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F組三国志  作者: かめ屋吉兵衛
二 秋山美咲
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「美咲、おはよ。」

「おはよう。」

「ふふ。」

「なによ、あやか?」

「み・た・わ・よ。」

「何を?」

「赤澤くんとお二人で登校して来たじゃない。」

「あやか、ほんとなの、私は昨日二人で帰るとこ、目撃したのよ。」

「まじ?」

「美咲~、何時からなの? 告られたの? 白状なさい。」

「い、何時からって昨日おごって貰って…。」

「うんうん。」

「で…。」

「告ったの? 告られたの?」

「そ、そんなんじゃ…。」

「その割には真っ赤だぞ。」

「付き合うの?」

「ま、まだ…。」

「美咲はどう思ってるのよ?」

「ふふ、パフェおいしかった。」

「おいおい。」

「赤澤くんけっこう人気あるし、昨日のオムレツでまたポイント上げたのよ。」

「そうなんだ。」

「そうなんだって、美咲、またまた男に興味なさそうなふりしてさ。」

「そんなこと…。」

「おっ、噂の主、発見。」

「あれっ? こっちに来るみたい、おじゃまかしらね~。」

「でも由香、岡崎も一緒みたいよ。」


 赤澤くん、さっそく岡崎くんに声を掛けてくれたんだ。

 このシチュエーションで…、うわっ、またドキドキしてきた。


「おはよう、盛り上がってるね。」

「ふふ、赤澤くん、盛り上がってるわよ、誰かさんたちのことで。」

「えっ?」

「美咲とどうなのよ?」

「はは、ばれてたか。」

「ばればれ。」

「俺は美咲のことが大好きだよ。」

「うわ~、大胆発言。」

「しかも昨日は秋山さんだったのに、いったい何時から?」

「今朝、地下鉄のホームで告って…、その返事はまだ貰ってないけど、美咲って呼んで良いって。」

「へ~、赤澤くんって、けっこうやり手なんだ。」

「いや~、もうドキドキしっぱなしだよ、昨夜は全然眠れなかった。

 でも、本心を伝えたらすっきりしたってとこかな。」

「そっか、今回の美咲は何時もと違うのね。」

「由香、何時もとってどういうこと?」

「ふふ、この美咲お嬢様、今まで何回告られたのでしょう、はい、分かる人?」

「まあ、美咲なら一桁ということは有り得ないわね。」

「そ~なのです、中学生時代、私が知ってるだけで十六人。」

「で?」

「その十六人全員、その場で、ごめんなさい。」

「と、いうことは…。」

「と、いうことは?」

「赤澤くんが十七人目と言うことか?」

「岡崎、馬鹿か!」

「馬鹿ってなんだよ、藤本さん。」

「赤澤くんがまだふられていないことと、美咲の顔の赤さ、そこから導き出される結論はひと~つ!

 美咲、おめでとう。

 赤澤くん、美咲のことよろしくね。

 以上友人代表でした。」

「ははは。」

「ちょっとあなたたちね~。」

「あっ、先生来た。」

「続きは次の放課ね。」


 あ~、なんか、あっという間に…。

 みんな勝手に盛り上がってくれて…。

 でも赤澤くん、ふふ、省吾とだからいっか。


「秋山さん、秋山美咲さん。」

「はっ、はい。」

「顔が赤いけど熱でもあるんじゃない?

 大丈夫?」

「えっと…。」

「先生、近づき過ぎると火傷しますよ~。」

「赤澤くんも暑そうだな~。」

「あらあら、そういう事なの、あなた達。」

「えっ、秋山と赤澤?」

「何時から?」

「真由美、知ってた?」

「私も初耳。」

「そういうことなら保健室へは行かなくても良いわね。」

「先生、二人で保健室へ行かせたら危険で~す。」

「はいはい、では…。」


 か~、はずかし~。

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