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迷う指

たった一言を書いては消し。

些細な質問をするために、私は何時間もその動作を繰り返す。

同じ言葉を書いては消し。違う言葉を選んでは消し。

返ってくる答えなんて大体想像がついている。なのに、敢えて聞くことを選んだ。

そのはずなのに、最後のボタンにかけた指は今また躊躇う。


答えがなかったらどうしよう。

どうしてそんなことを聞くのかと不審に思われたらどうしよう。

不審に思って答えてもらえなかったらどうしよう。

思考を巡らせれば巡るほど、いっそ考えるのをやめてしまえたらと思うほどに怖くて不安でたまらない。

他の人ならば簡単に聞けるだろう。そこら辺を歩く見知らぬ人にも聞けること。

それを躊躇うのは相手が君だからか。


口を開いてはまた閉じ、名前を呼んでは「何でもない」と首を振るように

最後の一つ、このボタンを押す勇気が出てこない。

同じ文字を点けたり、消したりさせて、迷う私を君は知らない。

どうしてそんなことをするのかと聞かれれば、それは紛れもない、恋の力である。

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