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裏町ゲーム  作者: アロマセラP
3/7

探索2

「ねえ、次どこ行く?」


空気が読めてないのか、茜がそう言ってくる。


(なんだろう、いつもの茜っぽくないな)


俺はそう考えたがとりあえずは考えないことにした。


「とりあえずそこらへん歩き回ってみよう」




俺たちは高校の前にいた。


「空いてるな」


「空いてるわね」


校門が開いている。まるで入ってくれと言っているようだ。


「入ってみようか」


俺がそういうと、全員頷いた。


三星高校4階建て。夜の学校は少し不気味に見える。電気はついていない。人の気配もない。


「開いてないな」


将也が教室の扉を開けようとするが鍵がかかっているのか開かない。


教室を1つ1つ見ながら進んでいく。


「お、あそこ」


3階に1ヶ所だけ開いている教室がある。茜のクラスだ。


「私のクラスだね」


これ見よがしに開いているので警戒しながら、中に入る。


なかに入ると机と椅子がある普通の教室だ。


「ここに何かあるのか?」


注意深く、慎重に教室内を見て回る。


「これすごく怪しいよね」


玲花ねえが指さしたのは教卓に山積みになった本だ。


「教科書みたいだね」


積まれているのは普段俺たちが使っている教科書だ。色々な教科の教科書がある。


「あれ?何かしらこれ」


教科書を見ていた玲花ねえが、1枚のメモのようなものを見つけた。


「なにか書いてあるのか?」


「うん」


真なる世界から偽りの世界を見よ


「どういうことかしら」


「さあ、ただこれがゲームならいずれ分かるんじゃねえか」


「その可能性はあるね」


教卓にはほかにめぼしいものはなかった。


「ん?」


「どうかしたか?」


俺は机に違和感を覚えた。


「机、なんか書いてないか」


俺は机に近づいた。机には何本かの線が書いてあった。机全てに線が書いてある。そして、机の線と線が繋がりそうだ。


俺は机をくっつけてみた。


「これは」


「三星市の地図ね」


玲花ねえが言った通り、机の線をつなげてで来たのは、三星市の地図だった。


「でも、この地図ちょっと変ね」


「変?」


玲花ねえが指さしたところには線が引かれているが、そこには本来は道が続いているはずである。


「どういうことだ?」


「分からいけど、何かあるか、通行禁止のどっちかだと思う」


他に何かないか見ているととある1点に目がいった。


「祭壇」


その文字が目に入ってきた。そしてその場所は、


「ここ、茜の家じゃねーか」


そう、茜の家だ。


「え?どうして私の家が?」


茜自身も身に覚えがないようだ。


「とはいえ、これであとは宝玉を探すだけだな」


将也の言葉に頷いて教室を出た。




「なるほど、な」


俺たちは机の地図に線が引かれていたところの前に来た。


目の前には闇が広がっていた。


「これは、進んだらまずいな」


「そう、だね」


俺たちは別の場所に移動しようとしたその時、


「やあ、あんたらはチームでやっているのかい?やっぱりチームの方が良いのかね」


と声をかけられた。


声をかけてきたのは30代くらいの男性だ。


「貴方は?」


俺の問いに男性は「キースだ」と答える。


「あんたらもこのゲームのプレイヤーなんだろ?」


「まあ、そうだな」


「私たちは間違えて参加してしまったんですが」


「間違って?」


玲花ねえの言葉にキースは首を傾げる。


「それならログアウトすればいいじゃないか」


「ログアウト出来るのか!?」


俺たちはキースに詰め寄った。


「あ、ああ。知らないなら教えてやるよ」


キースはついてこい、と言って歩き出す。


「なあ、このゲームって何処が主催なんだ?」


「あ?そんなことも知らないで参加したのか」


少し呆れたような顔でキースは話し始める。


「このゲームの主催はウィズ・マギカだ」


「ウィズ・マギカってあの?」


「ああ」


「ウィズ・マギカって?」


玲花ねえが俺に聞いてきた。


俺はウィズ・マギカについて知っていることを話した。


最近急成長をしたゲーム会社。ウィズ・マギカの所在地、構成人数などは不明。ホームページなども存在しない。しかし、彼らの作るゲームは革新的なものが多く、これからのゲーム業界を引っ張っていくと思われている。


「そんなゲーム会社があるんだ」


ゲームに疎いのか玲花ねえがへぇという顔をしている。


「そうそう、あんたらにはあまり関係ないかもしれないが一応忠告しておく」


キースが少し険しい顔で話し始める。


「ここのモンスターとは基本的には戦うな、勝てる相手じゃない」


「基本的には?」


将也が聞くと、キースが頷く。


「中には勝てるやつもいる。ごく少数だが」


「このゲームは化け物しかいないのか?」


「まあそうだな」


「ん?」


ズシン、ズシン、という音が聞こえた


「どうかしたか?」


「なんかズシン、ズシンって音が」


「ほらあれだ、あんなものに勝てるかよ」


キースが指をさす方を見ると、そこには体長8メートル、腕が4本あり、口が縦に割れた化け物が居た。


化け物がこちらに向かって走ってきた。


「なに、あれ?」


「とにかくにげるぞ。こっちだ」


キースがこっちだと言って走り出す。俺たちはそれに続いた。


走っていると光の筒のようなものを見つけた。


「あそこだ」


キースは先にそこに入った。俺たちもそこに向かって走る。将也、俺、玲花ねえの順に入っていく。


(あとは茜だけ)


「きゃあ!」


という声が後ろから聞こえる。振り向くと茜が転んでいた。


化け物はすでに茜のすぐ後ろまで来ていた。


「た、助けて!」


茜がこちらに向かって手を伸ばす。


「茜!」


将也が飛び出そうとするが、キースが彼の肩をつかんで止める。


「これ以上は無理だ」


キースが何かを操作する。すると目の前が真っ白になる。


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