第3話 三年一組・究極の喫茶
今日の俺はいつになく憂鬱である。
今日は文化祭。外部の人間の目に触れることもあって、生徒はいつもよりおとなしい。
――そう、信じたかった……
教室の前には「三年一組・究極の喫茶」と書かれた看板。
究極ってなんだ。誰も説明できないくせに、字面だけは強い。
「よし主人公!お前は呼び込み担当な!」
開幕三秒で、クラス委員の佐々木が肩を叩いてきた。
こいつは“思いつきだけで生きている男”である。
「いや、俺エプロンすら持ってないけど」
「大丈夫だ!文化祭はノリだ!」
大丈夫じゃない。
文化祭はノリで回すものじゃない。
その時だった。
「火、出てる!!」
調理班から悲鳴が上がる。
見ると、ホットプレートから立ち昇る黒煙。
「誰だ!油に水入れたの!」
「炎タイプには水タイプだろ!?いくぜ、レッツレスキュー!!」
そう叫んでいるのは、なぜか調理班に混ざっていた運動部の山本。
油に水は厳禁だぞ。
一方その頃、教室の隅では――
「ねえ主人公、これ客に出していいと思う?」
そう言って、化学オタクの田辺が差し出したのは
色が完全に未知数な飲み物だった。
「それ、飲んだらどうなる?」
「多分、味覚が再起動される」
やめろ。
文化祭で人体実験をするな。
さらに追い打ちをかけるように、放送が入る。
『三年一組さん、提供メニューが申請と違います』
「え、喫茶じゃなかったの?」
「途中で“実験カフェ”に路線変更した」
誰が許可した。
気づけば客は行列を作っている
理由は明白。
トラブルが多すぎて見世物になっている。
「これ大丈夫なの…?」
「大丈夫です!多分!」
そんな会話が飛び交う中、
なぜか売上だけは伸びていく。
文化祭が終わる頃、俺は疲れ果てていた。
「ツッコミ役、増やしてくんねえかな……」
そんなことを言いつつ、まんざらでもなく楽しんでしまっている俺は、やっぱりこのクラスのクラスメートなんだなと思う。
そんな温かい居場所に戻るため、俺は学園内に設置されたベンチから立ち上がった。
――まさか本当に、まともなやつが増えてくれるとは……この時は知る由もなかった。
文章が歪んでいたので、かなり修正を加えました。
ラストの締めなんかも、私が書いてしまいました。
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