自傷少女
危ない女の子
退屈だった。
だから手首を切った。
暇だったから、現実感がなかったから。
痛みは自分を規定するとどこかの本で読んだ。それはおそらくなんかの偉い賢い人が頑張って考えた事だから多分本当なんだろうな、と私はなんとなくで考えている。
彼氏にラインしてみた。手首切ったってラインした。そしたら、ムカつくことにそいつブロックしやがった。私のことはあんまり好きじゃなかったから即座に消えられたんだと思うと、手首の傷が更に痛んでいく気がする。
でもその彼氏も本当の、真の意味での好きだった人じゃないからもう、どうでもいい。
胸の谷間だけ自撮りしてツイートしたら50いいねがついたことがある。その時に「かわいいね(^∇^)女子高生カナ(^^)」とリプ送ってきた奴とDM上で恋人同士してただけなんだ。
なんでそんなことしてたんだろう。全く意味のないことをやっていられるほど私の高校生活は長いのか?いや、そんなはずはない。少なくとも、ネットの陰に隠れて陰湿にセクハラ発言して来る奴に捧げるような時間は私にはない。ないはずだ。
常識的な量で打ち止めになったリストカットの血液は、あらかじめ置いていたティッシュの束に粗方吸われたが、はみ出た分を片付けなければいけない。
めんどくさいなあ、と思う。きっと、この処理は性行為の後に訪れるという賢者タイムに近いものがあると、私は手首を切るたびにかんがえている。
ああ、めんどくさい、めんどくさい、めんどくさい。
明日学校サボったろうかな。