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裏町ゲーム  作者: アロマセラP
1/7

導入

キーンコーン


「ふう、授業終わったー」


俺は机から立ち上がって伸びをした。


「優斗、一緒に帰ろー」

 

教室のドアのところから幼馴染の大華茜が呼んでいた。


「おう、ちょっと待ってろ」




「今日も星見るの?」


茜が聞いてきたので俺は頷いた。


「ああ。ようやく望遠鏡が手に入ったんだから、使わないと」


「ほんと、星好きだよね」


そんな話をしているうちにいつものT字路まで来た。


「じゃあ、また明日」


「ああ、明日」


そう言って、俺は茜を見送った。




「セット完了」


俺は部屋の窓に望遠鏡をセットした。


「あとは日が暮れるのを待つだけだな」


俺はベッドに寝転がった。


ピロン


スマホがメールの着信を告げた。


「誰からだ?」


スマホを確認すると茜からだ。件名はない。


「件名なし?珍しいな、なんだろう」


俺はメールを開こうとした。すると突然目の前が真っ白になった。


「う、な、なんだ。今の」


視界が元に戻ると、自分の部屋にいた。


「なんだ、特に変わったところはないか?」


俺は周りを見回した。


「あれ?」


俺は窓の方を見て、違和感を覚えた。


「いつの間に日が落ちたんだ?」


外が、暗くなっていた。時間を確認するがまだ日が落ちるような時間じゃない。


俺は急いで家の外に出た。


「え?」


街に、人が誰もいない。この時間、学校帰りの人や、近所の人が何人もいるはずなのに。


「いったいどうなって、っ!」


空を見上げた俺は絶句した。


(なんだ、この空)


そこには、星空が広がっていた。


(どこの国の星空だ?日本じゃどの季節でもこんな星空見えないぞ)


「あ、そうだ!」


俺はスマホを取り出した。茜からのメールを確認するためだ。


「なんだ、これ」


メールには1枚の絵が添付されているだけだった。


その絵に写っているのは操り人形と思われるものと、それを押しつぶそうとしている巨大な化け物。明らかに茜の趣味ではない。その絵からは狂気のようなものを感じた。


俺は茜に電話をするが留守電になってしまう。


俺は茜の家の方に向かった。


「あれ、優斗?」


聞き覚えのある声がしたのでそちらの方を見た。


「やっぱり優斗だ」


「玲花ねえ」


声をかけてきたのは3つ年上の藤宮玲花だ。


「ここ、いつもの三星市?」


三星市は俺たちの住んでいる市の名前だ。


「違う、そもそも地球なのかすら怪しい」


「え?」


俺は玲花ねえに星空の話をした。


「え!?じゃあ、もしかして、ここ異世界?」


「そうと決った訳じゃないけど」


俺は玲花ねえに聞いていなかったことを聞く。


「玲花ねえも茜からのメールを見てこうなった?」


「もってことは優斗も?」


俺は頷く。


「ん?あそこにいるのって」


玲花ねえが指さした先にいたのは1人の青年だ。


「将也だ」


将也は俺よりも1つ年上の青年で、空手の有段者だ。


「おーい、将也」


「ああ?」


将也はこっちを向いた。


「優斗と玲花か」


将也がこっちに寄ってきた。


「ここ、三星市、なのか?」


「違う、と思う」


俺は自分の考察を話した。


「なるほどな」


「なあ、将也も茜の?」


「メールのことか?そうだが。なんだ、あの絵」


俺は首を横に振った。


「とりあえず、茜の家に行かないか?」


「そうだな」


俺の提案に将也は頷いた。


「あれ?みんなが集まってるなんて珍しいね」


そこに明るい声がかけられた。俺はあわてて声の方を見た。


そこにいたのは今から会いに行こうと思っていた茜だった。


「茜、無事だったか」


俺たちは茜のところに駆けよる。


「無事って?」


茜が首を傾げる。


「いや、こんなもの送ってきたから何かあったんじゃないかって思ったんだよ」


そう言って茜にメールを見せる。


「え、なにこれ」


「え?」


「これ、茜ちゃんが送ったメールよね?」


玲花ねえが聞くが茜は首を横に振る。


「そんなメール送ってないよ」


茜がスマホを確認する。


「あれ、なんかメール送ってる」


「大丈夫かよ、まさかハッキングされたのか」


「ええ!」


将也の言葉に驚く茜。


「それより、何とか元の三星市に戻ろ方法を探そう」


俺の言葉に茜以外が頷いた。


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