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第8話
入院して二週間後、ドクターから経過を聞く機会ができた。祥子は出られなかったので、姉と共に行った。案内された部屋で説明がドクターの手書きの用紙と共にされた。入院してほどなく食事再開したが、吸引を必要としてほどなく肺炎を再発した。酸素マスクと点滴で対応しているが、苦しみがないようにと考えればお看取りも選択肢に、とそう言われた。まだ面会は制限がかかっているから父の様子を見ることはできなかった。きっと父と対面できた頃にはすっかり痩せてしまっているだろうと思いながら病院をあとにした。
子が親を見るようになるのはいつを境にするのだろうか。誕生し、園児になり、児童になり、中学、高校、それから大学とか専門学校とか、それくらいまでは親が子を見ている、つまりは子のために金を使っている状況だ。それが逆転する日。大人は高齢化になるにつれて幼児と変わらなくなると言う。それならば、誰かがその高齢の幼児に金を払わなければならない。