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カラスは賢いのか?

作者: 青洸

 皆さんカラスは好きですか?


 私たちにとって一番身近な鳥類であるカラスは、時に畑やゴミを漁る嫌われ者として、時にその鳥類一の賢さから車を利用し木の実を割ったり、自分で水道の蛇口を回し水を飲む姿に喝さいを受けたりと、好きな人と嫌いな人が半々ぐらい存在している印象があります。


 カラスは大脳の大きさが他の鳥類と比べてずば抜けて大きく一説によると7歳児程度の知能を持っているそうです。

 専門家によるとそんなカラスの中でも日本のカラスは飛び抜けて知能が高く、高度経済成長以降生ごみの量が増え食べ物を探す時間を必要としなくなったことで生まれた余剰時間をアソビに費やすようになってから大幅に知能が発達したそうです。

 実際に上記したカラスによる車や蛇口の利用というのは海外に例は少なく、他にも好物である油脂を楽しむために火のついた蝋燭を盗んでボヤ騒ぎを起こすなど賢さゆえのトラブルを起こしては度々ニュースになっています。

 SNSなどを見ていてもカラスに挨拶をしたら返事を返してくれるようになっただとか、猟師が獲物の残りなどをカラスに与えていたら次第に獲物の場所を上空から教えてくれるようになったとかその賢いエピソードは枚挙にいとまがありません。


 さて、そんなカラスですが私個人としてはある理由からそこまで賢いなという印象を持っていません。

 少しショッキングな話になりますがお読みいただけると幸いです。


 これは私が大学生の時の話です。


 私は学費の安さと祖父の家から通えることを理由に田舎の大学に通っていました。

 通えるといっても家から学校までは10数キロ離れており大学1回生のころまでは自転車で、免許を取ってからは原付で通学していました。

 大学まで行く道は二つありましたが道幅が広く新しあり国道は大学に行くことを考えるとやや遠回りになってしまうため、道が狭く山沿いの旧道を使っていました。

 この旧道ですが野生動物が多く、1メートルはあろうという巨大兎が山から飛び出してきたり、県庁所在地である大学付近のマクドナルドまでいってもタヌキが平然と歩いていたこともありました。


 そんなやや野性味のある通学路をは走っていた時に事件は起きました。

 学祭の前日遅くまで準備をしていた私はその日は大学の近くに住む友人に一泊させてもらい、翌日の朝に着替えと荷物を取りにことにしました。

 

 その帰路のことです。

 いつも通り旧道を進んでいると数十メートル先でカラスが車道真ん中で何かをついばんでいる様子がうかがえました。


 あまりに夢中になって食べているのであやしがりて寄りてみると、そのカラスはロードキルされた仲間の死体を食べていたのです!


 それまでカラスを好意的に捉えていた私ですが、この時ばかりは所詮は鳥、不吉の象徴と言われても致し方なしと考えを改め非常に気分が落ち込んだことを覚えてます。


 一旦家に帰ったもののまたすぐ学祭当日のために戻らなければなりません。

 30分程度で諸々の準備を済ませて大学へ向かいますがまた同じ道を通るわけですから頭にはさっきのカラスのことしかありませんでした。

 すでに誰かに片づけられているだろうか、それともすっかり食べ終えてどこかに飛び去っているだろうか。

 やはり、人と獣はわかりあうことができないだとか、あんなにがっついて食べていたということはカラスにとってはよっぽど美味しかったんじゃないかとか、本能に近いレベルでカラスは共食いをするのだろうか?


色々考えているうちに先ほどの場所に近づいてきました。


さてカラスはどうなったか......





そこには......





なんと車に轢かれたカラスが2羽になっていました!


えぇ......


あまりに寓話的な展開に不気味とかは通り越して哀れだなということしか思いませんでした。



というわけで鳥の中では賢いカラスも私にとってはアホで間抜けな生き物として記憶されているのです。



ちなみに学祭が終わった後で死んでいた場所を確認しましたが流石に2羽とも片付けられていました。

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