身に着けて、前線で戦えるぐらいの強さになったんだと! なんでも魔法陣のお陰とか」


「魔法陣? 時代遅れにも程があるだろ」


「どうも魔法が上手くない奴って、魔法陣でやった方が上手く発動する例が多いらしい」


「上位のパーティに入ったサポーター連中なんざ。魔法陣で、魔法の組み合わせを簡単にやってのけるんだぜ!」


「凄ぇな……」


「俺なんか授業さぼってて、魔法陣の事なんかサッパリなのによ」


……なんだかな。

休憩所から離れようとした矢先「あ、久しぶりじゃないか!」と誰かに呼び止められる。

俺に声かけた男は、以前追放されてた場面で、俺がダンジョン調査に誘った商人の男。

彼の存在に周囲はざわついている。


「あ、アレって特例でSランクに昇格した『商人のショーシ』じゃないか!」


「伝説のサポーター!?」


「流石はSランクパーティ……周りのメンツも大物ばかりだぜ」


商人の男――ショーシと共に行動しているパーティは華奢な衣装の女エルフに、最高級の光沢があるミスリル製の上半身鎧を纏った女性、何故かメイド服を着たおかっぱ頭少女、戦闘するとは思えない程の刺繡がされた着物をまとう獣人族の女……って全員女のハーレムじゃねえか!


こんな奴らに声かけられて俺の気分も最悪だ。

俺の心情を知る由なく、ショーシが話を続ける。


「あれから、信頼できる良いパーティに恵まれたんだ。前のパーティの奴らから戻って来い!なんて言われたが、もう遅いって突き返してやったよ」


「ああ、ソウデスカ。良かったデスネ。すみません、私は急いでいるので」


「アンタ。まだソロで続けてるのか? 良かったら俺のパーティに」


話聞こえてねーのかよ!

あと、前に俺はソロの方が気楽なのでいいって言ってたの、都合よく忘れてんのか!?

しかも、Sランクのパーティに絡まれるなんざ――


「先輩」


ってタイミングよく、偶然にか。

ギルドに入って来たミディア。俺に呼び掛けたのをいいことに「俺は彼女とパーティ組んでいるので」と念入りにお断りの意思を伝えたら、向こうも「ああ、そうだったんだな」と納得したようだ。

一先ず、ミディアと共に(半ば引きずる形で)ギルドから立ち去った。


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