探索4
「な、何とかなったな」
俺たちは胸をなでおろした。玲花ねえはいまだに笑っていた。
玲花ねえはしばらく笑っていたが、徐々に収まってきた。
「玲花ねえ、大丈夫?」
「う、うん、大丈夫」
そこへまた、メールが届く。差出人はまた、茜だ。
「どういうこと、なんだ」
俺はメールを開く。そこにはURLが乗っていた。
「どこのサイトだ?」
「どうした?」
「今回のメールはゲームのログインじゃなくて、URLみたいだ」
俺はURLを開く。するとソーシャルネットゲームのタイトル画面が表示される。タイトルは裏町ゲーム。
スタートボタンを押すと画面の上半分に向こう側が見える。カメラと連動しているようだ。その画面で周りを見てみると化け物が去っていくのが見える。どうやらここに映っているのはゲームの中のようだ。
「これ、さっきのゲームの中を見れるみたいだ」
「何?」
将也もスマホを操作する。
「そう、みたいだな」
俺はふと、あのメモのことを思い出した。
「なあ、あのメモに書いてあった、真なる世界から偽りの世界を見よって子のことなんじゃないか?」
「どういうことだ?」
「真なる世界がこっちがわ、偽りの世界ってのがゲームの中だとすれば、このスマホでゲームの中を見ているのは文面通りになる」
「なるほどな」
将也が頷く。
「じゃあ、これで見て探せば何かわかるかもしれないってこと?」
俺は頷いた。玲花ねえは立ち上がった
「行こう!」
「ねえ、あれ」
玲花ねえが公園に向けてスマホを向けてこちらを向く。
俺も公園にスマホを向ける。するとその場には何もないのにスマホの画面には茶色い宝箱が映っている。
「多分あれだよね」
「そうだろうね」
同じようにスマホを向けて探していると学校の昇降口前、図書館の入り口からまっすぐ行ったところに宝箱が見えた。
「これで全部か?」
「多分、ダミーとかなければ」
俺は頷く。
「そう言えば入り口みたいなのあったよね」
「ああ、あの光か」
「多分あれがログインの場所なんじゃないかな」
それたちはスマホの画面を見ながら光のポータルを探した。そしてそこの中に入ると、ログインの文字が浮かび上がった。
「行くよ」
俺がそう言うと二人は頷いた。
俺はログインボタンを押した。
一瞬目の前が真っ白になる。視界が戻ると見た目は変わらない、しかし、空を見ればここが普通ではない、ゲームの中だということが分かる。
俺たちは一番近くの公園に入った。
「あれ?」
しかし、公園に宝箱はなかった。
「どういうことだ」
俺はスマホを宝箱があった場所に向ける。スマホの画面には確かに宝箱が映っている。
「え?」
玲花ねえが驚いたような声を上げる。俺はスマホを下ろした。
そこにはオレンジ色の宝箱があった。
「どうなってるんだ?」
将也の言葉には反応しないで俺は宝箱に近づいた。
宝箱に鍵穴はなく、左から赤、青、ピンクの色の四角、その下に白い丸がある。
「謎解きか?」
俺は宝箱に触ってみる。色のついた四角形は何もできなかったが、白い丸はダイヤルになっているようだ。1から9までの数字がある。
「どこかにヒントがあるはず」
俺は辺りを見回した。しかし、あるのは花ぐらいだ。
見たことない花はあるにはある。赤の花が5つ、紫の花が9つ、白い花が2つある。
(青がないから違うのか?)
「ねえ、これってこうじゃない?」
玲花ねえがダイヤルを回す。
左から順に5、4、7。
ガチャ、と音を立てて宝箱が開く。
「よし!」
玲花ねえがガッツポーズをする。
「5、4、7、ああ、そう言うことだったのか」
「どういうことだ?」
将也が聞いてくる。
「赤はそのまま赤の花の数、青は紫から赤の数を引いた数、ピンクは赤と白を足した数になるんだよ」
「紫から赤、ああ、そういうことか」
将也が納得していると玲花ねえが寄ってきた。
「これが入ってたよ」
玲花ねえの手にはオレンジ色の玉があった。
「多分これが宝玉だよね」
「多分、そうだろうな」