この世の中に二人しかいなかったら(3)
あのあと水浦さんはぽっと頬を染めて、
「け、けーくん....きゅ、今日はこ、このへんで終わりにしましょ。じゃ、じゃあね//」
と言って駆け足で帰っていった。
ふぅ...。どうやら計算で行動しているようではなかったな。いや!もちろん信じていたけどね!!!
ふむ、そんなことを考えていたら外が暗くなってきていた。どうやら今日は水浦さん以外はこないようだし帰るとしよう。
僕は一人暮らし?...うん、住み始めた頃は一人暮らしだったんだけど最近はちょっと色々あって一人暮らしとは言いにくい。少し帰りづらいんだけど仕方がない。始めは両親が海外出張だからって理由ではじめた一人暮らしだったんだけどな...。まあ通っている学校も特殊だからってのもあるんだろうけど。
国立教育機関 暗緑凰学院
13歳から20歳までの長期間であらゆることを学ぶ教育機関。世の中にあるありとあらゆることを専門的に学ぶことができる。進級や卒業するには講義を受けて単位を一定以上修得する必要がある。自由に受ける講義を選択できるため人気が非常にある学院である。講義はメイド学に始まり、帝王学や危険物学、漫才学などユニークなものも多い。そのためか所属する人間はユニークなタイプが多いんだ。
僕は普通だけどね...たぶん。
というかそろそろメタ発言は控えてお家に帰るとしよう。
さて、お家に着いたのはいいんだけど鍵が空いているんだよね。
これってつまり...彼女がいるのかなやっぱ...。おそるおそるドアを開けると、
「お帰りなさいませ、兄様」
やはり彼女だったようだ。