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第肆話:学校怪奇同好会
「ユーレイちゃん」
蓬先生がそう口にした瞬間、さっきまで聞こえていた部活生の喧騒が掻き消えた。
と、同時に廊下の端が見えなくなり、延々と続く一本道に変わっていた。
「嘘……」
わたしは驚きながらも、周りの様子を確認する。
廊下自体は確かにこの高校の廊下そのもの――しかし、後にも先にも一本道。
わたし達が上ってきた階段の姿も見えなかった。
「ついてこい」
そう言いながら手をくいっと曲げた蓬先生は悠々と果ての見えない廊下を歩きだした。
「もしかして、すごいヒミツを知っちゃった感じ?」
「…………かも」
しばらく歩くと、教室の扉が目に入った。
わたしは扉の上についているプレートへと目を向ける。
「学校怪奇同好会……?」
「そうだ……おい、私だ。入るぞ」
「どうぞー!」
蓬先生の言葉に室内から軽い声が聞こえた。
扉がすっと開かれる。
開いた扉の向こうでは、五人の女子生徒が椅子に腰かけ談笑してた。
その内の一人、切れ長の目をしたクールそうな女子生徒がわたし達に気づいて口を開いた。
「誰?」