契約
「じゃ、世界滅ぼそっか」
いきなりこの娘は何を言い出すんだ?
「世界なんか滅ぼしてどうするんだ?」
「新しくやり直すのよ」
「そんなことが可能なのか?」
「できるわ。だからアンタも手伝いなさい」
「断る」
「そう。でもアンタの意思とか関係ないわ」
そういうと彼女の赤い目が怪しく光った。
「——まずは、手始めにアンタを追放した勇者を殺しましょう?」
声が頭に響いてくる。
「いや、だから駄目だって」
「な……!?私の精神支配をレジストした……!?」
「精神支配?あぁ、その手の魔法やスキルは俺には通じないんだ。精神干渉耐性Sだから」
「はぁ!?何よそれ……!?」
「まぁそういうことで」
俺はおもむろにこの場を去ろうとする。
「——待ちなさい。……いいわ。アンタと契約してあげる」
「いや、そういうのはちょっと……」
「アンタ目的はないの?何かやりたいこととか?」
「そうだな。できればあいつらを見返したかったが、俺には出来そうもないからな」
「それよ。私と契約すればそんなの簡単だわ」
それを聞いて少し迷う。
「だが、世界を滅ぼすとか言ってる物騒な奴と契約するというのは……」
「精神干渉耐性S何でしょう?アンタが私の言うことを聞かなきゃいいだけよ」
「それもそうか……わかった。契約しよう」
「言っとくけどこれは対等な契約なんだからね。間違ってもマスター面しないように」
「わかった」
「じゃあ、アンタをこの私、魔剣アルセティオールの使用者として認めるわ」
「俺はカイルだ。よろしく頼む」
「ふん、精々頑張りなさい」
こうして俺は彼女、魔剣アルセティオールと契約したのだった。




