表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

50/101

いっちゃいなよ!そんなダンジョンなんか!!


ハインツにああ呼び掛けたが、果たしてどう動くのか。

何かを強制して、俺に責任を取らせるような形は勘弁だからな……

俺も俺で特訓を始めている。

ジャンのアドバイス通り、ヘルコヴァーラの杖を使えば使うほど性能が向上しているのを、特訓で実感できた。

ミディアに特訓用魔導書を起動して貰い、ダミーを四方だけでなく八方からも出現する難易度に挑戦。


これはBランクダンジョンの難易度か

だが……

ヘルコヴァーラの杖より放たれる光速解析と魔法が『杖の花』より一斉発射。

ダミーの中でもデカブツがいる。

俺自身に『ホーリークイック』を付与し、デカブツダミーの攻撃を回避、魔力を十分吸収させた杖で薙ぎ倒す。


そんな感じで、ノーダメージクリア。

魔力の消費量もまずまず……もう少し、俺自身がレベルを上げればBランクダンジョンのソロも行ける筈だな。


「先輩。どんどん強くなってる……」


ミディアは無表情ながら危機感を抱いてるのか、そんな事を呟く。

俺が「あれはダミー相手だからの結果だぞ」と一言付け加えるが、ミディアは激しく横に首を振った。


「一緒なら、AランクもSランクのダンジョンも余裕。私も先輩も冒険者機関に認められる。それが一番いい」


「あぁ、年間功績者だっけか。興味ねえな」


「先輩が誰からも認められないのは、ちょっと許せない。ううん、全然許せない」


どうも拗ねた態度のミディア。

女心は……全く分からん。

俺としての心配事は、別にあるってのに……それを誰にどう相談すればいいかも分からん状況だってのに。

面倒になるから、俺は別の話題に変えた。


「他の連中はどうだ」


「ランディーは相変わらず。腹立つけど、魔法陣の使い方は上手い」


ミディアが言うほどとは、相当だな。

本当に俺も嫌らしく感じるが、ランディーの腕前は上達している。


「あと、ウェンディがCランクに上がったから一応、Cランクダンジョンに連れて来れる。他は微妙。クリストフはついて来れるけど、疲れやすい」


「前衛だから仕方ないだろう……体力面か。ポーション多めに持っていけたらいいが、こういう時にアイテムボックス持ちが居ればな……」


「セドオアは無理」


「だろうな。分かってる」


前衛の負担を抑える為に、前衛を増やすべきか。

ミディアがいるとしても……やはり、もう一人前衛が欲しいのと。サポーターが一人欲しいところだ。





俺達がCランクダンジョン攻略を目指していても、M国から冒険者の精鋭があらわれる未来は変わらない。

彼らがこのギルドに滞在する事が決まり、転職された貴族冒険者が利用していた部屋など含め、ギルド全体の構造を鬼人対応にする話が進んでいる。

その際、俺の修復魔法『リペア』を利用する事で大規模改造する事になった。


「……はい。では、構造は建築家の方に正式な設計図を描いていただいて。自分はその通りに『リペア』で構造修復致します」


「はぁ~、分かった! ジョサイア君がいてくれて助かったよ~!!」


話し終えたギルド所長と別れる際。

所長から、預けていた使い魔の事でこんな提案をされた。


「ジョサイア君! 僕、思いついちゃったんだけど~……この子たちって色々記録してくれるじゃない? だからクエストに同行させて、冒険者の皆の行動を記録して貰ったら。ホラ! クエストの報告書とかあるでしょ? あーいうの書く必要とかなるんじゃないかなって!」


……中々なアイディアだが。

俺は色々と所長に確認して貰う。


「ええと……まず、このギルドって国の管轄下にあるので、そこの許可がないと」


「あ、国の許可は降りたよ!」


早いな!?

なんでこういう類だけトントン拍子に進むんだか。


「じゃあ……機関の方はどうでしょうか。報告書を提出する事になる冒険者機関の許可です」


「え。あ、あー……そっちにも確認しなきゃ駄目かぁ~」


「駄目ですね」


「でも逆にそっちで許可降りれば大丈夫ってことだよね! そしたら僕達も大分、楽に……じゃなくてより良いギルドになってくるからね!」


はぁ、やれやれ。

肉体的に疲れてないが、謎に疲れが溜まるな……

所長が立ち去ったかと思えば、次は受付嬢が駆けてきた。


「ジョサイアさん! 緊急で申し訳ないんですが、特製ハイポーション……いえ! この際、ポーションの方でもいいので――」


「いいですけど。治療規模はどの程度ですか」


「B共和国のBランクダンジョンで負傷者多数発生して、重症者が十数名と聞いて――」


「状態異常を負っていなければ、これで十分でしょう。残念ですが、素材不足でこれ以上は作製できませんが」


「ありがとうございますっ!」


『ファミリアー』で自室から運んだ『特製ハイポーション』十数本、『特製ポーション』を数本を受付嬢に渡す。

ギルドの奥にある配達員の転送魔法陣のほうへ急ぐ受付嬢。

俺の『特製ハイポーション』のランクがAだったのに、受付嬢も俺の見方を改め。

どうやら『特製ポーション』もハイポーション並の効力と認知してくれ、需要があるとああして緊急現場に運ばれるようになった。


「ジョサイアさん!」


今度は何だと思ったら、俺に意を決して声をかけてきたのはポートだった。

随分と堅い表情で、真剣な眼差しをしている。

俺は奴と向き合って尋ねる。


「何しに来たんだ」


「僕―――………ダンジョンに往きます。改めて、ジョサイアさんとパーティを組ませて頂けませんか。お願いします!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ