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凄まじいな。いや、威力じゃなくて、この設定にした精神性が


「きゅー」


ホーリーボール(威力:極小)を食らったホーンラビットが、灰にならず、死骸も無事に残っているのに俺は安堵した。


ようやく……ようやく、整った……

一時期どうなるかと思ったぞ。


俺の計算式自体は間違っていなかった。

俺だけにある特殊な補正のせいで『ホーリー』の威力が規格外になっていたせいだった。


通常、魔術師は攻撃魔法に補正がかかっているんだが……他の属性魔法は攻撃魔法が豊富。

対して俺の属性、光魔法は『ホーリー』だけが唯一の攻撃魔法。

バリエーションがない。

故に、バリエーションのなさを補う為、『ホーリー』の威力が規格外――『クソデカホーリー』と化している。


何を言っているか分からなねーが、そうでもないと計算式が合わないんだ。

これが現実だ。

受け止めてくれ。


割といい部分が多い。威力がこんなんだから、僅かな魔力消費で先程のホーリーボール(威力:極小)すら発動可能だ。

表面上じゃMPが減ってないように感じる程。

具体的な数値としては『0.1』。


ガンガン討伐しまくってレベルを上げるぞ! って調子に乗らない。

まだ、ステータスは低いし、ランクの高いモンスターも棒立ちで待ち構えている訳じゃないんだ。


遠回りだが戦闘慣れの為にも、EランクとDランクのダンジョンを周回。

その際、『シールド』で形成したボックスにモンスターの討伐部位やドロップアイテムを放り入れ、使い魔の『ファミリアー』にギルドへ運ばせる。

これを繰り返し行う。


受注したクエスト達成の報告で一度ギルドに戻った際、前述の流れを受付嬢に説明して飛び出そうとしたら――

「こんな数を仕分けなきゃならない、こっちの身になって下さい!」

と職員らしかぬ不満をぶつけてきがやった。


仕方ないので、仕分け作業を行う『ファミリアー』の魔法陣を複数設置しておいたら、向こうは文句を言うのを止めた。

レベルアップで魔力も回復するから、想像以上に周回ができた。


本日の成果は――



ジョサイア

職業:魔術師 Lv.23

属性:光魔法 Lv.10


HP:200/200

MP:641/20000


物理攻撃:27

魔法攻撃:110

防御:10

筋力:10

俊敏:27



討伐部位やモンスターの体内にある魔石だけでなく、ダンジョンや道中で回収したアイテムや薬草類も納品したので、ギルド側も俺に不満な態度を示していなかった。

しばらく続ければ追放の件は取り消され。

頃合いを見つけCランクのダンジョンを攻略すれば、ランク降格の心配もない。


いよいよ冒険者としてやっていける。


そう思った矢先、帝国内で不穏な動きが始まった。

職場のコスト削減。

空前絶後の追放時代の開幕である。





コスト削減を実現したのは『魔道具』。魔力を原動力とする機械だ。

俺が居た世界でいう電化製品、コピー機のような情報機器。

それが国を通じて、主に雑務処理が多い職場へ支給されるというのだ。


誰にでもできる雑務だけ熟す奴は不要だ。

そういう奴らは総じて給料泥棒。クビにする。当然な時代の流れだ。


俺もそうだった。


用水路にちゃんとした浄化処理を取りつける工事が行われるようで、『どぶさらい』の会社はゴミ拾いだけ担う事に。

よく捨てられる呪い付与された武器類も国が回収し、処理する事になった。

まあ、それが本来の在り方ではあったからな。

これで俺はお役御免になっちまった。


壁の建設現場も、魔道式のゴンドラやトロッコを国から支給され、必要ないから来るなと現場監督から宣告を受け。


配達業の仕分け作業も魔道具が処理し、配達もこれから露頭に迷う人間を雇えばいいと告げられ。


衣服類のクリーニングも、魔道式洗濯機が登場してしまったので必要なしに。


病院にも俺より優れた治癒力がある『治療師』を国が確保したうえ、これから国の医療資格がないと治癒活動はしてならないと法改正するそうな。


クビになった奴らは、退職支援として魔道具の大量生産業の人手に回すようだ。


驚くほど巡りよく話が回っていくので、国の上層部に俺のような転生者が入ったのかもしれない。



だが、最悪な事にギルド内にまで追放ブームが襲い掛かる。

国が本格的に、ギルドの管理・監視に着手。冒険者として十分な功績を残せてない奴らを総じてクビにした。


そう、俺はギルドからも追放された。

『ホーリー』を取得するのが遅すぎる。

余計な迷惑をかけるなら『ホーリー』を取得してから冒険者登録をすれば良かったものを。

と監察官から言われた。


俺だって、こんなに時間がかかるとは思わなかったんだよ!

レベル9までは、とんとん拍子に上がってたってのに……!!!


国相手に文句を言っても無意味なので、多額の出国金を払って、俺は帝国から離れた。


ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。

ある程度、書き溜めてから投稿していくので、気長にお待ちください。

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