ゴブリン退治
「とりあえず平原に着いたものの、ゴブリンは何処にいるんだ……?」
「……」
セティは黙ったままだ。ギルドからここまでずっとこうだった。
「なぁいい加減、機嫌を治せよセティ」
「……愛称で呼ぶことを許可した覚えはないけど?」
「でもアルセティオールじゃ長いだろ?もう登録もしちゃったしな」
キっと睨めつけてくるセティ。
「それにその方が可愛いだろう?」
「……ハァ。もういいわ好きに呼びなさい」
「お、お出ましだ」
そうこうして内にゴブリンを発見した。
「5対か…ちょうどいいな」
ゴブリン5体は俺が倒せるギリギリの数だ。
「セティは戦えるか?……って手ぶらじゃないか!」
今になって気が付いた。魔剣なんだから本人が戦う必要はないと思っていたからだ。
「手ぶらじゃないわよ」
そういうと何処からともなく剣を取り出すセティ。
「凄いな。どうやったんだ?」
「魔力で編んだ剣よ。それより行くわよ」
そういうとゴブリンに向かって走っていくセティ。
「負けてられないな」
その後に続きゴブリンに切りかかる。
まずは1体……続いて2体目。今日は何故だか軽い。ふとセティの方を見るともう3体倒し終わっていた。
「早いな……」
「ゴブリン如きで何言ってるのよ」
「そういえば、何かいつもより体が軽く感じたが」
「契約の影響ね。使用者の身体能力にブーストがかかるのよ」
「そうなのか」
「……何してるの?」
「ん?ゴブリンの右耳を切り取ってるんだ。退治した証だ」
「随分面倒なことするのね」
「まぁしょうがない。これをもっていかないと賞金がもらえないからな」
「まだやる?」
「そうだな。さっさと終わってしまったし。もう少し狩っていくか」
しばらく辺りを探すとゴブリンの群れに出くわした。
「あれは……ゴブリンチーフ!?何故こんな平原に?」
「そんな驚くこと?」
「Cランクの魔物だ……俺じゃ到底叶わない」
「雑魚じゃない。何をビビってるのよ」
「いや、お前からしたらそうかもしれないが、俺にとっては……」
「行くわよ」
言うが速いか走り出すセティ。
「ちょ……」
次々とゴブリンを退治していくセティ。
「ええい。こうなったらやけだ!」
俺もゴブリンに切りかかる」
1体倒したところで横から攻撃がきたゴブリンチーフだ。
「あぶねっっ」
ギリギリで攻撃を躱す。返す手で攻撃を放つ。だがそれは防がれた。
「この……」
お互いに切りあい、一進一退の攻防が続く。
「何よ。全然駄目ね」
他のゴブリンを倒し終わったらしいセティが言った。
「そんなこと言われても……」
「丁度いいわ。私を使いなさい!」
そういうとセティは魔剣に姿を変え飛んできた。それをキャッチして元から持っていた剣を手放す。魔剣を持った途端。体に力がみなぎる。
「なんだ?力が湧いてくる……」
「いいからさっさと倒しなさい」
再び切りかかってるゴブリンチーフ。俺はそれを大上段に剣を構え——振り下ろした。
グアっと断末魔の声をあげて倒れるゴブリンチーフ。
「や、やったのか?」
「お疲れ。では頂きます」
剣がゴブリンチーフから魔力を吸い出す。
「ご馳走様。やっぱりこんな雑魚じゃ足しにならないわね」
魔力を集めるとは聞いていたがこんな感じなのか。
「しかし、俺がC級の魔物を倒せる日が来るとは」
「何言ってるのよ。これからもっと強い魔物を倒してもらうんだから」
「……マジか」
「あいつらを見返したいんでしょ。だったら頑張らないとね」
「まぁそうなんだが……」
こうして俺たちの最初のクエストは幕を閉じた。




