24話「今日はソロで街中クエスト(?)」
ログイン。
「フレンドリスト」
確認してるこれはフレンドリスト。
フレンド登録してるプレイヤー一覧が表示され、その人のレベルとオンラインかどうかが表示される。
ちなみに、非表示にもできる。
「カズサさんオンラインだな」
まぁこの人はそうだろう。
カズサさんは飽きっぽいけど負けず嫌いなところがあるし。
知り合いのプレイヤーが先を進んでると、意地でも抜かそうと攻略や練習をしたりする。
代わりに、目標を超えたり、ある程度のひと段落を終え、やることが無くなったりするとすぐに飽きる。
と言うわけで、たぶん時間さえあれば、この人はプレイしてるだろうとは思ってた。
つーかもう今日中に追いつかれる勢いなんだけど。
やべーな。
「さてどうすっかな」
正直、ハイテンションな状態のこの人に付いていける気がしない。
敬語でしか話せない呪いにかかってるから、少しお淑やかそうに見えるが、実はそんなことは無い。
条件は知らないけど、たまにすごい怖い獰猛な感じの笑みを見せたり、ハイテンションになると高笑いしだすような人だ。
誘うのは、ウラネもいる時にしよう。
今日はウラネは居ないみたいだな。
と言うわけで今日はソロだな。
今日は北東エリアの子供の話を進めようかと思う。
悪戯猫が出るらしい公園のやつだ。
今日はのんびり回だな。
カズサさんに対抗してレベル上げないのかって?
あの人、頼ると調子に乗ってくれるから、むしろレベル高くなってくれた方が接しやすい。
1人で黙々とゲームするのに理由が無いと飽きるってだけで、マルチだと普通にリードしてくれるしな。
優しい。
可愛い弟が欲しいってよく言ってるし、そう言う病気なんだろう。
うん。
これ、本人に聞かれたらやべーな。
やめよう。
と言うかさっきから考えてることが風評すぎるな。
注意、これは一個人の感想であり、実際には優しく頼れるお姉さんなのでーなんちゃらかんちゃら。
よし。
早速街の北東エリアに向かうことにした。
◆
「うぉっと」
北東エリア。
住宅街を進み、以前と同じように公園の近くに着くと、以前と同じように白猫が足元を走っていった。
後ろを振り返って追いかけようかと思ったが、予想より動きが速く、全く追いつけるような気がしない。
まるで、負けイベントで出た敵に「あ、これは無理だわ」と感じる諦めの気持ち。
どう考えてもただの猫じゃないよなアレ。
それはそうと。
ここまで前回と同じ。
そして、前回この後どうなったか。
「うっ」
「きゃっ!」
振り返ると、前回同様、女の子がすぐそこまで走ってきていた。
今回はその可能性を感じてたから、なんとか受け止めることが出来たが、腹が痛え。
少し貫通ダメージを食らった気がする。
街中はダメージ無いけど。
「ご、ごめんなさい……あれ?」
「やぁ」
流石にこの体勢はよろしくない。
離れてもらって挨拶を交わし、また公園で話を聞く感じとなった。
やっぱこれ、クエスト表示はされないけど、絶対何かイベントはあるな。
◇◆
「上手くいかないの……」
公園のベンチに座り、開口一番それだった。
「あの猫捕まんないし、捕まえようと頑張ってたら友達、みんな砂浜に遊びにいっちゃったし……」
あ、砂浜解放されたの、こんなところにまで影響あるのか。
それにしても、また1人でいて、友達とかいないのかと思ったら、そんな流れになってたとは。
「協力するとはいった手前あれなんだけど、アレは速すぎるな」
「……けど」
「?」
「……ちょっとずつ、遅くなってる」
「……アレでもか」
「最初は目でも追えなかったの。気づいたら何か取られてて」
「はぁ。マジか」
ということは何だ。
何回も挑戦することで、少しずつ難易度が下がるタイプのアレか。
そうなると、挑戦回数が増えるほど、何か悪くなるような気がしてならない。
報酬とかその辺。
速度系のスキルが必要か?
いや、基本的に街中でのクエストとかは、戦闘系スキルが無くとも、戦えなくとも、クリアできる裏道があるものが多い。
らしい。
女性ゾンビのやつも、たぶん門番のところまで逃げていけば何とかなっただろう。
金剛貝は逆に、条件を満たしてたから開始されたタイプだから、無いとは思うが。
あ、けど俺が倒さずとも、魔法使いを連れてくればクリア出来てた可能性はある。
つまりは、何が言いたいかと言うと。
そういったスキルが無くとも、クリアする方法があるはずだ。
そのためには、情報を集める必要があるな。
たぶん。
K-13「よし、じゃないのですが」
作者「……(土下座)よし、こうしましょう」
※この物語はフィクションであり、実在する人物、世界、団体とは一切関わりが有ったり無かったりします。
よし。