この世の中に二人しかいなかったら(2)
是非評価お願いします。
先程の発言に反応せねばと僕は思ったが、どう返事をすれば正解なのだろうか...。とりあえず僕は、
「水浦さん、今のは今回の討論内容ってことでいいかな。」と確認をとってみた。
すると水浦さんはちゃんと意味が通じてなかったのかと少し悲しげな表情をしたが、
「けーくんだからしょうがないか。」と聞こえるか聞こえないかの声量で言った。非常に残念ながらハーレムを作るような主人公達とは違って難聴系主人公ではないのでちゃんと聞こえてる。
そう、今のように何故か知らないが水浦さんは僕のことを「けーくん」と呼ぶ。僕の名前にかすりもしないんだが。僕の名前は...ってそんなことはいいや。今は思考を水浦さんの方へ割かねば...
「そうだよ、もし世の中で私とけーくんだけだったら...っていう仮定でお話しようと思って...ダメ?」
うっ、上目づかいだとぉぉぉぉぉ!!!!!
普段の佇まいでは美人って印象の水浦さんだが、これはかわいい。そんなウルウルした目で見られたら断れないじゃないか...。ん???何かおかしいな、違和感を感じる...。
何か前話で........
あっっ!!!!!!この部活のルールだよ!!!!!
水浦さんがお願いした時点で断れないじゃないか!!!まさか水浦さん、部活のルールでこの話の流れを止めることはできないのにわざと罪悪感を僕に抱かせて何かする気じゃ...。ってないない、あの水浦さんだよ?清楚で美人で、成績優秀、みんなから慕われている水浦さんがそんな策士なわけないよね。これだからチキンなんだよ僕は...。とりあえず話を進めなきゃね。
「うん、全然いいよ。でも今は二人しかいないからこんな大それた問題を考えるのは難しいと思うんだ。」
「じゃあ一つトピックを決めて話すなら大丈夫だよね!!(ガッツポーズ)」
ぐふぅ....。水浦さんのガッツポーズめっちゃかわいいな。これは美人というイメージを改める必要が....ってまた思考がずれたな。
「それならOK。トピックはまかせるよ。」
「では今日は容姿についてにしようかな。」
「容姿かぁ。世界に二人しかいないなら僕と水浦さんの二パターンしかないから良し悪しの判断って難しいと思うんだけど...。」
「私は二パターンあれば他の容姿パターンを想像することが人間にはできると思うなぁ。容姿の良し悪しもわかると思う。」
「確かに人間は考える葦っていうしね。でも想像はできると思うけど、評価基準が僕と水浦さんしかいないのが問題だね。評価っていうのは自分と相手、そして第三者がいないと正しさが証明されないと思うんだ。」
「正しさか...。難しいね。いつも誰かの正しさに慣らされて信じてる私達にとっては自身で正しさを証明することが苦手だと思うし...。でも!!けーくんなら判断できるんじゃない??」
「じゃあ仮に僕が水浦さんを見て容姿を判断したとしても、それがいいか悪いかはわからないと思う。人間のパターンが二種類しかないわけだもん。世の中に二人しかいないっていうのはつまりそういうことだよね。今、僕たちは様々な人間がいるから容姿の優劣を決めることができる。評価できる。確かにここでは水浦さんは美人だって断言できるけど、その世界では判別がつかないっていうのが結論だと僕は思うな。」
「け、けーくん...けーくんが美人って、私のこと美人って言ってくれた...。はふぅ。」
水浦さんが小さい声で言っていた。もちろん僕は聞こえていないなんてことはない。そのせいでいま僕の顔は真っ赤になっているわけだが...。くそっっ!!仮定の話だからって饒舌になりすぎた!!!
でもさ、しょうがないじゃん!現実では美人なのは事実だし、きっと二人だけの世界でも美人だなって思うだろうし...。う〜んでもなんで世界で二人って仮定で容姿ってピンポイントの内容にしたんだろう。
ま、まさか...........僕に容姿を褒めさせるためにわざとこの話題にしたのか!!!!!!!
な、な~んてね 冗談冗談。あの水浦さんだよ??そんな計算高く行動するなんてありえないよ...ね?
(フラグ...ではないことを期待する)