初クエスト
朝目が覚めると横に知らない女の子がいた。
「ちょっ……誰だアンタ!」
「んー……何よ?うるさいわね……」
「俺のベッドに平然といる君は誰だ!?」
「何?寝ぼけてるの?昨日契約したでしょ?」
契約……その言葉を聞いて記憶が蘇ってくる。そういえば昨日世界を滅ぼすとか言ってる物騒な魔剣と契約したんだった。
「そういえばそうだった」
「思い出したようね。それでカイル、アンタはあいつらを見返したいって話しだけど、アンタは私の魔力集めに協力するってことでいいわね?」
「あぁ」
昨日町への帰り道に話し合った結果、俺は彼女の魔力集めに協力することになった(何故か彼女は魔剣化して運ばされた)。その過程で俺は功績を上げるという話だ。もっとも彼女の目的——世界を滅ぼす——に加担する気はない。魔力が集まったところで使用者である俺が許可しなければそれは達成されない。これは契約して分かったことだ。
「それはともかくやっぱりベッドは二つにするべきだったな……」
「しょうがないでしょ。部屋がいっぱいだったんだから」
「魔剣なんだから、何も一緒に寝ることはなかったのではないだろうか?」
「いいじゃない、こうして自由になるのは久しぶりなんだから」
だったら昨日運ばされたのは何だったのか。
「ふん。何よあれ位で文句言うつもりなの?」
「別に……」
「じゃ、さっさと起きて朝食にしましょ」
俺たちは食堂に移動した。
「まさか、魔剣が飯を食うとはな……」
「食べたものはちゃんと魔力に変換されるから安心しなさい」
「そうか、それなら安心だな」
何が安心なのかは分からなかったが。魔剣もトイレとか行くのだろうか?
「……なにか妙なこと考えるてるわね」
「何でもない」
そのうちどうせ分かるだろう。
朝食を食べた後俺たちは冒険者ギルドへやってきた。
この町は辺境にはあるがそこそこ大きい町だったので、それなりにいろんな奴がいた。
見るからにごろつき風な男から、熟練の冒険者風のパーティまで。多様なメンツが揃っていた。
「ふーん。中々広いわね」
きょろきょろと周りを見回すアルセティオール。初心者丸出しである。
「受け付けはこっちだ」
「冒険者ギルドにようこそ。ご利用は初めてですか?」
「いや、俺は違う。そっちの奴は新規登録を頼みたい」
「新規登録ですね?お名前を伺ってもよろしいですか?」
名前か。アルセティオールじゃちょっとあれだな……
「セティで」
「な!?」
「セティ様ですね。承りました」
「ちょっと!?アンタ何勝手なことしてるのよ!?」
「アルの方がよかったか?」
「そういう問題じゃない!!」
「登録完了しました。こちらが冒険者証になります」
「な!?」
「登録してしまったものは仕方ないな。諦めろセティ」
「……仕方ないわね。後で覚えてなさいよ」
「名前登録が終わったところで、パーティ登録もしたいんだが」
「パーティ登録ですね、かしこまりました」
「パーティ名はそうだな……魔剣同盟で」
「魔剣同盟ですね。少々お待ちください……登録完了しました。カイル様は以前はAランクパーティにいらしたようですね。ですが新規パーティということでEランクからのスタートとなります」
「わかった」
もともと俺の実力じゃAランクは荷が重すぎる。
「何かおすすめのクエストはないか?モンスター討伐系のクエストがいい」
「そうですね。それですと平原のゴブリン退治などいかがでしょうか?」
「分かった。それを受けよう」
「目標討伐数は5体です。頑張ってください」
こうして俺たちの最初のクエストが始まった。




