14話「情報なら図書館」
『レベルが上がりました』
『SP11獲得』
『ステータスを強化できます』
モンスターを狩りながら、街へ帰ってきた。
いやー、やべーなアレ。
そこらの木の3倍くらいデカかった。
あのボス的なのがいる周りだけ、大きく拓けた空間が有ったし、たぶんレイドボス的なやつなんじゃね?
くっそ鑑定スキルが欲しい。
あのボス的なのが、何レベルなのか気になる。
それはそうと、ステータス割り振るか。
STR:24→26(+2)
VIT:23→26(+3)
AGI:31→33(+2)
INT:50→53(+3)
DEX:23→24(+1)
LUK:18→21(+3)
TEC:15→17(+2)
MEN:18→19(+1)
ボーナスポイント9
ボーナスポイント最大値引いたぜやったぜ。
どうしようかな。
DEXだけ落ちはじめてるし、DEXに2、INTに7。
STR:26
VIT:26
AGI:33
INT:60
DEX:26
LUK:21
TEC:17
MEN:19
特殊ステータスの方も、最初はあんなに低かったLUKが逆転を始めてるし、ほんとわかんないな。
ま、それはそれとして。
今はちょっと行きたいところがあるんだ。
ステ振りも終わったし、さっさと向かおう。
◆
到着。
「すみません」
「はい、どうされました?」
来たのは、街の東側にあるバスオ図書館。
気になったことがあれば、この人に聞くのが手っ取り早いだろうと思って。
ついでに今日は本を読んで時間を潰そうかなって感じで。
「北の森の奥で、すごい巨大な木のゴーレムみたいなのを見つけまして。何か知りませんか?」
「北の森の奥。それなら森の守護獣ですね」
「守護獣?」
「えぇ。あの森のさらに北には、エルフの森が広がっていると言われます。エルフは世界樹の守り手。そんなエルフの森は、何体かの木の化身に護られているそうです」
「それが森の守護獣」
「はい。侵入者を撃退するための、らしいですね」
「なるほど……。ありがとうございます」
世界樹の守り手、それと森の守護獣ね。
敵対しない方が良いやつだろうな。
たぶん、エルフの森に行くには、別の正規ルートがあるんだろう。
今無理に向かう必要は無い。
そうなると、あんまり北に行き過ぎるのも良く無いか。
次は北東側にでも行ってみようか。
「それにしても、よくそこまで辿り着けましたね。他にパーティを組んでる方が?」
「いや、居ないです。魔法使いなんで、敵を遠くから薙ぎ払うだけなら楽なんですよ。不意打ちには弱いですがね」
「なるほど……?」
何やら思案顔。
NPCからこうも積極的に話してくるのは珍しいし、クエストフラグでも踏んだかな?
「一つ、お願いしたいことがあります。もちろん報酬、と言いますか、魔法使いである貴方に良い情報とお礼を用意しますが、できれば秘密にしていただきたい内容です」
「良いですよ。そもそも、教えるような仲間なんて居ないですしね」
ハハハ、と笑って言うが、彼女は真剣そうだ。
茶化すのはやめて、まじめに話を聞こう。
「この街の東側は、大きな壁が覆っていますね。ですが、南東側の一部だけ、通れる場所があるのです。その先も一応壁の内側ですが、広い砂浜になっています」
「それも秘密にしたい内容ですか?」
「えぇ。あまり冒険者の方々に荒らされたい場所ではありませんから。子供達の遊び場のようにもなっていますし」
俺も冒険者なんだけどな。
何が条件だったんだろうか。
ソロであること、魔法使いであることはたぶん確定的。
図書館を利用するのも確定だろうな。
そもそもここに来ないとこの人には会えないし。
まぁ何かわからないけど、信用してくれて、有用な情報をくれるなら頑張ってみるか。
「で、その砂浜についてです。そこ以外の海は港として開発が進んでるため、泳いだり釣りしたりといったことには不向きです。あまり深いと、モンスターもいますしね」
「じゃあその砂浜にもモンスターはいないのか」
「……居なかった、ですね。最近、金剛貝というモンスターが打ち上げられることが増えました。今回は、その討伐をお願いしたいのです」
「……ほう」
子供も利用するだろう浜辺にモンスターが。
それは大変な話だ。
「けどなんで俺に?」
「金剛貝はとても重く硬いモンスターです。物理的な攻撃はほとんど効きません。ですが魔法なら、相性にもよりますが、大きくダメージを与えることが出来ます」
「だから魔法使いの俺に」
と言っても、属性相性はまずいかもな。
水棲モンスターに水雷って効くんかな?
雷の方は効きそうだけど、この魔法のメインは水なんだよな。
あと火雨はたぶん効かなそう。
植物より相性が悪いやつがいたか……。
「金剛貝ってどれくらい強いんですか?」
「強さは全くと言っていいほど無いです。動きは遅く、離れてさえいれば、届く攻撃は有りませんから」
「近付くと危ないのか」
「とてつもなく重いので、押しつぶされたら助からないと言われています。それに、子供が興味で近付くことがあれば本当に危険です。なので、倒せるような魔法使いの方を探していました」
「なるほどなあ。わかった。やってみよう」
「ありがとうございます。倒し終えたらお教えください」
『クエスト『浜辺の危ない宝貝』が開始されました』
そんな感じで送り出された。
本を読む予定だったけど、さっさと向かった方が良いんだろうかな。
まぁ、クエスト類は、プレイヤーの動作が無いと進行はされないんだろうけど。
今は時間もあるし、地図ももらったから、早速東の抜け道に向かってみようか。
風邪ひいた。